第9羽:ラントの町
「ん?」
ガタガタとゆれる馬車の中でエンは目を覚ました。ついつい、寝てしまったらしい。
エンは背伸びをし、左に視線を移した。
「すぅ・・・・。」
ティアはまだ寝ていた。
(まあ、昨日はずっと歩きっぱなしだったし、疲れるのも無理はないか。)
そう思いながらエンは、馬車の外に視線を移した。日の光をあびて植物たちや動物が元気に活動していた。
「・・・・・・。」
窓の外の景色を、眺めながらエンは昨日の事を考えていた。
あの後は何とか森を抜けて、近くを通ったユニコーンの乗り合い馬車に乗ったのだった。
エンは、レキのことが少し気がかりだったのだが――、
(まあ、あいつのことだ。多分、大丈夫だろ。)
今は敵。味方ではない。
内心の悲しい思いを断ち切って、エンは外の景色を見ていた。
今は一刻も早く守護獣たちや、守護者を見つけること―。
それがエン達の目的でもあり、使命だった。
今は情報収集の為に他の大陸の町の中でも、もっとも人が多くて、情報が集まりやすいラントの町に向かっていた。
*
「やっと着いたか。」
馬車から降りるや否や、文句を言ったのはエンだった。その横に馬車から降りたティアが着地する。二人は馬車賃を払うと、町を歩き始めた。
エンは結構顔も知られているので、フードを深く被って歩いている。
一方ティアは、あまり顔は知られていないので普通に歩いていた。時々、珍しそうに店を見ている。
「あっ!エン、あれ見て!」
「ん?」
ティアが指差した方を見ると、掲示板にポスターなどが張ってあった。
「これが?」
「ほら、そのポスターの下のやつ。」
ティアに言われ、近づいてよく見ると――、
「げっ!」
エンの似顔絵付の手配書が張ってあった。
『名前:「エン」
特徴
・赤毛
・赤眼
見たら至急、組織に連絡せよ。 【南の鳥】 』
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