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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

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宅建士試験過去問 権利関係 不法行為 2-43 平成26年 解説


(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
第七百二十四条  不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。

胡桃「ここで確認しておきたいことは、消滅時効の起算点はいつかということね」
建太郎「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時。つまり、損害の発生だけでなく、加害者が誰なのかを知った時から進行するということだよな。後は、損害賠償請求するだけという段階に達してから、消滅時効が進行する」
胡桃「そうね。じゃあ、不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。とあるのは、どう解釈すべきかしら?」
建太郎「除斥期間だよな。不法行為の時から二十年を経過したら、もはや、損害賠償請求をすることができなくなる」
胡桃「そのことが分かっていれば、選択肢4の正誤が判断できるわね」
建太郎「加害者が海外に在住していたとしても、消滅時効は進行するんだ?」
胡桃「当然よ」
建太郎「でも、刑法だと、海外に逃亡している間は時効が停止するんじゃなかった?」
胡桃「それは刑法の場合ね。刑事訴訟法に次の規定があるわ」

刑事訴訟法
第二百五十五条  犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつた場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。
○2  犯人が国外にいること又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつたことの証明に必要な事項は、裁判所の規則でこれを定める。

胡桃「でも、民事ではこのような規定は定められていないし、なにより、二十年の期間は除斥期間なんだから、加害者がどこにいるかは関係ないわ」
建太郎「なるほど、そういうことなんだな」
胡桃「それを踏まえたうえで、1から見ていくわよ」
建太郎「うん。1はその通りでいいんじゃないの?」
胡桃「判例だからそのまま覚えてね。被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。つまり、損害の発生の事実を知ることであって、損害の程度や額を知る必要はないということよ」
建太郎「うん。額がどれだけになるかは計算しないと分からないもんな」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「遅延損害金は、消滅時効が十年になるとすると、第七百二十四条の規定の意味が無くならない?」
胡桃「そうね。判例も、不法行為による損害賠償請求債務の不履行に基づく遅延損害金債権も、第七百二十四条の規定が適用されるとしているわ。つまり、三年間の消滅時効にかかるということよ」
建太郎「やっぱり、そうだよな」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「別個に消滅時効が進行するとすると、法律関係が複雑にならない?だから、加害行為が終わった時から、一括して消滅時効が進行するというのでいいんじゃないの?」
胡桃「実はそうじゃないのよ。不法占拠のような継続的不法行為については、その行為により、日々発生する損害について、被害者がその各損害を知った時から、別個に消滅時効が進行するとされているわ。これは判例だからそのまま覚えるしかないわ」
建太郎「ふむふむ……。継続的不法行為だな」
胡桃「というわけで答えがどれか分かったわね?」
建太郎「ええっと。1ということになるのかな?」
胡桃「そうよ」

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 宅建士(宅地建物取引士)資格試験の基本テキストです。

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