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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

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宅建士試験過去問 権利関係 詐害行為取消権 2-23 平成20年 解説


(詐害行為取消権)
第四百二十四条  債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
2  前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

胡桃「設問のように、債務者が責任財産が不足することを認識しながら、財産減少行為をした場合に、その行為の効力を否認して責任財産の維持を図るための制度なのよ」
建太郎「つまり、債務者がやけくそになって、財産を放り捨てるのを止めようというわけか」
胡桃「そうね。債権者としては、詐害行為の取り消しを請求するとともに逸出した財産の返還を請求できるとされているわ。そして、取り消しの目的となり得る行為の範囲は、債務者のした法律行為であって、財産権を目的としたものであることが必要とされているのよ。それをふまえた上で1から見ていくわよ」
建太郎「ええっと……。この問題はどう考えればいいんだ?」
胡桃「常識で正誤が判断できるわよ。AがBの債権者ではない時に、Bが甲土地をCに売却したとして、Aは文句を言えるかしら?」
建太郎「債権者ではない時ってことは、要するに赤の他人の場合だよな?」
胡桃「もちろんよ」
建太郎「赤の他人から、土地を売るななんて言われる筋合いはないよな」
胡桃「そう判断できるでしょ。だから、詐害行為前にAのBに対する債権が発生していることが前提になるのは当然よね。問題はその債権の履行期が到来していなければならないのか?ということよ。どう考えるべきだと思う?」
建太郎「履行期が到来するのを待っていたら、その間にBが詐害行為を済ませてしまうじゃん。それじゃあ、詐害行為取消権を行使する機会を逃してしまいかねないよな」
胡桃「そう判断できるでしょ。だから、債権が発生済みであれば、履行期が到来していなくても、詐害行為取消権を行使できるというのが判例の立場よ」
建太郎「なるほど、そう考えるのか」
胡桃「2はどうかしら?」
建太郎「但書の場合だよな。要するに善意の第三者が取得してしまったら、債務者と転得者の間の売買契約の取り消しを求めることはできないと」
胡桃「そうよ。3はどうかしら?」
建太郎「詐害行為取消権って要するに、債権者が債権を保全するために行使するんだよな。だったら、債務者が相当価格で不動産を売却していれは問題ないんじゃないの?」
胡桃「確かに、相当価格で売却した場合は、詐害行為には見えないかもしれないわね。でも、現金と不動産を比べた場合、現金は散逸しやすいでしょ?」
建太郎「手元に現金があれば誘惑に負けて使ってしまいかねないということか?」
胡桃「そうよ。その点、不動産ならば、簡単に売却できないから、債権者としては、債務者が不動産を持っていた方が安心なのよね」
建太郎「確かにそうとも考えられるな」
胡桃「だから、不動産を売却して金銭に変えることは、たとえ相当価格であっても、詐害行為になり得るというのが判例の立場よ」
建太郎「なるほどそういうことなのか」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「直接自分に所有権移転登記を求めるって、AとBが甲土地の売買契約を締結していたならば、ともかく、ただの債権者の立場でそこまでやるのは、いきすぎじゃない?」
胡桃「そうよ。常識でそう判断することができるわね。とりあえず、次の条文を見ておくわよ」

(詐害行為の取消しの効果)
第四百二十五条  前条の規定による取消しは、すべての債権者の利益のためにその効力を生ずる。

胡桃「詐害行為取消権は、債権者が自分に対して弁済するように求める制度ではなくて、債務者の責任財産を保全するための制度なのよ。だから、詐害行為取消権を行使した場合、甲土地の所有権は債務者であるBのもとに戻るのよ。Bのもとに戻った甲土地は、詐害行為取消権を行使した債権者が優先的に差し押さえられるわけではない。というのが、第四百二十五条の意味よ」
建太郎「設問では、A以外に債権者がいるかどうかは分からないけど、もしも、他にも債権者がいれば、彼らも、甲土地に対して強制執行の配当加入ができるということだな?」
胡桃「そうよ。それが理解出来れば、Aが直接自分に所有権移転登記をするよう要求するのはおかしいと分かるよね」
建太郎「確かにそうだな」
胡桃「というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「ええっと……。4になるのかな?」
胡桃「そうよ」
建太郎「しかし、詐害行為取消権なんて過去問で初めてみたよ。宅建レベルを超えているよな。司法書士試験レベルだろ?」
胡桃「たとえそうだとしても、今まで勉強した民法の知識や考え方をフル回転させれば、正解を見つけること自体は難しくないはずよ」

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