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ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版 作者:大滝七夕

権利関係ステージ1

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宅建士試験過去問 権利関係 代理 1-7 平成13年 解説

建太郎「1は、顕名の問題だよね。代理人であることを示さないでした法律行為が本人に帰属するかどうかという問題」
胡桃「そうね。条文そのままの出題よ」

(本人のためにすることを示さない意思表示)
第百条  代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。

(代理行為の要件及び効果)
第九十九条  代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2  前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。

建太郎「原則として、代理人と相手方の間で契約が成立してしまう。相手方の立場からすれば、代理人と取引しているつもりなんだから当然だよね。尤も、相手方が事情を知っていた場合は、本人に帰属させてもいいだろうということか。まあ、当たり前だね」
胡桃「条文を知らなくても常識で判断できそうな問題だわ。2はどうかしら?」
建太郎「代理人を選任しておきながら、本人が過剰に干渉している場合だよね。小説の中では、操り人形をイメージすればいいって胡桃が教えてくれたよね」
胡桃「そうね。条文は次の通りよ」

(代理行為の瑕疵)
第百一条  意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2  特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

胡桃「1項の条文は読みにくいかもしれないけど、要するに、代理人Aが詐欺、強迫によって契約を締結した場合は、本人Bは、詐欺、強迫による取消を主張できるという意味よ。分かるわね」
建太郎「うん、OK。で、2項では、本人Bが指図していた場合は、代理人Aが詐欺、強迫によって契約を締結しても、本人Bがそのことを知っていれば、取り消しを主張することができないと」
胡桃「そうよ。次、3はどうかしら?」
「まず、台風によって破損した建物の一部を、第三者に修繕させることが保存行為に当たるのかどうかだよね?」
胡桃「そうね。保存行為ってどんな行為か、覚えているかしら?」
建太郎「財産の現状を維持する行為だね。例えば、家屋の修繕。債権なら弁済期限が到来していれば催促するとか」
胡桃「そうよ。保存行為が出たついでに、権限を定めなかった場合、代理人ができることは何か、思い出せるかしら?」
建太郎「ええっと……。保存行為と……」

(権限の定めのない代理人の権限)
第百三条  権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一  保存行為
二  代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

建太郎「利用行為、改良行為だね。利用行為は財産を利用して収益を図る行為。例えば、賃貸物件を貸して賃料を稼ぐことだよね。それから、改良行為は財産の価値を高める行為。造作を取り付ける行為とかだよね」
胡桃「とりあえず、問題文によると代理人Aは保存行為の代理権限も与えられているとあるわ。この場合、代理人Aが本人Bに無断で保存行為をした場合、本人Bはその費用を負担しなければいけないのかという問題ね。さあ、どうかしら?」
建太郎「負担しなければならないんだよね。民法の第六百五十条2項にはこうあるよ」

(受任者による費用等の償還請求等)
第六百五十条  受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる。
2  受任者は、委任事務を処理するのに必要と認められる債務を負担したときは、委任者に対し、自己に代わってその弁済をすることを請求することができる。この場合において、その債務が弁済期にないときは、委任者に対し、相当の担保を供させることができる。
3  受任者は、委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に対し、その賠償を請求することができる。

胡桃「そうね。問題文の『無断で』という言葉に引っかかるかもしれないけど、冒頭のカッコ書きにある通り、保存行為の代理権限を与えている以上、本人に無断で行われたとしても、本人は受け入れなければならないわけね。それが代理というものだわ。次、4はどうかしら?」
建太郎「復代理人を選任できるかどうかの問題だよね。設問のような事態になったら、さすがに、さらにEを代理人として選任するのもやむを得ないだろうというのは常識で判断できるよ」
胡桃「まあ、そうだわね。ここで留意したいことはどういう場合に、復代理人を選任できるかは、任意代理と法定代理の場合とで違うということよ。まず、任意代理と法定代理がどう違うか分かるわね?」
建太郎「任意代理は、委任による代理の場合だよね。設問みたいに、代理権限を授与される場合がそうだ。それに対して、法定代理は、成年後見人とか未成年後見人みたいに法律の規定によってえらばれる代理人ってことだね」
胡桃「そして、両者では、復代理人を選任できる場合が異なるということを押さえておいてね」

(任意代理人による復代理人の選任)
第百四条  委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

(法定代理人による復代理人の選任)
第百六条  法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。

建太郎「つまり、任意代理の場合は、本人に指名されたんだから、『本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。』と、それに対して、法定代理の場合は、『自己の責任で復代理人を選任することができる。』要するにいつでも自由に選任してよいということだね」
胡桃「そうよ。以上のことが分かれば、どれが正解かわかるわね?」
建太郎「2だね」
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ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1
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