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鋼の錬金術師〜三人の天才〜
作:kein



第四話 空から降ってきた者


「・・・だーれも乗ってないね」
「噂には聞いていたがこれほどとは・・・」
「大体、こんな所には観光なんて無いだろ?」
貸し切り状態の列車の中で、シンジ達が呟く。
駅を出発して東の終わりの街ユースウェル炭鉱に向かう車内でのんびりとくつろいで順調に列車は目的地に近付いていた―――


ガタン・・・・・・キィィィィィィ〜〜〜〜〜

「うわっ!!何だ何だ!?」
「危ないっ兄さんっ!」
「緊急停車?」
突然、列車が急に止まりその衝撃で前にいるシンジに飛び込んでしまう所だったがアルがしっかりとガードした。
「・・・様子がおかしい、エド、アル、機関室に行くぞ」
「え?あ、うん!」
「お、おう!」
シンジとエドとアルは機関室に向かって車内を駆け出していった。




「な・・・・・何なんだよ・・・これ」
「・・・・・・・・・おっきい穴があいてるね、シンジお兄ちゃん」
「・・・・・・ああ」
三人が呆然とするのも無理もない。
列車機関室にたどり着いた三人が目にしたのは―――

列車の数メートル先にぽっかりと大穴があいていたのである。
「なあ、一体何が起きたんだ?」
シンジが呆然としている機関士に尋ねる。
「いきなり前方が光ったと思ったら穴があいていたのが見えたんで急ブレーキを掛けたんだが・・・・・・これじゃあ列車は動かせられんな・・・・・」
「(光?)そうか、おじさん、俺達は降りてちょっと調べてくるよ」
「坊主・・・大丈夫なのか?」
「大丈夫だ、とにかく降りて調べてくる」
そう言って、三人は汽車を降りていった。




「だが、どうやってこんな大きな穴が?」
「・・・爆弾・・・にしては、爆風が来ないのはおかしい」
「・・・もしかして、錬金術師?」
「・・・・・御伽話に出てくる魔術師だったりして(ボソ」
「シンジ兄さん?」
「いや、なんでも・・・・・・」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!」

突然、話している三人の頭上から声が聞こえた―――
「な、なに?」
「なんだぁ?げっ!!空から人が降ってくる!!」
「何を・・・マジかよ」



叫び声と共に空から降ってきた人物は見事アルの腕の中に着地した―――





「アル、エド、大丈夫か?」
「あ、ああ、何とか」
「あ、うん、僕もこの人も無事だよ」
「・・・あの叫び声の人物がこのお姉さんか?」
「そう、みたい」
三人はこの女性を見て少々考え込む。

腰まである長い黒髪と透き通るような白い肌。
歳の頃は二十代前半ぐらい、とにかくシンジ達よりは年上に見えた。(ちなみにシンジは18歳)
落下のショックからか、どうやら気を失っているが、目を覚ませばかなりの美人であるのは間違いないと断言できるほど整った容姿だった。
着ている服も異国風だが、あまり違和感はない。
その上からすっぽりと、ローブを羽織っていた。

シンジはこの女性が降ってきた空を見上げてぽつりと呟く。
「何でこのお姉さんが、空から降ってくるのか疑問でならなんだが、そもそも何処から」
「何処からだろう」
「・・・・・・う〜〜〜ん、ま、ここで考えてもしょうがないと思うぜ。シンジ兄さん」
「・・・だな、エドとアルはそのお姉さんを連れて戻っていてくれ、俺はこれを直してから戻るから」
「うん」
「おう」
エドとアルはシンジの言葉に頷いて、先に列車の中に戻った。
「さぁて、とっとと済ませるか」
そう言って、両手を合わせ地面に手をつけると金色の閃光が迸った。



