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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ2

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宅建士試験過去問 権利関係 相続 2-40 平成28年 解説


胡桃「まず、この問題で出てくる単純承認、限定承認って、何か分かるわね?」

(単純承認の効力)
第九百二十条  相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。

(限定承認)
第九百二十二条  相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

建太郎「相続を承認する場合の二つの方法だよな。これに加えて、相続放棄の制度もあった」

(相続の放棄の方式)
第九百三十八条  相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

胡桃「そうね。相続が発生したことを知った場合は、相続人は、その三つのいずれかの選択をすることができるわけね。それを踏まえたうえで、1から見ていくわよ。まず、1で問題になっているのは何か分かるかしら?」
建太郎「法定単純承認だよな。一定の行為をした場合は、単純承認をしたものとみなされるわけだ」

(法定単純承認)
第九百二十一条  次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二  相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三  相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

※(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2  相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

胡桃「選択肢1の場合、どう考えるべきかしら?」
建太郎「相続人が相続財産である甲建物を不法占拠するDに対し、明渡を求めることは、保存行為だよな?だから、明渡を求めたとしても、単純承認したものとみなされない」
胡桃「その通りだわ。2はどうかしら?」
建太郎「これがよく分からないんだよな。未払いの賃料を請求するのは、保存行為でいいんじゃない?」
胡桃「実は違うのよ」
建太郎「えっ?違うの?」
胡桃「判例から出題だから、知らないと分からないわね。判例によると、相続人が相続財産に属する債権を取り立てて、これを収受領得することは、『相続財産の一部を処分すること』に該当するとされているのよ」
建太郎「マジか!ということは選択肢2の場合は、単純承認したことになるのか」
胡桃「そうよ。知らなかったら、今スグに覚えてね。3はどう?」
建太郎「共同相続人がいる場合は、限定承認するには、共同相続人の全員でしなければならないんだよな」

(共同相続人の限定承認)
第九百二十三条  相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。

胡桃「そうね。限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をする制度だから、共同相続人の一人は単純承認、もう一人は、限定承認なんてしていたら、相続関係が複雑になってしまうわ。だから、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。とされているのね。4はどうかしら?」
建太郎「これは、条文そのままの出題だな。第九百十五条だね。つまり、三か月の起算点は、『自己のために相続の開始があったことを知った時から』であると。相続人になったことを知らなければ、三か月経過していようとも、単純承認とはみなされない」
胡桃「その通りよ。基本的な選択肢だわね。というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「4なんだな」
胡桃「2の選択肢を知らなかったとしても、正解の選択肢は基本だから、正答するのは難しくないでしょ?」
建太郎「うーん。そうなんだな」
胡桃「宅建のレベルは年々上がっていると言われているけど、この問題を見ても分かるように、基本をしっかり押さえておけば、合格できるのよ」


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