その時・・・
「こんな可愛い姫と遊ばない?!」
媚姫は風一郎に再び聲をかけた。
挑発の言葉だ。
その上、誘惑の秋波も送った。
断れない誘いだった。
しかし、
相手は風一郎だった。
「馬鹿な真似はよせ」
と、風一郎に無視された。
「冷たい男。ね、この薔薇は綺麗でしょう?!」
風一郎の背に呼びかけていた。
「挙げるよ」
風一郎に投げた。
目を奪うほど美しい花だ。
九百九十九枚の瓣の薔薇だ。
「貴様!汚い奴め!」
師父の罵声がはっきり聞こえた。
「急がなかないと・・・」
と、風一郎が思う瞬間、
あの薔薇、
あの薔薇の九百九十九枚の瓣は、
九百九十九本の箭と化した。
毒つけの箭だ。
一本当たったら即死は間違いない。
箭は風一郎の背を襲っていく。
後ろを見ていない彼は当然気が付いてない。
媚姫は笑った。
今回は勝利者の笑みだ。
箭の先はもう背中の寸前だ。
突然、怪事は起こった。
風一郎の衣は膨張してきた。
まるで風船みたい。
媚姫の笑顔は強張った。
「まさか!護体罡気!!」
彼女は叫んだ。
驚いたことは、
それだけではない、
箭は風一郎の衣に触れると、
倍の速度で反射された。
流星のように、
媚姫に射返してきた。
彼女は驚異の目をして倒れた。
「いじわるなやつめ!自業自得」
と、風一郎はいいながら、
光明頂に登ってきた。
時間に間に合ったが、
光明頂の一戦で、
天下の衆生のため、
迷いの風一郎を醒ますために、
師父は命を捨てた。
師父の死で、
風一郎は覚めた。
空に高く飛んで変身したのだ。
明王になった。
「明王一斬」と叫んで、
全力で一撃した。
力が最も弱い魔尊は抵抗できなかった・・・
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