第五話 恐怖のトラウマ(最初だけ
「エドってば、シンジの膝の上でよく眠ってるわね」
メリッサは、シンジの膝を丁度枕代わりに寝ているエドの顔を覗き込んでそう呟く。
「シンジお兄ちゃん、兄さんを乗せて重くない?」
「平気だ、昨日は昨日で徹夜に付き合わせたからな」
「は、ははは、無理はしないようにって言って置いたんだけど」
「これを見てれば無理よね」
「エドが目を覚ましたらビックリするだろうな」
シンジ達が乗った特急列車が過激派グループに乗っ取られてから30分あまり車内が緊迫した空気の中エドは目の覚める気配もなくぐっすりと寝ていた。
「「御免なさい!!御免なさい!!御免なさい!!御免なさい!!もうトレインジャック何てしませんから!!だから!!地獄の折檻フルコースはーーーー!!」」
犯人グループの二人がいきなり入って来て、いきなり土下座を繰り返しながら謝っている、顔をグシャグシャに泣きはらしながら。
「・・・知り合い?」
メリッサがシンジに聞く。
「ああ、前にこいつらと一戦交えて、地獄の折檻フルコースAプランを執行した、無論汽車の中で」
どうやら、彼らの恐怖の対象はシンジみたいだ。
というより、地獄の折檻とは一体。
しかも、フルコース・・・・・・怖くなりそうな名前だな。
「で?後10人いるのか?」
「「は、はい!!後、俺らのボスはバルドです!!」」
ビビリながらボスの名を挙げる。
可哀相に、過去のトラウマを抱え、さらにはそのトラウマが目の前にいるのだから。
「・・・・・・よっしゃ、バルド達にこう言え『とっとと人質を解放して投降しろ、さもなきゃ、地獄の折檻フルコースDプランを執行すんぞ♪』って」
「「は、はい!!ただちにいってきます!!」」
そう言って、一等車両に向かう犯人グループの二人。
そこで、メリッサがアルに聞く。
「・・・ねぇ、シンジって、ある意味最強?」
「・・・・・・そうとしか言いようがないんだもん」
その後、列車は何事もなくイーストシティーに到着した。
「や、鋼の」
ロイ・マスタング大佐がにこやかに出迎えてきた。
「あれ、大佐こんにちは」
「よう、マスタング」
気付いたシンジとアルが挨拶をする。
エドはあらか様に嫌そうな顔をした。
「ねえ・・・シンジ、アル?あの方どなた?エドが嫌そうな顔をしているのは何故?」
シンジとアルの隣に隠れるようにいたメリッサは不思議そうに尋ねる。
「ああ、彼奴はロイ・マスタング。焔の錬金術師でエド達がいつもお世話をして貰っている人だ」
「ふーん」
「だけどなぁ、綺麗な女性を見つけると直ぐさまナンパをし掛けるんだよ。それに彼奴の手帳は、全部女性の名前で記入されてるし」
シンジの後の言葉に唖然とするアルとメリッサ。
すると、
「シンジ大佐、お久しぶりです」
「ああ、ホークアイ中尉、久しぶり」
「ホークアイ中尉、こんにちは」
「アルフォンス君もこんにちは」
ロイの副官リザ・ホークアイ中尉が挨拶をしてきた。
ちなみに、リザがシンジの事を大佐と呼んでいるのは、シンジがごまかす為に嘘の階級を言った為。
「この方は?」
「マスタングの副官、リザ・ホークアイ。射撃の名手だ、それと、こっちはメリッサ・ランドール。訳有って、俺達と行動を共にしている」
「初めましてメリッサさん、私はリザ・ホークアイ、よろしく」
「初めましてホークアイさん、メリッサ・ランドールと言います、こちらこそ」
「リザで良いわ」
「それじゃ、私の事はリィーって呼んでください」
いつの間にか、これだけで仲良くなった二人だった。
「そう言えばさ、マスタングはどうしてここに?」
「妹さんを迎えに」
リザの言葉に首を傾げるシンジ。
「マスタングに妹なんか居たのか?」
「・・・あ、そうか、シンジお兄ちゃんは知らなかったんだっけ」
アルが、ふと思い出したように言う。
それにまたも首を傾げるシンジ。
「リサ・マスタング、兄さんと同じ15歳で『銀眼の錬金術師』って呼ばれてるよ」
「国家錬金術師だったのか。で?同じ列車に乗っていたと?」
「そうよ」
リザが頷くと深い溜息をついたシンジ。
「ああ・・・・・・休日が欲しい」
「シンジお兄ちゃん(ホロリ」
「シンジ・・・・・苦労が耐えないわね(ホロリ」
同情するアルとメリッサ。
未だ、エドとロイは口喧嘩を続けている。
そこに
「エド、ロイ兄さん、いい加減止めなさいよ」
物静かな声がエド達の方から聞こえた。
シンジ達がそっちの方を向くと銀色の髪の長い少女が居た。
エド達はその少女に向かって、
「「邪魔しないでくれ!!」」
と言い、ケンカを再開した。
その少女はと言うと、
プッチン♪
パン!!バシィィィ!!ジャキン!!
「・・・いい加減にしなさいって言ってるでしょ?」
「「・・・はい」」
切れて、錬金術を使い敷石から剣を二つ錬成し、二人の首に突きつけた。
それを遠目で見ていた、シンジ達は、
「・・・相変わらず、自分の妹には勝てないのですね。大佐」
「て言うか、兄さんもリサを困らせないでって言ったのに」
「・・・・・・あの子が、リサ・マスタングか」
「ふーん、大佐さんと違って、可愛い子ね」
と、傍観者を決め込んでいた。
ふと、思い出したシンジがリザに聞く。
「そう言えば、『綴命の錬金術師』ショウ・タッカーは、資格剥奪に刑務所送りにしたか?」
「ええ、それと、ニーナ・タッカーと飼い犬のアレキサンダーは、ヒューズ中佐に」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの親バカヒューズにか?」
マース・ヒューズの名を聞いて、疲れた表情になりながらリザに聞いた。
「ええ」
「はぁ〜、あの親バカが二倍になってくるぞ、ったく少しはこっちの都合も考えやがれ」
と、頭を押さえてブツブツと暗い表情で言う。
そんなシンジの肩をぽんと叩くリザ。
まだまだ先は長い、頑張れシンジ。
(頑張れられるかーーー!!byシンジ) |