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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 法定地上権 1-45 平成14年 解説


建太郎「法定地上権と一括競売についての出題だよね」

(法定地上権)
第三百八十八条  土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。

(抵当地の上の建物の競売)
第三百八十九条  抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
2  前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。

胡桃「そうね。まず、法定地上権の成立には、三つの要件を満たさなければならなかったわね。覚えているかしら?」
建太郎「条文にある通りだよね。一つ目は抵当権設定当時に、土地の上に建物が存在していたこと。二つ目は土地と建物が同一人の所有に属していること。三つ目は抵当権の実行によって、土地と建物が別人の所有になったこと。だったね」
胡桃「そうね。とりわけ、抵当権設定当時に、土地の上に建物が存在していたこと。の要件は重要よ。もしも、抵当権設定当時に建物が存在していなくて、後で建物が建てられた場合は、どうなるのかしら?」
建太郎「その場合は、一括競売することになるんだよね。第三百八十九条の規定だ。抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。と」
胡桃「そうね。そのことを踏まえたうえで、1から見ていくわよ」
建太郎「更地の上に建物を建てる行為は、更地の価値を低下させる行為。つまり、抵当権を侵害する行為と言えるけど、抵当権者が、建物の収去まで求めるのは行きすぎだよね」
胡桃「そうね。抵当権は、留置的効力を有していなくて、抵当権設定後も抵当権設定者が使用収益できる担保物権だったわね」

(抵当権の内容)
第三百六十九条  抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2  地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

胡桃「だから、抵当権設定者が建物を築造するのも黙認するしかない。その代わり、いざ、競売となった場合は、建物も一括して競売できる――一括競売をすることができる。ということは理解できるわね?」
建太郎「OK」
胡桃「じゃあ、2はどうかしら?」
建太郎「抵当権設定当時に乙建物が存在しない以上、法定地上権は成立しないよね」
胡桃「そうね。さっき検討した通りね。次、3のケースではどうかしら?」
建太郎「うーん。これはどうなんだろう?Dが抵当権を設定したときは、乙建物が存在していたんだよね。Dが抵当権実行するなら、法定地上権が成立するとしてもよさそうだけど……」
胡桃「そうはならないのよ。3の選択肢には、『Aの抵当権及び被担保債権が存続している状態で』とあるでしょ。Dの抵当権が実行されると、先順位抵当権者であるAの分も一緒に整理されるのよ。ということは、法定地上権が成立するかどうかは、Aが抵当権を設定した当時の状況で判断することになるのよ。というわけで、法定地上権は成立しないのよ」
建太郎「なるほど。そう考えるのか」
胡桃「これは判例だから、押さえておいてね。もしも、この判例を知らなくても、次の選択肢があからさまだわ。4はどうかしら?」
建太郎「選択肢の通りだよね。今回のケースでは、一括競売で処理されることになる」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「4だね」

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