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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 担保物件 1-41 平成17年 解説


胡桃「まず、担保物権には、四つの性質があったわね。何と何と何と何かしら?」
建太郎「付従性、随伴性、不可分性、物上代位性だね」
胡桃「それぞれの意味は分かっているわね?」
建太郎「付従性は、債権が存在しなければ担保物権は存在しないという関係。随伴性は、被担保債権の債権譲渡が為されれば、担保物権も新債権者に移転する性質。不可分性は、被担保債権の全額の弁済を受けるまで、目的物の全部について、権利を行使することができるという性質。物上代位性は、例えば、火災で担保が設定されている建物が滅失した場合に火災保険の支払い請求債権に対して権利行使できるという性質」
胡桃「そうね。じゃあ、次に、民法に定められている担保物権を全部上げられるかしら?」
建太郎「留置権、先取特権、質権、抵当権、根抵当権の五つだね」
胡桃「今回問題になっているのは、物上代位性だわね。物上代位性って、すべての担保物権に認められているんだっけ?」
建太郎「えっ……。あっ、そうか。それを問う出題だったのか」

(物上代位)
第三百四条  先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2  債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。

(留置権及び先取特権の規定の準用)
第三百五十条  第二百九十六条から第三百条まで及び第三百四条の規定は、質権について準用する。

(留置権等の規定の準用)
第三百七十二条  第二百九十六条、第三百四条及び第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。

建太郎「物上代位の条文――第三百四条は、留置権では準用されていない。つまり、留置権には物上代位性はないわけだね」
胡桃「そうよ。どうしてだか分かるかしら?」
建太郎「留置権は、文字通り、留置的効力を主とする担保物権だからだよな。例えば、工芸品の制作者は、注文者が代金を支払うまでは、留置権を主張して、工芸品の引き渡しを拒むことができる。留置することで弁済を促す権利であって、工芸品を転売して金に換える目的で設定するわけじゃない」
胡桃「その点、同じ留置的効力を有する質権の場合は、弁済が為されない時は設定者から預かった質物を換金することができる。つまり、質物の価値を支配しているわけで、もしも、質物が滅失したら、それによって得られる保険金等に物上代位することができる。その違いはOKね」
建太郎「ああ。分かるよ」
胡桃「そのことが分かっていれば、この問題はすぐに答えが分かるのよ。細かい条文の知識がなくてもね」
建太郎「なるほど。留置権の選択肢は一つしかないからな」
胡桃「とりあえず、一つ一つ見ていくわよ。まず、1から」
建太郎「これは分かるよ。不動産売買の先取特権だよね」

(不動産売買の先取特権)
第三百二十八条  不動産の売買の先取特権は、不動産の代価及びその利息に関し、その不動産について存在する。

(不動産売買の先取特権の登記)
第三百四十条  不動産の売買の先取特権の効力を保存するためには、売買契約と同時に、不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨を登記しなければならない。

建太郎「つまり、売主が不動産の引き渡しや移転登記を済ませたのに、買主が代金を支払わない場合に、不動産に対して先取特権を設定できるんだったね」
胡桃「そうよ。先取特権は、付従性、随伴性、不可分性、物上代位性の四つの性質をすべて有することは、分かっているわね?」
建太郎「OK」
胡桃「次、2はどうかしら」
建太郎「抵当権者が物上代位できるのは分かるけど、賃料にも物上代位できるんだっけ?」
胡桃「もちろんよ。第三百四条の条文をよく読んで。『賃貸』ってはっきりと書かれているでしょ。火災保険の場合だけじゃないのよ」
建太郎「へえ。賃料にも物上代位できるんだ」
胡桃「ちなみに、抵当権も付従性、随伴性、不可分性、物上代位性の四つの性質を有することはOKね」
建太郎「分かるよ。質権も四つの性質を有している。留置権だけは、物上代位性を有していない。後は、根抵当権は特殊な抵当権で、付従性、随伴性がないんだったね」
胡桃「次、3はもう分かっているわね」
建太郎「うん。物上代位の典型的な例だからな」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「4だね」

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