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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係 ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 買戻しの特約 1-18 平成3年 解説


胡桃「まず、買戻しってどういう特約か分かるわね?」
建太郎「不動産を担保にして、金を借りる場合に利用することを想定して設けられた制度だよね。つまり、不動産を売却して、売買代金を受け取る。その際に、後で、売買代金相当額を返すことで、不動産を買戻すという特約を結ぶということ」
建太郎「そうね。条文は次の通りよ」

(買戻しの特約)
第五百七十九条  不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。

胡桃「そして、買戻しの特約を第三者に対抗するためにはどうしたらいいか分かるわね?」
建太郎「登記するんだよね」

(買戻しの特約の対抗力)
第五百八十一条  売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対しても、その効力を生ずる。
2  登記をした賃借人の権利は、その残存期間中一年を超えない期間に限り、売主に対抗することができる。ただし、売主を害する目的で賃貸借をしたときは、この限りでない。

胡桃「登記は登記でも、どのような種類の登記か分かるかしら?」
建太郎「所有権移転登記に付記してなされる付記登記だね」
胡桃「そうよ。ただ、買戻しの制度は、使い勝手が悪いから、あまり利用されていない。買戻しの特約と似た制度で、買戻しの特約の代わりに利用されている制度があったけど、何か覚えているかしら?」
建太郎「再売買の予約だっけ?」

(売買の一方の予約)
第五百五十六条  売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。
2  前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力を失う。

建太郎「いったん売却した後で、売主が買主として、再売買する予約をしておくという制度だよね」
胡桃「買戻しの特約と再売買の予約はどう違うか分かるかしら?」
建太郎「まず、買戻しの特約は、売買契約と同時にしなければならないけど、再売買の予約はそのような制約はない」
胡桃「そうね。他には?」
建太郎「買戻しの特約は制約があるけど、再売買の予約では再売買代金や予約期間を当事者が自由に決められる」
胡桃「買戻しの特約に設けられた制約を説明してくれる?」
建太郎「まず、買戻しの特約では、買戻す時に支払う代金が『買主が支払った代金及び契約の費用』に限定されているけど、再売買の予約では自由に決められる。
それから、買戻しの期間は、『十年を超えることができない』けど、再売買の予約では自由に決められる」
胡桃「大雑把にいうとそういうことになるわね。ちなみに、再売買の予約は、登記することができるのかしら?」
建太郎「できる。仮登記だったね。付記登記と違っていつでも登記できるんじゃなかった」
胡桃「そうね。そのことを踏まえたうえで、1から見ていくわよ」
建太郎「1は……。よく分からないけど、買戻しの特約では、買戻す時に支払う代金が『買主が支払った代金及び契約の費用』に限定されているから、必要費及び有益費を支払わなければ買戻しを為し得ない旨の特約は、無効でいいのかな?」
胡桃「そうよ。大正時代の判例で、そういう特約は無効だと示されているのよ。今は、買戻しの特約なんて、ほとんど使われないけど、その頃は利用されていたんでしょうね。尤も判例を知らなくても、『買主が支払った代金及び契約の費用』に限定されていることを知っていれば、正誤の判断はできるわね。次、2はどうかしら?」
建太郎「条文そのまま」

(買戻しの期間)
第五百八十条  買戻しの期間は、十年を超えることができない。特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とする。
2  買戻しについて期間を定めたときは、その後にこれを伸長することができない。
3  買戻しについて期間を定めなかったときは、五年以内に買戻しをしなければならない。

胡桃「十年と五年以内という数字がポイントね。これは丸暗記するしかないわ。次、3の答えも出ているわね。じゃあ、4はどうかしら?」
建太郎「これも既に答えが出ているじゃん。『売買契約と同時に買戻しの特約を登記』をしなければならないんでしょ」
胡桃「というわけで、どれが答えか分かるわね?」
建太郎「4だね」
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