『CROWN plus』(9/27)縦書き表示RDF


『CROWN plus』
作:是音



TURN9 奇妙な再会


CROWN Z・E隊基地

シドの命を受けたARIS2の兵士達は海上のZ・E隊基地で避難中の人々を救出していた。海上ヘリポートの上に着艦したARIS2へ多数のCROWN市民が乗り込んで行く。赤色の戦闘服を着たARIS兵達が海上ヘリポートの上を走り回っていた。
一般兵と思われる男がヘルメットを被った隊長らしき男に話し掛けた。

「隊長!避難民及びダラム兵の収容が完了しました!」
「よし、ダラム兵の責任者はどこだ?」

すると緑色の戦闘服を着た兵士が一般兵の後ろから現れた。

「私がダラム基地の副隊長です。」

ARIS隊の隊長はその男に敬礼した。
「そうですか。まずは市民の安全確保ご苦労様でした!あなた方の迅速な行動のお陰で被害を少数に抑えることができました!」

それを聞いた緑服のダラム副隊長も敬礼した。
「救助に感謝いたします。この基地にはCROWN全市民の半分が収容されています。残りはARISに避難中です。」
「了解しました。避難民の収容が終了しましたのですぐに向かいます。案内宜しくお願いします。」

二人は互いに握手を交わし、ARIS2へ乗り込んだ。

官制室に入った隊長は部下に指示を出す。
「よし、これよりARIS2はARISの救出へ向かう!ホバーブースト起動!」

ARIS2は轟音をあげながら浮上した。そして海上ヘリポートから発進しようとしたまさにその時

〈ブォォォォォ!!!〉

海中から大型のクジラが三倍に巨大化したような魔鬼が飛び出してきた。角が生え、鋭い牙をむき出しにしながらARIS2を飲み込もうと襲い掛かってくる。
だが官制室の兵士達は落ち着いていた。この兵士達は前異世界大戦でARISに乗り込んでいた兵士なのだ。

「フン、これが巨大?テラで見た魔鬼に比べれば可愛いもんだ。」
隊長は鼻で笑った。

クジラ型魔鬼の目の前でARIS2の前部ハッチが開き、レンズがあらわれる。

「《アルファ・レイ》撃てぇ!」

レンズから赤いレーザーメスが一本放たれ、上から下へ動いた。
次の瞬間海は遥か遠くまで裂け、目の前では真っ二つになったクジラ型魔鬼が海へ落下していった。

「さぁ、同士を迎えに行こうか。」
隊長は笑顔で言った。



ファム達がヴァルガ地形に入ってから大分時間が経っていた。ファムは丘を登り続けていた為に疲労していた。ジンとレイモンドはだいぶ前を歩いている。
ヴァルガ地形はその地帯だけ空が曇り、雷が鳴っている。ファムはこの世界が異常だということを改めて認識したのだった。
疲れた顔のサイがユノへ話しかける。

「おいユノ〜、城ってまだ先なのか〜?ヴァルガ地形に入ったんなら近いだろ〜?」
「もう少しで丘の頂上よ。そこへ行けば城が見えるはず。・・・ジン、レイモンド、何か見える〜!?」

ユノの問い掛けに返事は無い。一番に丘の頂上に着いたジンとレイモンドは遠くを見たまま固まっていた。

「な、なぁユノ、ライア、あれがお前らの言っていた城か?」
「え、城が見えたの?」

ユノがジンに返事をしたその時、丘の向こう側、つまり城の方から爆音が聞こえた。
それに反応したファム、サイ、ユノ、ライアは急いで丘を駆け上がり、四人も目の前に広がる光景を見て絶句した。

六人の遠くには確かに深い谷の真ん中に位置する円柱型の城があった。
あったのだが、その城の周囲では大規模な戦闘が行われていた。
さらに信じられないことに、戦っているのはなんとエネルギー体の大群と魔鬼の大群であった。

「どういう事だこりゃあ!?」
「何でエネルギー体と魔鬼が戦っているの?」

見たところエネルギー軍は巨城を守るように展開しており、魔鬼達は開かれたワープゲートから次々と現われて巨城へ進攻している。
そしてジンはエネルギー体の軍の中に何かを見つけた。

「ア、アンカー!?」

ファムはジンの視線の先に目を送った。そこには魔鬼を圧倒するジンそっくりの男がいた。しかもエネルギー体はアンカーの為に援護射撃までしている。
他の面々もアンカーに気付いたようだ。

「おいジン、ありゃあアンカーじゃねえのか?」
「エネルギー体達の仲間みたいに見える・・・。」

六人はこの状況を理解できずにいた。だがジンはアンカーの方へ向かって丘を駆け下りていく。

「ジン待て!危険だ!」
レイモンドが呼ぶがジンには聞こえていない。
ジンに続いてファムも駆け下り、ジンの隣で走った。
「ジンさん、弟さんの所へ行くんですよね!?」

「止めても無駄だ!」

「止めませんよ。私も付き合います!」

ジンは一瞬驚いた顔をした。
「・・・勝手にしろ。」



丘の上ではサイも三体の大塊儡を呼び出していた。
「よくわかんないけど、仲間が危ないなら助けに行かないと!」
サイは陽斬の肩に飛び乗り、ジンとファムを追って丘を駆け下りていった。

「レイモンドは行かないの〜?」
「私達先に行くよ。」
同じくユノとライアも大戈を呼び出してサイに続いた。
「誰も行かないなんて言ってねぇだろ!」
レイモンドもマシンガンを出してアンカーの所へ向かった。


「どけぇ!」

ジンとファムはエネルギー体と魔鬼が戦闘する中を双方の攻撃を回避しながらアンカーの所へ向かう。

「アンカー!!」

《剛拳》でデモン型魔鬼を吹き飛ばしたアンカーは近づいてくるジン達に気付いた。

「あれ、ジン!?無事だったのか!久しぶりだな!こんな所で何やってんだ!?」
「それはこっちの台詞だアンカー!何でお前が敵に加勢してんだよ!」

ジンへ襲い掛かろうとした魔鬼がファムの影槍に切り裂かれた。

アンカーはジンの肩をポンと叩いた。
「今は魔鬼達のワープゲートが閉じるまでの間持ちこたえなければいけないんだ。後でちゃんと話す。」

「ジンさん!大型がこちらへ向かってきます!」
三人の前に巨大な身体に頭が三つあるケルベロス型魔鬼が突進してきた。
ジンはアンカーの隣に立つ。
「話は後だな。」
「久しぶりにやるか?」
二人は同じ構えをとる。ファムは後ろでそれを見ていた。
(二人共身体硬質化能力なんだ・・・)

「いくぞアンカー。」
「OK。」

ケルベロス型魔鬼が三つの頭で噛み付こうとする。


《絶鬼・双重爆{ぜっき・そうじゅうばく}!》

二人の強烈な掌低はケルベロス型魔鬼の身体を衝撃で内部から粉砕した。
周囲ではレイモンド達も戦っている。ファムも魔鬼の集団に突撃していった。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう