海に太陽が沈み、港町に夜が降りてくる。通りを行く人は入れ代わり、町は静寂を帯びる。子守唄の波音が人々を寝静ませ、町は表情を変える。 暗黒のカーテンが降りきった時、彼はそこ―――教会の上に立っていた。 「ふむ。今宵は月が綺麗だな。」 今日は満月、月の光が彼の姿を浮かび上がらせる。身長は180センチ位だろうか。全身を黒で統一し、銀髪が風に靡いている。年齢はわからない。 彼は呟く。 「闇よ、我が懐に集え。ラジアル。」 彼の姿を闇が覆い隠し、見えなくなる。 運命の歯車はまわりだす。ゆっくりと。確実に。その先は―――