第12羽:追手
バタバタと足音が通り過ぎていく。
エン達はそーっと、用心深く周りを見回しながら茂みから顔を出した。
「どうやら、行っちまったみてぇだな。」
「そうね。でも、何で居場所がバレたのかしら?」
「依頼主のジジイにも、顔は見せてねぇし・・・。」
そこでティアはふと、思った疑問を口にした。
「普通、フードかぶってたら怪しまれるし、目立つんじゃない?」
「・・・・。」
(そういえば確かにそうだな。)
そう、思って黙りこくるエン。
「・・・、疑問に思ってなかったのね。」
「うるさい」
*
「さすが、人が多いだけあって情報が伝わるのが早いな。」
「そんな事言ってる場合じゃないでしょうが!」
町のあちこちを走り回りながら、エン達は宿屋を目指していた。
追手はいたるところに居るので、はちあわさないように遠回りをしなくてはならなかった。
前方に人影と話し声が聞こえ、エン達は急いで暗がりに隠れた。息を潜めていると、話している内容と、話しているのは二人の下っ端だということがわかった。
「―でもよう、本当にいるのかそいつは?」
「いるらしいぜ、黒いフード付のマントを着た怪しい男がよ。」
「・・・ばっちり怪しまれてるわね。」
「ああ・・。」
ひそひそと暗がりでしゃべる二人。
そんな事にまったく気づかない下っ端の二人は、そのままエン達の側を通り過ぎた。ほっ、と息をつく二人の耳に追って来た奴等の指導者らしき人の名前が聞こえた。
「あ、そうそう、今日はあの冷鬼って言う奴じゃなくて氷雨さんが来たらしいぜ。」
「なっ・・・!」
氷雨と言う名前がでた途端、エンの顔色が変わった。
「ヒサメって?」
ティアがエンに聞いた。
「俺の組織の幹部だ。」
エンが冷や汗を浮かべながら答える。
「強いの?」
「強い。ついでに言うと、俺でも勝てない。」
エンがうつむく。そんなエンをティアは心配そうに見ていた。 |