笑顔のジョリー・ロジャー
「「ぁ”ぅ・・・あ”つ”い”ぃい・・」」
ジリジリと照り付ける太陽に完全に負けて船の甲板でぐったりとしている少女達が大海原に2人。
1人は真っ赤な長い髪のとびきりの美人。細い腰にはウェストポーチを着けていて、
その横には短剣を差している。
もう1人はぴょこぴょことはねる黒髪のショートヘア。露出度の高い服装をしていてズボンの上から
着けてある腰布にカトラスをぶら下げてる。
「ねぇ、、。ティーシャ、、。海軍が居ようと構わないよ、、。次の島に上陸しよぉ?」
と黒髪のほうが赤髪の方に話し掛けた。するとティーシャと呼ばれた赤髪の少女は
「そうね、、、、、。上陸しましょう。そうと決まればさっさと進路を決めるわよ、マイムッ。」
そう言って豪快に海図を甲板の床に広げた。2人は屈みこんで暫く海図とにらめっこ。
「この島は?」「此処は海軍がうろうろしてるって話よ?マイム、よく考えて?」
ここで気になってる方もいるでしょう。彼女達が何故”海軍”をしきりに気にするか。
理由は簡単。ティーシャとマイムは”海賊”だから。たった2人の海賊団だが
海賊である事には変わりない。海軍に見つかったら捕まってしまう。
その上2人は賞金首であるわけで・・・・。おかげで海賊狩りや賞金稼ぎ達にも狙われる身。
迂闊な島選びは出来ない訳です。
暑いと騒いでいたわりには30分もかけて進路を決めた。
「此処がいいわっ。他の海賊から聞いた話ではこの島が一番海軍目撃数も少なく現在位置から近い」
「ティーシャが言うなら確実だね。行こーう!パズ島へ!」
*
その頃、パズ島ではマイム達を照り付けているのと同じジリジリとした日差しを
鬱陶しそうに睨み付ける綺麗な白い肌の少女。
汗で少しべたっとするふわふわした金色の髪を掻き上げながら
「こんな日差しのなかパトロールなんて肌焼けちゃうわよ!信じらんない!」
とブツブツ悪態を吐いていた。すると海軍の制服と着たひょろりとした体形の男が近づいてきて
「准尉ぃ。しっかりパトロールしてください〜〜。でないと、、、僕まで怒られちゃうんですよぉお」
嘆く部下を見て、少女は制服の青いスカートをひらっと翻して振り向き
「わーってるゎよ!あたしは町の入り口を見てくるから、伍長ゎ海岸へ行きなさい。分かったわね?」
そういって町のほうへスタスタを歩いて行ってしまった。
*
「ティーシャ、、、。なんで、、。なんであたし達は今走ってるの〜〜〜!?」
パズ島へ着いてすぐ、準備運動と言うには激しすぎる見事なダッシュを披露している2人の海賊。
はぁはぁと息を切らしながらティーシャは答える。
「逃げてるからよっ!それ以外なんの理由があるのよ!!それよりもっと早く走りなさい!」
「ふぇ〜〜。ここは海軍少ないって言ってたのにいきなり見つかっちゃったょぉ〜〜」
船を泊めている時に海軍に見つかった2人は急いで船を縄で縛り付け猛ダッシュ。
で、今に至る訳である。
細く長い迷路のような路地。初めてパズ島に着たティーシャとマイムは完全に地の利が無い。
不利だ。
あっという間に追い詰められてしまう。
「もー駄目だよーーー!走れない!ここどこ!もう、イヤぁっ、ングっ!?」
マイムは行き成り口を抑えられ、腕を掴まれたので驚き思わずティーシャの腕を掴む。
「ちょっ。ひゃあっ」
藁だらけの小さな小屋の中へと引っ張られ、カビくさい木製のドアは
ギギィとキレの悪い音を立てて閉まった。
2人がそっと前を向くと海軍の制服を着たふわふわとした金髪の少女。真っ白な肌をしている。
そう、先ほど太陽を鬱陶しそうに睨み付けていた海軍准尉の少女だ。
マイムはすぐに海軍である事に気づき、身構える。すると
「やめないさい。マイム。」
ティーシャはしっかりとした口調で落ち着き払って言った。
そして続けてこう言った。
「私達をかばってくれたんでしょ?よく聞いてなさいマイム」
口に人差し指を当てて「シーッ」のポーズを取る。
外の音に聞き耳とたてていると先ほどマイム達を追いかけていたひょろりとした海兵の声。
『向こうか!?逃がさないぞ!!!』
と言って小屋の前を通り過ぎて行ってしまった。
「ホントだ・・・・」
信じられない!という顔をしながらマイムは金髪少女に視線を移す。
するとマイムの視線に気づいた少女は綺麗な顔立ちでにっこりと笑う。
「私はオリーヴ。ん、、、。まぁ、見ての通り海軍よ。けど安心して。私、海賊は捕まえないの。」
そう言って手招きをしながらそ〜っと小屋から出て行ったので、2人はその後を付いて行った。
10分ほど歩きつづけると赤いレンガ造りの屋根に白い壁の可愛らしい家。
周りをきょろきょろを見渡してからオリーヴはマイムとティーシャにもう一度手招きをして
家のドアを開けた。先ほどの小屋とは違いまだ塗料の匂いが残っているほどの新しい家だ。
オリーヴはソファに2人を座らせ自分はキッチンへ入っていって紅茶を淹れて来てくれた。
