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月影さんと紫雲さん

作者: 津島



ボクは、どうやらファルテスとして産まれてきてしまったらしい。



この世の中には、

ファルテスとアルクェス、その他一般人

で構成されている


目に"イロ"を宿した人間と目に"イロ"を宿していない人間


幸せに、なれる筈だったんだ。


事が、思い通りに運べば____




⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰ ⋱⋰



「紫雲さんっ!!」


ドーンッ、といつも通りに抱き着く。


「これ…。人前ではあれ程辞めろと…」


これも、いつも通り。…紫雲さん、何時もボク思うンですが『人前では』ってことは2人っきりの時は沢山抱き着いてもイイんですかね?なんて、言ったらあの言葉しか貰えなくて、ボクが欲しい言葉はくれない。



「えへへ、ごめんなさい~」


にこにこと笑いながら紫雲さんの目を見詰める。

紫雲さんの目は『微かに紫の入った色』。

心の何処かで紫雲さんがアルクェスだったら良かったのに、なんて思ってしまう。

そうしたらボクの色に染めれるでしょう?


「ねーねぇー紫雲さんー」


「…なんだ…」


はぁ、と溜息をつきながらもボクに返事してくれる辺り、ほんとに優しいと思う。


「ボク、紫雲さんがアルクェスだったら良かったなぁって思うンです」


ぴたり、と時が止まった様に紫雲さんの動きが止まる


「…?紫雲さんはファルテスでしょう?」


「…違うと、申したらお前はどうする」


次はこちらが固まる番だった。

紫雲さんは何を言った?ファルテスじゃない?アルクェス?…あ、そうだ、ファルテスの人はカラーコンタクトを付けてるって噂を聞いたことがある。紫雲さんも恐らくその例だろう。

全く気付かなかった



「…ねェ、紫雲さん」


漸く声が出たのは弱々しい声だった。

情けないことこの上ない



「……………なんだ」


「貴方の、本当の色を教えて下さい」


________


紫雲さんの目の色は、ボクの色とも、初期の灰色とも違う、禍々しい赤色の目だった



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