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ニャン太と家族の仲直り

作者: ふしお

野良で餓死しそうなところを田中家の

長男こうたに拾われて家猫になる。

田中家は母と父、こうたとその上の姉

真奈美の4人家族。

最近仲が悪いこの4人

父と母はよく口喧嘩。

こうたと姉はテレビの奪い合い。

そんな中毎年田中家恒例行事、年末掃除が始まる。



この作品はアルファポリスにも登録します。

 父は去年までは夕暮れ時に家に帰っていた。

だが今年は夜遅くに帰って来る。

浮気とかいう人間の世界においてオスが本妻以外のメスに手を出す行為。

それを母に疑われている。

猫、いや動物においてこの行為は悪いことではない、むしろ子孫繁栄をする素晴らしい事。

わいも野良してたころは近場のメスねこを見つけては発情してすぐにしたものだ。

なのに人間というものはこのすっばらしい行為を嫌うらしい主にメスが。

大掃除のこの日は父も仕事というのが休みらしく、田中家のみんなが起きる前に家の家具の隙間や中に何かものを詰めていた。

どうやら関係を修復するためにちょっとしたイベントを起こしたいようだ。

みなが起きると父は慌てて手に持っていた物をズボンのポケットに押し込む。


「あなた、ポケットに何を仕込んだの?」


「い、いや何でもないよ母さんそんな事より朝ごはん作ってよ子供達も起きたし、ね?」


 わいはこうたに抱きかかえられて

四脚こたつの近くに降ろされた。

う〜寒い寒い、あ〜やっぱこたつはいいで〜。

野良と家猫、どっちの方が楽かって数で言われると当然わいは野良や。

だけども質で問われたら当然家猫や。

このこたつと言う空間は外の世界には絶対ない、いや確かに日向ぼっこも

体をぽかほと満たすわけだが。

このこたつはポカポカを与えてくれるだけでなく、このふわふわの毛布に包まれるんや。

これは野良にゃ味わえん。


「じゃああなたのそのポケットの中見せなさいよ、どうせそういういかがわしいお店の名刺とか入ってるんでしょ!」


 あ〜また喧嘩かいな、

わいの憩いの空間に耳障りな音響かせんなや。

どれちょいと顔出してみよか。


「おい、謝らないのか?名刺入ってなかったぞ!」


 おうおう、こりゃ長引くそうやの〜。

わいの飯どきにはおわりゃいんだが。


・・・・・・


 かれこれ飯どきから10分経ちましたわ。

こうたと真奈美はいつもの子供番組を見とる。

腹も好かんとようそんなもんやってられんな毎日。

わいは猫や、そないなもんにゃ興味がない。

あるのは食って寝るただそれだけや。

だから飯ださんときゃいつもの手つかわなあかん。

わいも歳さかい、甘ったるい声だすんきついんじゃがの〜。


「にゃ〜おぉ」


「あ、しまった朝ごはんの時間だったわ」


 ふん、よーやく気づいたか母。

父よ、話ぶった切られておまけにやってもいない罪を言われ、腹立たしいのう。

わいも父のアフターケアもしなきゃあかんのや。

よし、その握りこぶしに顔を触れてやろうかな。


どや!


わいのぐるぐる音

甘えてやってんやで〜。


「おーにゃん太。俺の怒りを収めてくれるのか」


 ふぅー飯出てきた。

なんじゃい、年末言うたらいつも高級ねこ缶じゃなかたのか。

いつものねこ用フードじゃねえか。

仕方ね〜な。


「ママ〜魚食べられない、ねぇニャン太にあげていい?」


「にゃ〜お」


 あ、何すんねん母。


「こら! こうた、焼き魚はあげちゃだめっていつも言ってるでしょ」


「はーい、ちぇ」


 あぁそなご無体な。




「大掃除終わったらニャン太に生魚あげるからね、ごめんね」


そ、そうなら許してにゃらんくもないけどな。

よっしゃ仕方ない、この飯で我慢したるわ。

そんなこんなで朝飯を終えると母は真奈美とこうたに自分達の部屋の掃除をするように言い、わいも担がれてリビングを後にした。


「おまえそっち、おれこっちな?、おい聞いてるのか?おまえ」


「おまえおまえうっさいな。近くにいるんだから聞こえてるにきまってんでしょ!」


 こいつらガキもまた親と似てよ〜喧嘩しよる。去年までは仲良かったのにな。

ちゃん呼び君呼びして、ぎょうさんわいを撫で回してくれたのにな〜。

最近みな仲悪いの。父も困ってるみたいやし、わいも仲直りの手伝いしよかな。

うんしよ、良いことした後に魚食えやめちゃんこうまいからの。

ほならまずこのガキ共仲良くさせてやろかの。

ていうてもどうすりゃいんや。


••••••


あ、そういや父がここのトレー棚の引き出しになんか入れておったな。

一段目しか届かへんわ。


ちょい真奈美の体貸してもらな。


「にゃ!!」


「きゃ! もういきなり抱きつかないでよニャン太。何? ここを開けたいの? しょうがないわね〜」


 なんやただの紙切れやないかい。


「ねぇ、姉いちゃん大好きってこの絵こうたが書いたやつ?」


「ああ!見るな〜!! ふざけんなブサイク」


「あ、待って!」


 おうおう、これわいのせいかの(苦笑)真奈美すまん、こうたの後追うわ。

ケアしなやばいんでな。あ、トイレか、扉閉まる前にいけるか。


「にゃん」


 ふぅー入れたわ。なんじゃ糞垂れんとちゃうんか。

泣いてんのか?


「ニャン太、僕、本当は姉いちゃんに謝りたいんだ。テレビを取り合いになった時いつもお母さんが僕を優先してくれて、僕、最近お前って姉いちゃんのこと言っちゃうし。姉いちゃんが我慢してるの知ってたのに、さっきもまた••••••」


 そうかそうか、泣け泣け。こうたはいい子や。


「コンコン」


「入ってるよ僕が」


••••••


「知ってるよ、こうた」


「な、なんだよ入ってるって言ってるだろ!あっち行けよ」


 さっき反省したやないか、こうた。そこで逃げたらあかんて。


「うん、行くよ。だけど一個お願いしていい?」


「なんだよ、お・・・・・・早く言えよ」


 いいぞうこうた、お前言わなかったで。


「ありがと。またこう君って呼んでもいい?」


「ええ?」


「ダメか、ごめんね。じゃ」


 ここはわいがこの扉開けな。


「あ、ニャン太!。開けんなよ」


「こうた、呼んでもいいの?」


「ええ!? い、良いけどこっちもお願い聞いてよ」


「うん」


 どないするんやこうた。


「テレビ、おま、姉いちゃんが先に使っていいよ」


「でも、ネコレンジャー見れないよ?」


「いんだよ、これ聞いてくんなきゃ呼ばせないからな」


「わかった、ありがとう。こうちゃん」


「うん、早く掃除に戻ろ? 姉いちゃん」

 

なんとかなったみたいやな。

次は大人達っと。

たしかお風呂場やったな。


「母さん、気持ちいいかい?」


「ええ、あなた。さっきは疑ってごめんなさいね。 まさかポケットにあっあっ、こんな••••••

あん。おもちゃを隠してたなんて知らなかったから」


「これはね〜母さん、おれが一年残業がんばって手に入れたんだよ。」


「あなた! 好き!」


「おれもだよ裕子〜!!」


なんちゅう仲直りしてんねんあんたら。

ま、いっか。日も暮れたし。

これでわいの役目は終わりや。

こたつで魚待つとしよかな。



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