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  死神と私 作者:冬華白輝
 ミステリーというにはおこがましく、ファンタジーというほど剣と魔法が出るわけでもなく・・・ですが、楽しんで読んで頂ければ嬉しいです♪
死神と出会う


 目の前に突如現れた黒い影。

 実家の職業柄か、それがいったい何なのかわかってしまった私は、目を合わせる寸前に身を翻し、その影から逃げた。

 それは、死神と呼ばれるものだった。死神が迎えに来たということは、今の今まで病気らしい病気もせず、元気だけが取り得の私に寿命がきてしまったというのか。

 たった16年しか生きていないのに・・・。“まだ、死にたくない!”そう思って、裸足のまま私は逃げた。





里乃(りの)・・・里乃・・・』

 逃げても逃げても、死神の声は追ってくる。

「・・・チッ・・・里乃、逃げんな、てめえ!」

 いきなり口調が、がらりと変わった。私は思わず振り向いてしまい、死神と目を合わせてしまった。

 ぜぇぜぇといいながら、その死神は私の肩を掴んだ。

「捕まえたぞ、死神と目を合わせたらそれでお終いってのは知ってんだろ?・・・よし、じゃ、行くぞ」

「・・・あの世に?」

 私は聞かなくても解ることを聞いた。死神は、いやな顔もせず、律義に答えてくれる。

「ああ、あの世、天界、天国、霊界、いろいろ言い方はあるが、そこだ。・・・でも、フツー直行するんだが、おまえ達みたいな若い連中は特別、そこに行く前に調査される」

「え、どうして?」

 私は思わず聞き返していた。

「・・・何で鬼籍に載っちまったのか、調べんだよ」

 死神は天を仰ぎながら、ぽりぽりと鼻の頭を掻く。あまりにも人間らしい仕草に、私は妙にこの死神に親近感を覚えた。

「・・・でも、結局はあの世行きでしょ?」

「いや、場合によっては、死神になったり、調査チームに配属させられたりすることもある」 

 さらりと答えた死神に私は驚いた。

「じゃあ、死神、あなたも?」

 死神は眉をひそめて不快げに私を見る。

「死神って呼ぶな。オレにだって名前くらいある。和幸(かずゆき)って呼べ。・・・まぁ、答えはYesだ。オレも18で死んで調査の結果によって死神になった」

「調査の結果って?どんな結果がでるとそうなるの?」

「・・・呪殺だと死神、生け贄および身代わりだと調査チームだな」

「それって、本来死ぬはずではない人じゃない」

「ああ、そうさ。だから、こうして半死半生みたいな生活してんのさ。生き返れるわけじゃねぇからな。死神の仕事はメインはこういう鬼籍に載ったやつの迎えだが、許可が下りれば自分の復讐も可能だ。自分を殺したやつを殺す。調査チームの場合は、生け贄にした人物、もしくは自分が身代わりになった相手を鬼籍に載せることができる」

 死神、和幸はそう言って、にやりと笑う。まるで、それが目的で死神になった、とでも言うように。

「そ、そうなの。・・・私は、どうなるのかな?」

「フツーに理由があっての死亡ならソッコーあの世行き。でも、オレには、どーもおまえがフツーに死んだとは思えねえ。多分、死神か、調査チーム入りは間違いねえな」

和幸はそう言うと、私の頭を軽くこづく。

「さ、無駄話はここまでだ。・・・行くぞ」

「う、うん」

 私はあの世に連れて行かれることは変わらないというのに、さっきまでの恐怖が嘘のようになくなっているのに気がついた。

 和幸のおかげかもしれない。


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