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妄想のすすめ
作:並盛りライス


 変化のない毎日の暮らしの中でも、一際退屈な時間がある。これでも忙しい身なのだが、いつのまにか、やる事がなくなっている。
 そんな時は、ソファにどっかりと座り込んで、様々な妄想に浸るのが私の楽しみだ。
 妄想などと言うと、危ないヤツみたいに思われるかもしれないが、単にありもしない出来事を想像して楽しむぐらいの事だ。
 もしもや、もしかしたら、というスパイスで日常のくだらない出来事の中に、非日常を作り出す。
 心底、毎日が退屈ならば私は妄想を勧める。
 断わっておくが、ちゃんと妄想と現実を区別しなければいけない。その境目があやふやになれば、ただの危ないヤツになってしまう。
 私自身、暇で暇で仕方がないという人生を送っている訳ではないので、妄想タイムは限られている。
 妄想導入のタイミングも重要だ。もし中途半端に妄想に入ろうものなら、中断を余儀なくされる用事が出てくる。
 もちろん、何らかの作業をしながらでも妄想できるという器用な人がいれば別だが、あいにく私には、そのスキルはない。
 集中力と、何もしなくて良いという安心感がなければ、妄想はしない。というか出来ない。
 だから、妄想タイムに入る為には、馬車馬の如く働いておくのだ。
 洗濯、掃除、アイロンがけ等は早めに済ましておくに限る。突然の来客に備えるのも重要だ。
 もしも、昼間に起きてきて、パジャマに寝癖という醜態で妄想していたならば、宅配便や近所の人に、どんな人間だと思われるか分かるだろう。
 だから妄想は、現実に影響を及ぼさない程度に留めておく事が重要になる。
 妄想の良いところは、なんといっても、お金がかからない事だろう。テレビのように電気代はかからないし、ショッピングのように無駄使いすることも無い。
 道具は要らないので手軽だし、頭を使うので健康にも多分良い。
 ジョギングや、その他の運動と比べても、あまり疲れない。
 これだけ良い事だらけの妄想だが、集団でやるのはおすすめしない。やはりコレは一人遊びであり、友達どうしで妄想し合うのは宗教みたいで嫌だ。
 お互いの妄想を話し合うのも根暗な気がする。お喋りは楽しく話題性のあるものにしたい。
 ここまで奥の深い妄想の魅力は、まだまだ尽きないが、全部をここに書く事はしない。妄想を楽しみながら、新たな魅力を発見していくのも、妄想の楽しみの一つだと私は思うからだ。














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