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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ2

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宅建士試験過去問 権利関係 占有 2-44 平成27年 解説


胡桃「まず、1の選択肢で問われていることは、Aが甲建物を占有していると言えるかどうかということね」
建太郎「Aが甲建物の所有者なんだろ?住んでいなくても、甲建物を管理しているなら、占有していると見ていいんじゃないの?そもそも、所有者という時点で、鍵をかけているかどうかなんてどうでもいいじゃん?」
胡桃「とりあえず、これは判例だから、覚えておいてね。家屋の所有者が家屋に錠をかけて、鍵を所持していなかったとしても、その家屋の隣地に居住して、常に出入り口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあれば、所有者は家屋を所持するものと言えるとしているわ」
建太郎「うーん。細かすぎるなあ……」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「意味不明。これは何の問題なんだ?」
胡桃「民法の第百八十八条よ」

(占有物について行使する権利の適法の推定)
第百八十八条  占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。

胡桃「Cがこの規定を援用することができるかどうかを問う問題なのよ」
建太郎「そもそも、Cは権限があって占有しているのかどうかはっきりしないじゃん。賃貸借契約を結んでいたのか?それとも、不法占拠なのか?」
胡桃「そう。そこがポイントなのよ。他人の不動産を占有している人は、適法な権限――正権原――があることを立証できなければならないのよ。つまり、Cには、正権原についての立証責任があるのね」
建太郎「うん?例えば、乙土地の所有者と賃貸借契約を結んでいたというようなことを立証しろということだよな?」
胡桃「だから、第百八十八条の推定規定を使って、言い逃れすることはできませんよ。というのが判例なのよ」
建太郎「つまり、Cは、第百八十八条を援用することができないと。賃貸借契約書などを示して立証しろというわけだな」
胡桃「そうよ。理解できたかしら?」
建太郎「うん。何となく分かった」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「占有代理人でも、占有訴権があると考えるべきじゃないの?」
胡桃「そうね。占有訴権を行使できるのは、占有者本人だけではないわ」

(占有の訴え)
第百九十七条  占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。

建太郎「他人のために占有をする者も、同様とする。と、はっきり書かれているな」
胡桃「ちなみに、占有の訴えって三つあるけど、何と何と何か分かるわね?」
建太郎「ええっと……。占有保持の訴え、占有保全の訴え、占有回収の訴えか」

(占有保持の訴え)
第百九十八条  占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。

(占有保全の訴え)
第百九十九条  占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。

(占有回収の訴え)
第二百条  占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
2  占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。

胡桃「そうね。三つの訴えがどういう訴えなのか確認しておいてね。重要なのは、占有回収の訴えね。2項よ」
建太郎「占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができないということか。つまり、占有を侵奪した者から、買い取った第三者に対しては、訴えを提起できないと?」
胡桃「そうよ。ちなみに、特定承継人というのは、買主だけでなくて、賃借人も含むとされているわ」
建太郎「うん。それから、買主や賃借人が侵奪の事実を知っていたときは、占有者はその人たちに対しても、占有回収の訴えを提起できるんだな」
胡桃「但書ね。この条文が理解できれば、選択肢4は簡単ね」
建太郎「なるほど。条文レベルなんだな」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「3なんだな」

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 宅建士(宅地建物取引士)資格試験の基本テキストです。

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 ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1
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→ http://new.novelzidai.com/article/178911897.html

 ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3
→ http://new.novelzidai.com/article/179151680.html

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 ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 宅建業法1
→ http://new.novelzidai.com/article/180313745.html

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