「う・・・・・・ん・・・・・・」
列車の座席に寝かされていた女性がうっすらと目を開ける。
それに気付いたエドがシンジに声を掛ける。
「お、シンジ兄さん、気が付いたみたいだぜ」
「そうか」
そう言って、手に持っていた本をパタンと閉じて隣に置く。
女性は、顔をシンジ達に向ける。
「・・・・・・えっと・・・あの、どちら様ですか?」
女性は状況が分かっていないのか、開口一番三人を見てそう言った。
「え?ええと、僕はアルフォンスといいます、隣にいるのが」
「兄のエドワードだ、それで、この人が俺達の兄貴分、シンジ兄さんだ」
「・・・・・・」
シンジは彼女の顔を見て考え込んでいる。
鎧姿のアルとエドがそう答えると女性はニッコリと微笑んでそろそろと体を起こし丁寧に頭を下げた。
「これは丁寧にありがとう御座います。私はメリッサ・ランドールと申します」
そこまで答えてからきょろきょろと周りを見渡し首を傾げ透き通るような美しい紫紺の瞳でじーっと三人を見つめた。
「ところで・・・ここは何処なのでしょうか?見たところ列車の中だとは分かるのですけど・・・・・・」
「覚えてないのか?」
シンジがそう尋ねるときょとんとした顔をする。
「えーっと確か私、自室で薬を調合してたはずなんですが・・・あ、そうそう!それが何故か爆発して・・・あ、あれ?」
訳が分からないと言った表情で三人を見る。
「メリッサは空から降ってきたんだ。な、エド、アル」
「おう、そうだぜ」
「うん」
「そ、空からですか?」
シンジがそう言うと、メリッサはぽかんと口を開けたまま固まった。
・・・・・・が、次の瞬間、焦ったようにシンジ達に質問をし始めた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あのっ!まず此処は何処なんでしょう?」
「東の終わりの街、ユースウェル炭鉱行きの列車の中」
「ユ、ユース・・・ウェル?・・・・・・じ、じゃあこの国を治めている王様もいるの?」
「王?王なんかいないぞ政府機関が国を治めているがな・・・・・・より一番偉いのはブラッドレイ大総統だな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(がーーーーーーーーーーん)」
いきなり暗い表情で落ち込んだように見えるメリッサに質問をするシンジ。
「それより、君は魔術師か何かか?」
その言葉にばっと顔を上げてシンジを見るメリッサ。
幾つ分か青ざめているが。
「調合がどうとか、その服装を見てふと口に出したのだが、どうやら当たりだな」
シンジの横でエドとアルがヒソヒソと話していた。
「なぁ、アル。魔術師って御伽話に出てくるあれか?」
「・・・・・・僕に聞かないでよ」
それを横目で見て、深い溜息をつくシンジ。
それを同情の目で見るメリッサ。
しばらくして

「コホン、それじゃあ、魔術師はいなくて錬金術師がいるのね」
「ああ、錬金術の分野なら俺らの得意分野だしな、それと、東の方では錬丹術と言ってるようだぜ」
「「「錬丹術?」」」
メリッサとエドとアルが声を揃えて言う。
少し苦笑い、少しだけ説明をする。
「錬丹術は、医学分野に秀でた技術なんだ」


そうこうしているうちに、汽車がユースウェル炭鉱の駅に到着した。


「なんか・・・炭鉱って言うともう少し活気あるもんだと思っていたけど・・・」
エドが周りを見渡して、そう呟く。
「皆さんお疲れっぽい・・・」
アルもエドと同じ感想なのだろう街の人達を見てそう呟く。
「・・・・・(多分違うな)」
シンジは難しい顔で街の人達を見た。
「ん・・・・・・元気ないですね」
メリッサも同意見らしい。


ゴン!!
突然威勢のいい音が響いた。
見れば少年の運んでいた木材とエドの頭がぶつかった音らしい。
「おっと、ごめんよ」
「いてーな、この・・・」
「お!!何?観光?何処から来たの?メシは?宿は決まってる?」
「あ、いや、ちょっと・・・・・・」
少年は矢継ぎ早にエドに質問をしている。
エドはそんな少年の勢いに付いていけず答えもそぞろだ。
アルとメリッサは二人の遣り取りにただ呆然と見ていた。
シンジはこうなる事を最初から知っていた為か、とある方向を見ている。
そのうち少年が工事現場にいた男に話し掛けた。
「親父!客だ!」
「人の話聞けよ!」
「あー?なんだってカヤル」
「客!金ヅル!」
「金ヅルってなんだよ!」
付いていけないスピードで、勝手に話が進んでいく。
「あの、私達って、金ヅルなんですか?」
「・・・そうなの?」
「・・・・・・みたいだな」
メリッサとシンジとアルがボソボソと話し込んでいるうちに気付けばその親子の店に行く事になってしまった。



