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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 請負 1-20 平成6年 解説


建太郎「ええっと……。請負契約って、報酬は、後払いじゃなかったっけ?仕事を完成させた後で、報酬を請求できるんだよな?」

(請負)
第六百三十二条  請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

胡桃「そうよ。でも、仕事の目的物の引渡しをする場合は、目的物の引き渡しと報酬の支払いは同時履行の関係に立つのよ。それに対して、目的物の引き渡しを伴わない場合。つまり、労務を提供するだけの場合は、労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。と、されているから、同時履行の関係ではないわね」

(報酬の支払時期)
第六百三十三条  報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない。ただし、物の引渡しを要しないときは、第六百二十四条第一項の規定を準用する。

※(報酬の支払時期)
第六百二十四条  労働者は、その約した労働を終わった後でなければ、報酬を請求することができない。
2  期間によって定めた報酬は、その期間を経過した後に、請求することができる。

建太郎「なるほど、目的物の引き渡しを伴う場合は同時履行の関係なのか。まあ、考えてみれば当たり前だよな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「これは……。目的物が建物じゃなかったら、問題文の通りとなるけど、建物の場合は、特例が設けられているんだよね」

第六百三十五条  仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。

(請負人の担保責任の存続期間)
第六百三十七条  前三条の規定による瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から一年以内にしなければならない。
2  仕事の目的物の引渡しを要しない場合には、前項の期間は、仕事が終了した時から起算する。

第六百三十八条  建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後五年間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、十年とする。
2  工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から一年以内に、第六百三十四条の規定による権利を行使しなければならない。

胡桃「条文をずらずら並べているけど説明してくれるかしら?」
建太郎「つまり、建物の場合は、引渡しから一年じゃなくて、第六百三十八条にあるとおり、『引渡しの後五年間』、コンクリート造などの場合だと、『十年』間、担保責任を負うわけだよね。この設問では、木造の建物だから、引渡しの後五年間は、契約解除ができるというわけだ。だから、2が誤りだね」
胡桃「2が誤りなのは確かよ。だけど、建太郎はとんでもない勘違いをしているわね」
建太郎「えっ?何が?」
胡桃「建物その他の土地の工作物を作る請負契約の場合は、瑕疵担保責任に基づく契約解除はできないのよ!」
建太郎「はあ……?」
胡桃「はあ……?って、その調子では、請負契約の担保責任を理解できているとは言い難いわね。請負人の担保責任は、三つあるけど、何と何と何か分かるかしら?」
建太郎「ええっと……」

(請負人の担保責任)
第六百三十四条  仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は、請負人に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができる。ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。
2  注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることができる。この場合においては、第五百三十三条の規定を準用する。

※(同時履行の抗弁)
第五百三十三条  双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。

建太郎「修補請求、損害賠償請求、契約解除の三つだよね?」
胡桃「そうよ。まず、その三つの中で、どんなケースでも請求できるのは、損害賠償請求だけだということはOKかしら?」
建太郎「条文を見る限りそうみたいだね」
胡桃「それに対して、修補請求と契約解除は制約があるのよ。どんなケースでも、請負人に対して請求できるわけではないの。まず、修補請求はどういう制約があるか分かるかしら?」
建太郎「『ただし、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要するときは、この限りでない。』つまり、些細な欠陥で、直すのにものすごくお金がかかる場合は、修補請求はできないと」
胡桃「そうよ。それから、契約解除も契約があるわ。第六百三十五条をよく読んで」
建太郎「ええっと……。『仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。』まあ、当たり前だよな。それから、『ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。』この限りでない……。えっ……、っていうことは、契約解除はできないってこと?」
胡桃「そうよ。どんな欠陥住宅を建てられようとも、こんな家いらない!契約解除だ!と主張することはできないのよ」
建太郎「じゃあ、我慢して、欠陥住宅に住むしかないってことか。雨漏りしようか、柱が腐ろうが、キノコが生えようが、住み続けるしかないってか?」
胡桃「そうよ。損害賠償請求ができるだけなのよ」
建太郎「おかしくない?例えば、新築の家を買って、欠陥があったら、瑕疵担保責任に基づいて、契約解除することができないってことだろ……」
胡桃「その場合は契約解除できるわよ」
建太郎「えっ?ちょっと待って、どういうこと?混乱してきた」
胡桃「建太郎が言った『新築の家を買って』というのは、建売住宅を買う場合の話でしょ?その場合は、民法第五百七十条 『売買契約に基づく瑕疵担保責任』を売主である不動産会社に対して請求できるのよ」

(売主の瑕疵担保責任)
第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

胡桃「今、問題になっているのは、『建築の請負契約に関する担保責任』の追及よ。つまり、注文住宅を建てた場合とか、自分で、大工さんを見つけて建ててもらった場合の話よ」
建太郎「あっ!なるほど、そういうことか。家を建ててもらった場合は、欠陥住宅を建てられようとも契約解除はできないと」
胡桃「そうよ。どうしてか分かるかしら?」
建太郎「ええっと……。せっかく建ててくれた大工さんに悪いからか?」
胡桃「契約が解除されるとどういうことになるか分かる?」
建太郎「ええっと……。原状回復義務を負うんだっけ。つまり、建物を取り壊せと請求できる」
胡桃「そうよ。建物を取り壊すなんて、経済的な損失が甚だしいでしょ。だから、契約解除はできないのよ」
建太郎「うーん。でも、住めないような建物を残したって意味ないと思うけどねえ」
胡桃「とにかく、そういうものだと覚えてね。3はどうかしら?」
建太郎「今、検討した通りだよね。木造住宅の場合は、瑕疵担保責任の存続期間は5年間。特約で伸長することもできるんだよな」

(担保責任の存続期間の伸長)
第六百三十九条  第六百三十七条及び前条第一項の期間は、第百六十七条の規定による消滅時効の期間内に限り、契約で伸長することができる。

※(債権等の消滅時効)
第百六十七条  債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
2  債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。

胡桃「そうね。瑕疵担保に基づく責任追及の権利は、債権だから、消滅時効は十年間ね。4はどうかしら?」
建太郎「請負契約に基づく担保責任は、任意規定だということだよね。つまり、当事者同士で、民法とは違う定めをすることができる。と」

(担保責任を負わない旨の特約)
第六百四十条  請負人は、第六百三十四条又は第六百三十五条の規定による担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない。

建太郎「ただ、『特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない。』条文にある通りだね。この部分だけは、如何なる契約にも適用される強行規定なんだよな」
胡桃「そうよ。以上で、誤っているものがどれか分かるわね?」
建太郎「2だね」


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