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俺と肉

作者:はむち
 ひとしきり確認した。

本命はここにいない。

今ここに在る物はやはり不人気と言うことか。

仕方がないので幾つかをチョイス。

席について満遍なく確かめる。
なるほど、余る訳だ。


冷たくなったそれら改めて手をかける。
まだ温かかった頃を想像しながら。


 ここには本来無数の物が存在する。
しかし、その半数は現在失われ残骸すら残らない。
今ここに残された物たちもその栄華を失って光もない。


そこかしこで失われた台座を者共が回収に急ぐ。

そしてまた新たな存在を運びこむ。
運んでも運んでも失われ、残された物は減る事なくそこに在り続ける。

俺のこの苛立ちを抑えこむ為にはそこに今在るものを選ぶしかない。

しかし、俺の目的はそれではない。
今こそ存在しない本命は別にいる。しかしそれはまだやってこない。


自らの手を汚しながら、その本命を待つ為に余った物に手を出して凌ぐ。
苛立ちが一層大きくなる。


--- なぜ俺はこんな物に手を出さないと行けないのか ---


 そう思いながらも限られた時間の中で戦わないといけない。
かなりのジレンマが体を蝕む。
最低限、本命のために残さないといけない。

 時間だけが刻々と過ぎる。
余った者共で満足しないといけないのか。
残された時間が僅かになる。


--- いや、入店から考えてもそろそろだ ---


そう言い聞かせて限界まで堪える。


「おまたせしました~、当店特製和風A5ステーキでーす!」


--- 来た! この時を待っていた!

 足早に席を立ち、ステーキブースに駆け込む。
いや、店内危険なので足早に歩く。
そう、待っていましいたという雰囲気を出してしまわないよう。


 しかし、そこは既に戦場だった。
老若男女問わず本能を露わにした者が集まる。
この戦場を勝ち抜いてこそ、勝者こそが味わうことができる甘美なひととき。



 残念な事にそこには残骸すら残っていなかった。
一人ひとりが思い思いに更に肉をのせている。何個食べるつもりだ。
俺にはもう昼休憩という時間は残っていなかった。


 今日も味わうことが出来なかった。
そう、そこは肉欲を露わにしたバイキングレストラン。

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