表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界征服を始めました。  作者: 袋烏
第3章 真の悪編
35/60

僕は人間を辞めます

「“悪の書”で魔人化しても“魔人の王”というスキルを持つ私を倒すことは出来ないぞ。」


ヴィクトリアは見下した顔で言う。


「確かに“魔人化”しても君を倒すことは無理だろう。


だけど、僕はその“上”をいく。」


そして、僕は悪の書を“凶化”する。


【“悪の書”が凶化され“凶悪の鍵書”になりました。】



「なんだと…我が君が使わなかった“凶化”を……どうなるのか分からないのだぞ!」


「だから君はジョナ()を理解していないんだ。 “危険かもしれない?”はっ!! そんな気持ちでは僕の“夢”を叶える事はできない。


僕の友人であるタクヤは言ったぞ…『ハーレムの為なら俺は人間を辞める』と…… 「言ってねーよっ!!」 」


あら、倒れて気を失ってもツッコミを忘れないなんて…僕、感動したよ。


「まぁ…






“とりあえず、人間を辞めようか!!”






そう言って僕は“凶悪の鍵書”を開ける。


本を開けると真っ黒なページが目に入る。

するとページに亀裂ができて、まるで卵の殻が割れたように“凶悪の鍵書”がバラバラになる。

しかし、亀裂だけはその空間に残っていた。



ギャハハハははははははハハハハハハははははははハハハハハハははハハハハハハはははははははハハハハハハはハハハハハハはははははははははははっ!!



マーガより気味が悪い笑い声が亀裂から聞こえて、亀裂から黒く汚いヘドロが溢れ出た。


ヘドロは僕を食べるように包み込んだ。


ヘドロに食べられる時に「お前はもう人間じゃあないだろっ!!」って聞こえたが無視しよう。












★●★●★●



真っ暗なだった視界に目が慣れてきて、周りに何があるのかが分かるよになる。


薄暗い部屋


大量の本棚


不気味な暖炉


机と2つの椅子


「“また”ここか…」


「やぁ、久しぶり。」


椅子の一つには“僕”が座っており、前回は学ランだけだったが今度は黒いコートを着ている。


「ヤッホー。」


とりあえず挨拶をして僕も椅子に座る。


「どうだい、“世界征服”の方は?」


「全然、駄目だよ上手くいかない。」


「ぎひひ、人生には試練が付き物だからね〜。 で、今後の予定は?」


「うーんと、とりあえずセプンテント帝国は滅ぼしてから、次は“国盗り”をしようと思う。」


「滅ぼすんだ〜」


もう一人の僕は楽しそうに聞いている。

机の上にあるカップを取り何かを啜ってる。


「うん、それから“●〇%〆!ゝ?…”と思うんだよね♪」


「いいね!! やっぱり、君を選んで正解だったよ。今回も怪物工場モンスター・ファクトリーの裏技で“凶悪の鍵書”を作るなんて。

先代魔王でもしなかったよそんなこと」


「何でしなかったの?」


「“人間”だけは辞めたくないって。」


なるほど、人間を“凶化”しなかった訳だ。


「ところで、この後の僕はどうなるの?」


とりあえず大事な事だ。このまま、消滅しますなんて嫌だよ。


「ああ大丈夫だよ。“新しいスキル”を手に入れるだけだ。」


ああ、安心した。


「さてと、ちょっと“()”の話を聞いてくれるかい?」


ん?


「私は“神に作られた存在”だ。」


どうやら、彼は精神が可笑しいようだ。


「君は別だが私は“正常”だ。 話を戻すが神達はどうやって“存在”をしていると思う?」


???


「答えは“信仰”だ。 人々が“神”という存在を認識して、その存在を“崇拝”する事により人々の心の中で“神”という存在が大きくなり、神達は“強大な力”を得るんだ。」


あれ、なんで神学の授業なんだ?


「まぁ、聞きなよ。

神は自分達への“信仰”を得る為に、自分達が作った人々に“試練”を与える。」


あっ…分かってきた。


「その試練が“魔王”だった。」


「その通り、神達は“信仰”を得ると共に“学ばせる”為に試練を与える。


だが“魔王”は神の作った人間だった故に“平等”でなければならない。


“神”は“直接”この世界に介入できない為、“代行者”を作った。


魔王側には“()”を、人間側には“(光の精霊)”を、()には圧倒的な“(スキル)”を選んだ人間に授ける役目、光の精霊には神達からの“助言(魔法)”を人々へ伝える役目だった。


()は“試練”を人間に、光の精霊は人々から“信仰”を得て神へ捧げる仕事だった。


そうやって神は奴隷制度など“世界の問題”を解決しようとした。」



しかし、“光の精霊は裏切った。”



「その通りだ。光の精霊は神からの『種族平等に力を合わせて戦いなさい』という助言を人々に言わずに、

『異世界から“勇者”を召喚して戦わせなさい』と伝えた。


結果は“光の精霊の助言を得て人間が勝利した”だ。


人々は“光の精霊”を“崇拝”して、光の精霊は“信仰”を得た。


そして“信仰”の力でこの世界を滅茶苦茶にした。」


それで、僕にどうしろと?


「神達は()に“修正”を頼んだ。そして、“世界の力”を使う事ができる許可を貰った。」


彼は口が裂けるような笑みを浮かべて僕を見る。













「おめでとう“ジョナ”君は神から“世界征服の許可”を貰ったぞ…」


その言葉を聞くと視界が暗くなっていく。



「ああ、あと元勇者でも光の精霊の“加護”が少しある筈だ、だから“気をつけろ”」













★●◆■▲▼





悪の遺産(イビル・イコン)を獲得しました。】


悪の遺産(イビル・イコン)のスキル条件により、現在獲得しているスキルが一部変更または破棄されます。】


【“混沌の使者”が“絶望の使者”へと変わりました。】


【“怪物工場モンスター・ファクトリー”、“貪欲な野望”、“邪悪なる光(イビル・ライト)”“一匹いたら百はいると思え”などのスキルが破棄されました。】


【ポイントはそのまま引き継ぎます。】


【現在257,010pt】


【“悪の遺産(イビル・イコン)”に“天地征権(イムペリウム)”が追加されました、ポイントを使用すれば次回からはいつでも使えます。なお神からの特典により“天地征権(イムペリウム)”のポイントが本来の1%になりました。】


【楽しい世界征服をお楽しみ下さい。】




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