店の中では炭鉱で働く男達の憩いの場になっているらしく主人は皆から『親方』と呼ばれている。
四人が店にはいると皆気兼ねなく陽気に話し掛けてくる。
「よ、姉さん美人だね兄弟で旅行かい?」
「は、はぁ・・・・・・」
「ここには何しに来たんだい?」
「あの・・・ええっと・・・」
気が付けばメリッサは男達にぐるりと囲まれていた。
「悪いが、俺の連れだそっちに引き込むのは勘弁願いたい」
シンジがメリッサの手を引いてエドとアルと共にあいているテーブルについた。
「ありがとう、シンジく・・・」
「俺の事はシンジ、彼らもエドとアルと呼んでくれ、良いよな」
「うん!!」
「良いぜ」
「じゃあ、私の事もリィーって呼んでくれるかしら」
「分かった。それから、リィーは絶対、俺達から離れるな、この世界の知識は何もないんだうろうろすると、かえって危険だ」
「ありがとう・・・」
メリッサがシンジに礼を言うと、シンジは目を瞑って口許を緩ませた。
それを側から見ていたエドとアルは、
(青春だね兄さん)
(ああ、やっとシンジ兄さんにも春が来たからな)
とこそこそと話していた。
「えーと、一泊二食の四人分ね」
店の奥さんがシンジ達に声を掛ける。
「あ、でも私・・・」
そう言いかけたメリッサをシンジは手で制した。
「いくらで?」
「高ぇぞ?」
にやりと店の主人である親方が不適に微笑んだ。
「ご心配なく、結構持ってるから」
間に入ってくるエドにキッパリという親方。
「40万!」
どがー
エドが椅子ごとひっくり返り、シンジが乾いた笑いをする。
「ボッタクリも良いとこじゃねぇかよ!!」
「だから言っただろ、『高い』って」
「はいはい、ケンカは後回し、俺が40万払うよ」
「シンジ兄さん!?」
「おお、結構な額じゃねぇか、毎度あり兄ちゃん」
シンジが懐から財布を取りだし、中から1万センズを40枚取り出して、この店の親方に渡す。
「ええ〜、シンジお兄ちゃんって常識を斜め上に限りなくずらしてるよ。絶対」
「へぇ〜、シンジって、お金持ちなんだ」
と、少々ずれた会話をする二人。
「エド、お前金が足りなかったら、石ころを金に錬成しよう、何て考えしなかったか?」
「(ギクッ)や、やだなぁ、そんな訳あるはず無いじゃないですかぁ、シンジ兄さん、はははは」
(絶対、考えてたな)
ふぅっと溜息をつくシンジ、ふと横を見ると。
カヤルが、シンジの方を見ていた。
「・・・・・・・・・・・・聞かれたか」
シンジの呟きもカヤルの大声に掻き消された。
「親父!!この兄ちゃん錬金術師だ!!」
その後壊れたツルハシを錬金術で直したシンジを見たメリッサは「すご〜い」と、大袈裟なくらいシンジに言っていた。
「いやぁ、国家錬金術師は悪い人間ばっかりかと思ったが、あんた達は違うみたいだな、すまんな」
「・・・・・・いや、別にあんたが謝らなくても良い、もうすぐ、ヨキは軍を追放され、経営者を止めさせられるぞ」
差し出された食事を食べながら、そう言うシンジ。
「どういう・・・」
「どけどけ!!」
親方の声を遮るように大きな声が扉の向こうから聞こえた。
そこには軍人が三人いた。
(やっと、お出ましか)
シンジが心の中でそう呟き、唇をハンカチで拭く。
「相変わらず汚い店だな、ホーリング」
ちょびひげの男が毒を吐く。
「・・・これは中尉殿、こんなむさ苦しい所へようこそ」
「あいさつはいい、このところ税金を滞納しておるようだな、おまえの所に限らず、この街全体に言える事だが・・・」
「すみませんね、どうにも稼ぎが少ないもんで」
その遣り取りを見ていた、メリッサがシンジに小さい声で言う。
「・・・私こう言うの嫌い」
「これを好きになる人間がいたら面白い物だな」
さて、とシンジが腕を組んで立ち上がる。
それに気付いて店の親方に聞く。
「誰だ?此奴は」
「この方は、お客様ですよ、最上級の」
その言葉を鼻で笑うヨキ。
