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居酒屋
作:ごはんライス


 最悪な作品(「飛び降り自殺」「高層ビル」)を二作も投稿してしもうた・・・・マジメにやらねば・・・・・小説の女神に怒られる!



 にぎやかな表通りを抜けて、暗い路地裏に入れば、そこに居酒屋「きOちOがOいブッシュ」がある。
 店内はにぎやかだ。この店は安いので仕事帰りの日雇い労働者が集まる。
 そのなか、西山紀彦にしやまのりひこは、カウンターでしこたま酔っ払っていた。ノーベル平和賞に落選したのだ。
「なんだよ。なんだよ。みんなわかっちゃいないよ。くそったれ。くそったれ!」
 親父が酒を注いだ。
「西山首相。まァまァ。落ち着いて、落ち着いて」
 西山紀彦は、極東の小さな島国で内閣総理大臣って仕事をしてる。世間からは役立たずと言われているが、けっこう重要なポストだ。
「ちきしょう。せっかく、中国を解放して自由と民主を与えたっちゅうのに、なんでだよ。なんでだよ。なんで受賞できなかったんだよ!」
 ははは、と親父が笑った。
「いや首相。のちの人がきっと評価してくれますよ。だから自棄じきにならないで」
「ちきしょう。ちきしょう!」
 首相の後ろでマッチョなSP二人がホッケの開きをくちゃくちゃ食いながらブツクサ言ってる。
北京ペキン上海シャンハイ香港ホンコンに原爆三発も落としとるからな。そりゃもらえんだろ」
「まァな。いくら共産党を倒したっちゅっても、それじゃ人民が納得せんて」
「ああ。早く帰りたいなァ。のだめのスペシャル観たいよ」
 SPはほとほと疲れたというカンジだ。
「にゃあ」食いかけのホッケの開きを店に入ってきた野良猫にやった。
 西山紀彦はさらに酒を浴びた。
「ちきしょう。ちきしょう! せっかく全国の遊園地を全部米軍基地に変えたのに何でアメリカはうちを51番目の州にしてくれんのよ。ちきしょう。ちきしょう!」
 親父が、そりゃね、と酒を注いだ。
「うちの国って一億人以上いるでしょう。もし州になったら、うちの国から大統領が出てしまいますやん。それをアメリカは恐れてるんですよ」
「ちきしょう。ちきしょう」
 西山紀彦はとち狂って頭から酒を浴びた。
「なんだよ。なんだよ。せっかく規制緩和して自由競争にしたってェのに貧困層が増えるんだよ。自殺者が増えるんだよ。何で経済が活発にならないんだよ」
 隣でちびちび飲んでた派遣社員の若者が言った。
「ひっく。ひっく。そりゃま、そうなるでしょう。規制を全部とっぱらっちまえば資本の多い大手の一人勝ちになるに決まってますやん。中小は首吊るしかないでしょ。うィー」
 西山紀彦は床にひっくり返った。
「うーん。うーん。なんで、なんで、国が年金払わなきゃならないんだよ。もうないよ。官僚が全部使っちゃったよ。接待とかで使っちゃったよ。うーん。うーん」
 親父が真顔になってきた。
「しかし首相。年金はちゃんと支払わなきゃダメよ。国民もマジメに納めてきたんやから」
 西山は床をごろごろ転がりながら、わめいた。
「ガマンしろよ! 国民がガマンすりゃ済む話やん! なんでガマンせんの! 文句ばっか言うの!」
 親父が一升瓶を西山に投げつけた。
「ぐぎゃあああああ」
 SPが西山のケツを蹴飛ばした。
「ぐぎゃあああああ」
 ついには西山、怒り狂った日雇い労働者に囲まれ、袋叩きにあった。


 後日、西山紀彦は、ノーベル無責任賞受賞のニュースを病院で聞いた。あまり、うれしくなかった。
 うれしくなかったぞ!














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