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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 抵当権 1-43 平成17年 解説


胡桃「まず、この問題で問われている条文は何か分かるかしら?」
建太郎「さっぱり分からない」
胡桃「民法の第三百九十五条よ」

(抵当建物使用者の引渡しの猶予)
第三百九十五条  抵当権者に対抗することができない賃貸借により抵当権の目的である建物の使用又は収益をする者であって次に掲げるもの(次項において「抵当建物使用者」という。)は、その建物の競売における買受人の買受けの時から六箇月を経過するまでは、その建物を買受人に引き渡すことを要しない。
一  競売手続の開始前から使用又は収益をする者
二  強制管理又は担保不動産収益執行の管理人が競売手続の開始後にした賃貸借により使用又は収益をする者
2  前項の規定は、買受人の買受けの時より後に同項の建物の使用をしたことの対価について、買受人が抵当建物使用者に対し相当の期間を定めてその一箇月分以上の支払の催告をし、その相当の期間内に履行がない場合には、適用しない。

建太郎「抵当権に対抗できない賃借人に例外的に、引渡しの猶予を認めた制度だよね」
胡桃「そうよ。ちなみに、抵当権に対抗できる賃借人というのはどんな賃借人かしら?」
建太郎「抵当権よりも先に賃借している人だよね。設問の場合は、選択肢1のCだけが唯一、抵当権者に対抗できる賃借人ということになるよな。だから、2と4は間違いということになって、答えが二つもあるのか?」
胡桃「今の条文だけで考えたらそういうことになるわね。実は、平成16年4月1日以前は、この条文は次のような条文だったのよ」

(短期賃貸借の保護)
第三百九十五条  第六百二条に定めたる期間を超えざる賃貸借は抵当権の登記後に登記したるものと雖も之を以て抵当権者に対抗することを得。但し其の賃貸借が抵当権者に損害を及ぼすときは、裁判所は抵当権者の請求に因り、其の解除を命じることを得。

※(短期賃貸借)
第六百二条  処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。
一  樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
二  前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
三  建物の賃貸借 三年
四  動産の賃貸借 六箇月

建太郎「なんだこの古文みたいな文章は?」
胡桃「建太郎でも読みやすいようにひらがな表記にしたわ。もともとはカタカナだから、もっと読みづらいわよ。感謝しなさいよね」
建太郎「昔の受験生は古文みたいな条文を覚えていたのかよ。俺には無理だわ。とりあえず、短期賃貸借であれば、抵当権の登記後に登記した賃借権でも対抗できたのか?」
胡桃「そうよ。建物の場合は、三年ということになるわね」
建太郎「ということは、選択肢2のDは、抵当権者に対抗できるわけだ?」
胡桃「そうよ。選択肢3はどうかしら?」
建太郎「期間4年ということで、短期賃貸借ではないから、抵当権者に対抗できない」
胡桃「そうね。選択肢4はどうかしら?」
建太郎「2年ということで、短期賃貸借だけども、民法改正後だから、対抗できない」
胡桃「そうよ。分かったかしら?」
建太郎「OK。それにしてもどうして、こんな改正が行われたの?」
胡桃「この改正がある前は、第三百九十五条の短期賃貸借の保護規定が、占有屋の大義名分として利用されていたのよ」
建太郎「占有屋?」
胡桃「抵当権が実行された後も抵当不動産に居座って、買受人や利害関係人に対して、法外な立ち退き料を要求する人たちよ。もちろん、そんな輩がいたら、旧法にある通り、『但し其の賃貸借が抵当権者に損害を及ぼすときは、裁判所は抵当権者の請求に因り、其の解除を命じることを得。』なんだけども、裁判をするには、時間もお金もかかる。それならばいっその事、占有屋に金を払って、出ていってもらった方が、手っ取り早いだろうということになってしまうわけね」
建太郎「へえ。そんな職業もあるのか。引き籠りでもできそうだな」
胡桃「職業ではないわよ。占有屋がのさばるのを許さないということで法改正が行われたのよ。今は、抵当権に対抗できない賃借人には、六か月間の立ち退き猶予が認められているにすぎないわ。それに、建物の使用をしたことの対価を支払わない時は、その猶予さえも認められていないのよ」
建太郎「なるほど、そういう経緯があったのか」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「4だね」


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