マグカップに注がれた琥珀の様な色の紅茶はマスカットの香りがする。
「わー!これマスカットダージリンだね!村にいたときにお母さんがよくいれてくれた!」
マイムがマグカップを持ち上げて嬉しそうに言った。
「あら。知ってるの?私もこの紅茶好きなの」
オリーヴは座りながら自分のマグカップも持ち上げて見せた。
「で、それより気になる事があるんだけど?」
ティーシャがオリーヴをじっと見つめながら落ち着いた口調で言った。
するとオリーヴは薄汚れた一枚の写真がはいった写真立てをゆびさした。
「この写真の真中の男。私の兄なんだけどね。海賊なの。でも父は海軍大佐で兄が海賊に
断固反対だったの。兄は家を勝手に離れ海賊になった。そしたら自然に父親の怒りは私に向いたわ
私を海軍将校にするために父親は兄と海賊をいう生き物を憎むように教え込んだわ。
たくさんの海賊をつかまえれば海軍のランクアップは確実だもの。
でも、、。私は兄を嫌いにはなれなかったし本当は私も海賊になりたかった。
だから、、、。私は海賊を捕まえられない。だから後一歩なのに准尉どまり。あはは。。」
頬杖を着いて苦笑いするオリーヴと見てマイムは
「海賊になりたいなら、なればいいじゃんか!どうせなら一緒に行こうよ!」
と手を差し伸べる。ティーシャとオリーヴが目を見開き差し伸べられた手を見つめる。
にーっと笑うその笑顔を信頼してもいいかな・・・・。とオリーヴが思えたその時
バーンっと大きな音を立ててさっきのひょろりとした男とはまるで正反対の
立派な体つきをした男が玄関のドアを開け入ってきた。
「誰!?」ティーシャはバっと顔をドアへと向けた。
マイムとティーシャには構わず男はオリーヴへと近づいていくと
「オリーヴ、、。また海賊を匿って海軍の恥じと思わんかっっ!!」
「お父さん!私は本当は海軍になんてなりたくなかったっていったじゃない!」
『お父さん!!??』
オリーヴはその男をお父さんと呼んだ、、。ということは海軍大佐。
ヤバイ。捕まってしまう。
「2人とも!ここは逃げて!捕まってしまうわ。」
「やだ!オリーヴも一緒に行こう!」
「いいから行きなさい!!!!!!!!!!!」
「断る!」
マイムはバっとオリーヴの腕を掴み走り去った。
「ちょ!マイム!待ちなさいよぉ〜〜〜」
とその後にティーシャも着いて行った。
走り去っていく我が娘と海賊達を大佐が逃すわけは無い。
ちっと舌打ちをして追いかけていった。
「は、2人共私も連れてきちゃってよかったの?追手の執着がすごいと思うわよ?」
息をきらしぐったりとする2人を見つめながら呟くオリーヴ。
その声を聞いてティーシャはフフフっと笑い出し
「いいのよ。海賊は自由よ?誰をスカウトしようとも自由だもの」
「そうだよっ。それに誰にもオリーヴの夢をさまたげる権利はない!」
そういって拳を突き上げる2人を見ていると涙と笑顔が零れ出た。
「そだね。じゃあ、もうこれもいらないや」
海軍の証である鮮やかな青いリボンを襟からしゅるっと音を立てて外すと
海け投げ捨てた。
そして綺麗な笑みを見せた。
「今から私達の仲間でいいの?後悔は?」
「ないわ!!!!」
3人は泊めてあった船へと乗り込んだその時
「待て。オリーヴ。」
声に振り向くとオリーヴの父親。なぜか怒りの表情が見えない上に悲しそうだ。
「お父さん、、、。あたしはもう海軍じゃないからね。
この2人と一緒に海賊になる!お父さんと一緒に行かない!」
船に乗ったまま動こうとはしない。
マイムはいざというときのため構えてる。
「ああ、。分かっている。もう止めない、、。さっきからのお前と海賊達のやりとりを見ていた。
悔いはないと答えたときのお前の顔。。いままでで一番に輝いていた、、。
父親として娘の一番の幸せを考えるのは当たり前のことだった。。
いってくるがいい。世界中を見て来い。帰ってきたその時はお前を暖かく迎えよう」
優しい笑顔をみせ娘を見送る父親にオリーヴは涙をながしながら
「いってくる!!いつかえってくるかは分かんないけどっ。立派に成長してみせるわ!!
さようなら、お父さん!!」
ゆっくりとすすんで行く船のなか島が見えなくなるまでずっとオリーヴは手を振っていた。
「いきおいでついてきちゃったけど、、。これから仲間だよね。よろしく!」
島が見えなくなり振り向き言った。
マイムをティーシャは顔を見合わせた後笑顔で
「当たり前だよっ」
今日もジョリー・ロジャーはひらひらと青い空の下はためいている。
元・海軍を交えたたった3人の海賊が乗った海賊船にはいつも笑顔が絶えない。
うん、、、。駄文ですねー。
海賊物が書いて見たい!!!って勢いだけで書いちゃったのか悪かったですね。。
初投稿でこれって先が思いやられるw
ストーリーも成り立ってない。。
でもでも!アドバイスや評価が頂けたらうれしいです!
待ってます♪