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ポエニ戦役
作:流太郎



カルタゴの決意


円卓の間に一人腰を下ろす初老の男。
男は目を閉じ皆が集まるのを静かに待っている。
国を揺るがす驚異が目の前に迫っていた。
イタリア本土を統一したローマの勢力は拡大の一途を辿っている。
シチリア島のメッシーナ領を不当に占領したイタリア人傭兵集団マメルティニが引き起こしたイザコザによってカルタゴとローマとの争いは避けられないものとなった今、いかにしてローマと戦えばいいのか…やはりあの者達の力を借りる他道は無い。

円卓の間に鎧を纏った四人の男達が入ってきた。
顎髭の男が椅子に座ると続いて皆が椅子に腰を下ろす。
椅子に腰かけていた初老の男が話始める。
『皆、よく集まってくれた。
ローマとの戦争は避けられないものとなった貴殿達の力を貸して欲しい。』
椅子に座って暫く目を閉じていたテンネンパーマの長髪の男が話始める。
『ローマ…イタリアを統一した強国。
手強い相手ですね…』
坊主頭の大男がテーブリを叩きながら吠えた『いい機会ですぞ!カルタゴの力を見せつけてやりましょうぞ!』その時顎髭の男が口を開いた。
『ハンノ将軍、あまり熱くなられるな。
ローマの軍事力は侮れん。
だが負ければカルタゴは消え去る。
敗者に待っているのは破滅。
皆!!カルタゴの誇りを見せつけてやろうではないか!!』
顎髭を蓄えた男が立ち上がると共に椅子に座っていた男達が次々と立ち上がった。
顎髭の男は手の平を前方に指し伸ばすと
続いて皆が手を指し伸ばし手のひらを重ね合わせ皆で叫ぶ。
『カルタゴに栄光あれ!!』


カルタゴ領の都市アグリジェントから救援要請が入る。
都市にローマ軍が迫っていると知らせを受けたカルタゴは急ぎハンノ将軍とハミルカル=バルカ将軍の軍団をアグリジェントに向かわせた
ハンノ将軍の軍勢1万とバルカ将軍の軍勢1万2千、総勢2万2千の軍勢はアグリジェントに近づきつつあった。
バルカ将軍は間も無くアグリジェントに着くというタイミングで兵を休ませた。
『この戦いは何としてでも勝たねばならん。そこで提案がある。
このままアグリジェントに向かいローマ軍と戦闘を行い最中半分の軍勢を撤退させ、ローマ軍に押されていると思わせて撤退した軍勢をローマ軍の背後から挟撃する手筈だ。』
ハンノ将軍は納得したように頷いた。
『見事な策だな、間違いなくカルタゴの勝利だ!さすが猛将と呼ばれるだけはあるなハミルカル=バルカ将軍』
『いや、私はまだまだ未熟だ、だがいずれはアレクサンダー大王をも越えてみせる』
『ふははは!大きく出たな!!だがお前なら本当に越えられるかもしれんな』

暗い夜空を見上げ
満月をじっと見つめていた。
静けさの中金属の擦れ合う音だけが辺り一面に響いていた。












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