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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係 ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 賃貸借 1-70 平成16年 解説


胡桃「まず、1から見ていくわよ」
建太郎「これは条文通りの出題だね」

(転貸の効果)
第六百十三条  賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。この場合においては、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができない。
2  前項の規定は、賃貸人が賃借人に対してその権利を行使することを妨げない。

建太郎「転借人は、賃貸人に対して直接に義務を負う。とあるから、転借人は賃貸人に対して直接賃料を支払う義務を負っている」
胡桃「そうね。ただ、直接賃料を支払う義務を負うにしても、転貸借の賃料の額の範囲に限るということね。設問の事例で言えば、二十万円を支払う義務までは負っていないということよ」
建太郎「OK」
胡桃「次、2はどうかしら?」
建太郎「これは、借地借家法の規定そのままの出題だね」

(建物賃貸借終了の場合における転借人の保護)
第三十四条  建物の転貸借がされている場合において、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、建物の転借人にその旨の通知をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができない。
2  建物の賃貸人が前項の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から六月を経過することによって終了する。

建太郎「条文にある通り、賃貸人は、建物の転借人に通知しないと、その終了を建物の転借人に対抗することができない」
胡桃「そうね。次、3はどうかしら?」
建太郎「これがよく分からないんだよな。この設問に当てはまる条文はないよな?」
胡桃「これは判例なのよ。とりあえず、どう考えるべきだと思うかしら?」
建太郎「借地借家法第三十四条の規定にもある通り、転借人も保護されるべきだよな。だとすれば、賃貸借契約を合意解除しても、転借人には対抗できないと考えるべきじゃないかな?」
胡桃「その通りよ。賃貸借契約が合意解除されても、転借人に不信な行為があるなどしてその合意解除が信義誠実の原則に反しないような特段の事由がない限り、これを転借人に対抗することはできないとしているわ。これは判例だから覚えてね」
建太郎「OK」
胡桃「次、4はどうかしら?」
建太郎「転借人に賃料を支払う機会を与えなければならないという条文はないよな?」
胡桃「もちろんないわ。これも判例なのよ。とりあえず、賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除するのは、何による解除か分かるわね?」
建太郎「債務不履行による解除になるんだよな。解除するためには、相当の期間を定めてその履行の催告をしなければならない。その期間内に履行がなければ、契約解除ができる」

(履行遅滞等による解除権)
第五百四十一条  当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

胡桃「そうね。その催告をすれば、賃貸人は、賃貸借契約を解除することができるわけで、転借人に対して延滞賃料の支払いの機会を与える必要はない。とするのが判例よ」
建太郎「うーん。でも考えてみれば当たり前か。設問のように、転借人に支払いの機会を与えるとなると、まるで、賃借人と転借人が連帯債務を負担しているような関係になってしまうよな。転貸借は連帯債務ではないわけだから、転借人が賃借人に代わって、賃料を支払うのはおかしいということになるわけだね」
胡桃「そうよ。というわけで、答えはどれかしら?」
建太郎「4だね」


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