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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 弁済 1-28 平成17年 解説


建太郎「これは第三者弁済の問題だよね」

(第三者の弁済)
第四百七十四条  債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2  利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。

建太郎「問題は、Cが利害関係を有する第三者と言えるかどうかだね。そうと言えるなら、Cが第三者弁済することができる。この選択肢の事例は判例なの?」
胡桃「判例かどうか聞く前に、自分で考えてみたら?」
建太郎「うーん。要するに、Aが弁済しなければ、Cが追い出されるかどうかを考えればいんだよな。追い出されるようであれば、利害関係を有すると」
胡桃「そうよ。どう考えるべきかしら?」
建太郎「Cは、Aが所有する建物を借りているわけだよな。Aが建物のある敷地の地代を支払わなかったら、土地所有者Bから、出て行けと言われかねない……。でも、建物を所有しているのはAだから、Aが他の人に建物を売れば済む話か。Cにしてみれば、大家さんがAから別の人に変わるかもしれないだけだから、利害関係はなしということかな?」
胡桃「そうはならないわ。もしも、Aが地代を支払わなかったら、Aは追い出されるだけでなく、建物も撤去しろと言われかねないのよ」
建太郎「あっ、そうか。そうなると、Cは困ったことになるな。やっぱり利害関係はあると考えるべきなのか?」
胡桃「そうよ。判例でも、借地上の建物の賃借人は、その敷地の地代の弁済について、法律上の利害関係を有するとしているわ」
建太郎「ということは、Cは第三者弁済できるというわけだね」
胡桃「そうよ。2はどうかしら?」
建太郎「表見代理の問題だよね」

(権限外の行為の表見代理)
第百十条  前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

建太郎「Aは無権限者に代理権があると善意無過失で信じた上で弁済しているから、表見代理が成立して、弁済は有効だというわけだね」
胡桃「はあ……。建太郎ったら、全然違うわ」
建太郎「えっ?違うの?」
胡桃「たしかに、表見代理の規定を思い浮かべて、あっ。Aの弁済は有効だなって考えて、結論を出すこともできないわけじゃないけど、ここで考えるべきなのは、債権の準占有者に対する弁済の規定よ」

(債権の準占有者に対する弁済)
第四百七十八条  債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。

胡桃「債権の準占有者って、何者か分かるかしら?」
建太郎「実際には預金通帳の名義人でないのに、本人であるかのように装って銀行に来るような奴だよな」
胡桃「そうよ。2の選択肢のように、債権者の代理人と称して債権を行使する者も、債権の準占有者に該当するのよ」
建太郎「ということは、この選択肢の設例は、第四百七十八条の条文そのままの出題だというわけか?」
胡桃「そうよ。表見代理なんて考えるまでもないでしょ」
建太郎「なんだ。そんな簡単な選択肢だったのかよ」
胡桃「次、3に行くわよ」
建太郎「はい。もうこの選択肢はお手上げ」
胡桃「あっさりと負けを認めてはだめよ。小切手って、何のために振り出すの?」
建太郎「弁済のためだよね。弁済の金額を小切手に書いて手渡して、後でその額面を、取りに来てくれというものだろ」
胡桃「そうよ。小切手を受け取るときに、第一にチェックすべきことは、その小切手が不渡りになる危険がないかどうかね。設問では、(銀行振出で無いもの)とあるでしょ。つまり、個人振出の小切手よ。Aがよほど信用できる人でない限り、受け取るべきではないわ」
建太郎「うん……?」
胡桃「この選択肢で問題になっているのは次の条文よ」

(弁済の提供の方法)
第四百九十三条  弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。

胡桃「『弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。』と、されているのよ。個人振出の小切手で支払っても、債務の本旨に従った弁済とは言えない。というのが判例よ」
建太郎「ということは、この設問は間違いなのか?」
胡桃「そうよ。簡単でしょ。次、4はどうかしら」
建太郎「これは、供託できる場合はどういう場合かという問題だよね。簡単に言えば、供託できるのは、債権者が弁済の受領を拒んでいる場合だから、『特段の理由がなくとも、』というのは間違い」
胡桃「そうね。次の条文ね」

(供託)
第四百九十四条  債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、弁済をすることができる者(以下この目において「弁済者」という。)は、債権者のために弁済の目的物を供託してその債務を免れることができる。弁済者が過失なく債権者を確知することができないときも、同様とする。

胡桃「『債権者が弁済の受領を拒み、又はこれを受領することができないときは、』だからね。正確に覚えてね。というわけで、答えはどれかしら?」
建太郎「2だね」

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