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『CROWN plus』
作:是音



TURN14 壱の扉〜蜘蛛〜


壱の扉へ入ったテラ、ザック、ファム、スティングだが、突然四人はワープした。扉自体がワープゲートだったのだ。


ワープして行き着いたそこは都市だった。高層ビルが立ち並んでいるのだ。しかしやはり地下なのだろう、壁の見えない程に広がる空洞を見上げるとそこには確かに天井があった。天井が無ければ地上にいるのと間違えてしまうくらいに空洞は広い。さらに謎の光源が強烈な光を放ち、空洞内はとても明るかった。
ザックは目を細めて目の前に広がる光景を見た。

「テラ、これも創世神が作り出した空間か?」

『おそらくは。他の方々も同じような地下空間に転送されたかと思われます。』

だがザックとスティングは都市を見つめ、互いに顔を見合わせた。

「スティング。」
「ザック、お前も気付いたか。」

テラとファムは二人の言うことが理解できなかった。
「兄さん、スティングさん、どうしたんですか?」

ファムの質問に二人は声をそろえて言った。
「ここはCROWNの《都市部DEADLY TABLE》と全く同じ造りだ。」

その言葉に金色の鎧に身を包み、表情さえもわからないテラが首を傾げた。
『おかしいですね。創世神がCROWNの内部まで知っているはずは無いのですが・・・』

疑問は沢山残るが、四人はとりあえず都市部を模索することにした。
誰もいない都市部の広いメインストリートの真ん中を四人は歩いていく。ファムはスティングと話していた。スティングは背が高く、ファムは横へ見上げながら話している。

「えっ!スティングさんはアウスさんとメーヴェさんの幼なじみなんですか!?」
「ああ。奴らの親友だよ。オレ達はいつも一緒だったからな。これからも一緒だと思ってた。・・・なのにアイツら、オレ一人を置いて先に逝っちまった。ハッハハハ、まったく馬鹿な野郎共だよ。」

スティングは高笑いした。が、ファムは話を聞いて表情を曇らせた。

「す、すみません。安易に入り込みすぎました。」

「気にすることはないさ、それよりオレはザックに妹がいたってことに驚いたな!」

すると、テラと二人で前を歩いていたザックが振り返った。

「まぁな。オレだってこんな正反対の性格した妹に毎日驚かされてたんだからよ。」
「兄さんとは小さい頃から剣道を一緒にやっていたの。」

テラは後ろで話す三人の会話を聞いていた。

『兄・・・?妹・・・?それは何です?』

突然疑問をぶつけられてザックは困った顔をした。
「お前惑星が具現化した姿だから全知全能だと思ってたのにそんなことも知らないのかよ!親族だよ親族!」
『親族・・・?』
「だぁー!」

するとスティングが笑顔でテラの金色の鎧を叩いた。
「そうだなぁ、お前とヴァルガ、トガス達のような関係だな。」

テラは兜の中で赤く光る目をさらに輝かせた。

『ナルホド、《切っても切れない大切な関係》ですか。』
「そういうことだ。」

和みながら道を歩く四人だったが、突如前に一つの影が飛び降りてきた。全員は身構える。

突然現れたそれは全長二メートル程で、六本の脚が生えた蜘蛛のような形をしていた。しかし身体の色は黄色と青色、白色が折り交ざり、巨大な丸く紫色の宝石のような目が一つくっついている。さらに背中には妙な紋章が刻まれていた。魔鬼は大概は黒色だからどうやら魔鬼ではないらしい。

「テラ、こいつはいったい・・・?」

ザックがそう言いおわった瞬間、その蜘蛛は口から無数のレーザーを乱射してきた。四人はそれを横に躱し、建物に隠れた。

『私も知りません。あれはなんでしょう。』
「瞬殺してやる!」

スティングが高速で飛び出した。蜘蛛はレーザーを放つがスティングはあっさりと躱して接近した。

「くらえ!」

スティングが速度に体重を加えた強烈な蹴りを当てた。しかし

「ぐあっ」

蹴りは金属音と共に蜘蛛の背中に弾かれた。

「どいてろスティング!《影走り・連》!」

ザックが両手に持った影刀を振って二本の巨大な影の刄を蜘蛛に放った。ファムはその影走りの巨大さに驚いた。

(あんな大きな刄なんて私じゃ出せない!)

しかしその影走りを蜘蛛はカサカサと巨体に似合わない恐ろしいスピードで回避した。

「チッ、あいつ強いぞ!」
ザックは舌打ちした。

『私が行きましょう。《空間転移》!』

金色の騎士は建物の影から蜘蛛の背中の上に移動した。剣を振り上げて背中へ突き刺すが、テラの剣も金属音と共に弾かれた。
テラがバランスを崩した隙に蜘蛛はテラを振り落とし、口から糸を出して動きを封じた。それを見たファムは蜘蛛へ突撃し、影を掴んで蜘蛛の動きを止める。しかし

「うそ!?影縛りが!」

蜘蛛は信じられないほどの怪力で身体を動かし、テラへ牙を向ける。
蜘蛛の下でテラはあることに気付いた。

『目です!目を狙いなさい!』

テラの言葉を聞いたスティングとザックは一斉に蜘蛛へ飛び掛かった。
ザックは片方の刀だけに能力を凝縮し、スティングは両腕の袖から五本の鋭いカギヅメのついた暗器《鬼爪》を出した。
そして二人同時に蜘蛛の目に突き刺す。

蜘蛛の目はガラスの球のように割れた。蜘蛛の動きが止まる。
その隙にファムはテラに絡み付いた糸を切断し、四人は後退して蜘蛛の様子を伺った。
蜘蛛は特に苦しむ様子も見せず、カサカサと高速で建物の壁をはい上がり、消えた。

「なんだったんだ今の奴は?」
「強かったな。魔鬼とは格が違う。」
『とりあえず今の蜘蛛の事を皆に報告しておきます。』

テラは念波でヴァルガ達へ連絡する。

『みんな、テラよ。聞こえる?たった今未知の敵に遭遇したわ。そいつは蜘蛛の形をしていて、強敵よ。弱点は目だから気を付けて。』

〈ヴァルガだ。了解した。今我々は都市部を抜けて進行中だ。しかしこの人間共・・・(おいコラジン!てめえ今オレの足踏んだだろ!)(うるせえ踏んでねえよ!お前がオレの足踏んだんだろアンカー!)(あ、悪ぃ悪ぃ。それウチの邪混沌。)(君達やめないか。)・・・やかましいったらないぜ。〉

〈こちらトガス!多数の見たことのないタイプの魔鬼と戦闘中だ!蜘蛛だな、了解した!〉

『皆それぞれ進行しているようね。』

四人は再び都市部を進んでいった。












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