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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 損害賠償の予定 1-26 平成16年 解説


建太郎「これは、第三者弁済だよね。利害関係を有しない第三者が弁済できるかどうかの問題」
胡桃「そうね。売買契約は、双務契約だから、お互いに債務を負っている。Aは土地を引き渡す債務を負っているし、Bは、代金を支払う債務を負っている。まず、これはOKね」
建太郎「分かるよ。で、債務の履行は、債務者本人がするのが基本だけれども、第三者がしてもいい。特に、売買代金の支払いは、買主自身じゃなくてもできるわけだ」

(第三者の弁済)
第四百七十四条  債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、その債務の性質がこれを許さないとき、又は当事者が反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2  利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。

胡桃「今回は、利害関係を有しないCがBの代わりに売買代金を支払うことができるかどうかの問題ね。どう考えるべきかしら?」
建太郎「条文にある通り、『利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。』履行期が到来していようとも同じ」
胡桃「どうしてそう言えるか分かるわね?」
建太郎「第三者が弁済するということは、その第三者が債権を買うようなものだからだろ。もしも、Cがヤクザみたいな人だったら、Bは、後で金を巻き上げられたり、土地を奪われたりすることになりかねない。だから、無関係の人が第三者弁済をすることを拒むことができる」
胡桃「まあ、そういうことだわね。次、2はどうかしら?」
建太郎「解約手付が交付されている場合、相手方が履行に着手するまでは、買主は、手付を放棄して、売主は手付の倍返しをすることで、契約を解除できるという基本的な論点だよね」

(手付)
第五百五十七条  買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
2  第五百四十五条第三項の規定は、前項の場合には、適用しない。

※(解除の効果)
第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2  前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3  解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

胡桃「そうね。自分が履行に着手していても、相手方が履行に着手していなければ、解約手付による解除ができる。ということね。何度も出てくる論点だから、再度、解説する必要はないわね。次、3はどうかしら?」
建太郎「損害賠償の予定額を決めていた場合は、実際の損害額がいくらかに関わりなく、予定していた額を請求できるんじゃなかったっけ?」

(賠償額の予定)
第四百二十条  当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
2  賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3  違約金は、賠償額の予定と推定する。

胡桃「そうね。民法にある通りで、解説するまでもないわね。4はどうかしら?」
建太郎「これは常識で解けるんじゃない。最初から金を受け取らないと言っているなら、金を用意しなくたって問題ないじゃん」
「まあ、その通りだわね。とりあえず、条文をチェックしておくわよ」

(弁済の提供の方法)
第四百九十三条  弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。

胡桃「『弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない』のが原則ね。この設問で言えば、Bは、10月31日には、2800万円をAに対して現実に提供する必要がある。だけども、Aが最初から受け取りを拒んでいるならば、『弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。』ということよ」
建太郎「口頭の提供で足りるということだよね」
胡桃「そうよ。というわけで、答えはどれかしら?」
建太郎「3だね」

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