「ふん、誰だか知らんが怪我したくなかったら、そこから立ち去れ」
「・・・・・・ほう、お前は相手を誰だったか忘れているようだな」
そう言って、ゆっくりと振り向く。
その瞳は、少し怒っていた。
その顔を見て、青ざめたヨキ。
「お、おま・・・あなたは(真っ青」
「・・・さっさと炭鉱の権利書をこの親方に引き渡しやがれ、小物が」
シンジの言葉に怒ったのは、何も知らない用心棒の二人だった。
「テメェ、いい気になるなよ!」
「ヨキ中尉の暴言を言うんじゃねぇ!!」
と、腰にあったサーベルを抜いて、構えている。
シンジは、左腰にある刀を鞘から抜き、肩に乗せる。(というか、何時の間に!?)
「ま、まて!」
「調子に乗るんじゃねぇぇぇぇ!!」
用心棒の一人が無策に突っ込む。
振り下ろされたサーベルを横に避け、左脚で用心棒の顔に蹴りを与え店の外に吹っ飛ばす。
用心棒の一人は、これで歯が数本折れた。
「なっ!!てめぇぇぇぇぇぇ!!」
「雑魚が、黙ってろ」
横に振り抜いてきたサーベルを刀で受け止める。
だが、密度は刀が上なのでサーベルは折れてしまう。
「んなっ!!」
最後の用心棒を殴り飛ばす。
しばらく流動食しか食べられなくなった、哀れ用心棒。
戦闘を終了した後、刀を鞘に戻す。
「さっさと、炭鉱の権利書を引き渡せ、さもなきゃ。地獄の折檻フルコースDプランを使用するぞ」
「申し訳御座いません、すぐに」
そう言って、用心棒に経営権を持ってこさせ、名義を変え権利書をシンジに引き渡した。
「それから、大総統キング・ブラッドレイからの命令書がある。この命令は絶対だ。良いな」
「は、はい」
「『大総統キング・ブラッドレイの命により、元炭鉱の経営者ヨキを軍から永久追放をする』以上だ」
つまり
「・・・・・・首ってこと?」
「大当たり、ヨキはこれで軍にはもう、所属する事はできない」
そう言って、ホーリングに権利書を渡す。
「これで、炭鉱の経営権はあんたの物だ。好きに使いな」
ヨキはすでにこの店から去っている。
一瞬、静かになったが、
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「よっしゃぁーーーーーっ!!!」
「酒持ってこい酒ーーーーっ!!」
と、すぐにどんちゃん騒ぎになった。
「これにて、一件落着」
と、懐から扇子を取り出して扇ぐシンジ。
「これで、また活気が溢れるんだね、兄さん、リィー、シンジお兄ちゃん」
「そうだな」
嬉しく言うアルにエドも笑顔で言う。
メリッサは蔓延の笑みを浮かべる。





で、結局
「またお腹出して寝て!だらしないなぁもう!」
「もう食べられない・・・」
と、苦労するアル。
シンジは壁により掛かって眠っていて、その隣にメリッサが寄りかかって眠っている。


は〜い、でました。
シンジのヒロイン『メリッサ・ランドール』!!
いやぁ〜、限りなく美人ですから、男共が黙っちゃいなでしょう。
で、シンジの階級は国軍大将。
大総統の次に偉い階級です。
ちなみに人造人間ホムンクルスの『お父様』も傷のスカーもシンジの味方です。(傷の男は国軍中佐です。今は)
言うなれば、敵は『ネルフ』ですね。
使徒もちゃんと出します。
こうご期待。


シ:話は済んだか?
はっ、シ、シンジ?一体どうして。
シ:ただ語らせただけだ、それじゃあ、さようなら。
ちょっ、やぁぁぁぁめぇぇぇぇてぇぇぇぇぇ!!
シ:消えろ!!ジェノサイドガン!!
キュォォォォォン!!
ドッガァァァァァン!!
うっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!




あとがきになってませんね、本当に済みません。











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