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国語算数理科恋愛 ハーレム主人公の未来とは 作者:黒猫大和
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 どこの学ランも大差ないので気がつかなかったが、少年のボタンの紋章をみると、俺も通っていたあの桜ヶ丘学園だ。
 俺の過去の栄光の詰まっている高校の名前だ。

 かつてのヒロイン、北村心は俺が通っていた頃も先生だった。
 俺が1年の頃に大学卒業間もない北村心が赴任してきたのを覚えている。

「つまり今は……32才ぐらいか」
  そう呟くと、少年は驚いた様子で顔を近づいてきた。
「なっ何で分かるんですか!!」

 何コイツどんだけ俺と密着したいんだよという距離感なのはさておき、母校であることだけは軽く説明しておいた。

(ふと思ったのだが、これはチャンスではないか)
 かつての好意を向けてくれていたヒロイン北村心の悩みを解決し、再度ヒロインに昇格する作戦はいけるかもしれない。少年には悪いが。

 ここで再度俺、衛宮恋のプロフィールを。
 25才、未婚、純潔どうてい、付き合った人ゼロ。
 少年にヒロイン奪われている場合じゃねー!!
 これが鈍感、難聴、優柔不断を繰り返した人間の結果である。

「依頼受けましょう」

 こうして俺の約7年ぶりの恋愛の予感が始まるのです。
 てか始めるのです。

「先生の悩みって何か分かっているのか?」
 久しぶりのラブコメの予感に興奮してきていつの間にか敬語を忘れる俺。

「クラスの雰囲気が悪いとか、好きな人と上手くいっていないとかウワサは色々あります」

(まさか好きな人って……、7年間思いを、いや想いを俺に寄せ続けてくれていたのでは)
 さすがにニヤニヤが止まらない。
「確かに上手くいっていないよなぁ」とワザとらしく呟いてみる。

「そうなんですよ、聞いてもらえますか。ウワサでは先生には僕の担任の南町みなみまち先生とデキているみたいなんです」
 残念そうな口調で少年は言う。
「でもぼくはあきらめません、ダメでもNTRだと思えば、なんちゃって」

 あれ、少年の言葉が耳に入ってこない……。
(あれっ……、俺のヒロイン)
(ヒロインが他の人を好きになるはずが……)
 冷や汗が止まらない――。

 付き合っていなくても、恋人でなくても、7年間の年月の経過があってもヒロインが奪われることは、思っていたよりもダメージが深くつきささった、心に。

 これが恋愛だ。
 相手を選ばないということは、自分も選ばれないということ。
 好きという気持ちはたった7年も長続きしないこと。

 これが世間の恋愛の常識であることに気づかされた25才5月のことである。
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