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世界征服を始めました。  作者: 袋烏
第3章 真の悪編
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司祭の秘密兵器

兵舎で使えない屑を燃やして、俺とサリーは教会へ向かった。

教会につくとマーガ達がウロウロしており、何かを探しているようだった。


俺は近くにいた“灰色”のマーガにジョナの行方を訪ねる。


「司祭室へ向かっているギャハ。でも迷子。」


迷子って…


「今、地下にイる…」


地下か…ジョナの奴、情報を集めるって前の会議で決まったのに、いきなり今日「やっぱり、この国を落とすから」と言って、俺とサリーに兵舎を攻めるように指示をした。


ラエティティアは可憐聖歌隊の歌を無効化できるとジョナの推測は正しかった。

可憐聖歌隊の声が1(高周波)ならラエティティアは−1(低周波)で歌うと相殺して音が消えるという理論だった為信じたが、正直なところジョナの考えている事が分からない。


「ねぇ、タクヤ…」


「なんだ?」


「アタシ達で司祭室へ殴り込みしない?」


「いいなそれ。」


まぁ、いいか…

俺は“アイツら”を苦しめる事が出来るならジョナの“世界征服”を進んで手伝うさ…例え裏切り者と呼ばれても。


それにしても、何故か“視線”を感じるな…


視線を感じる方を見るがソコには何もない。

気のせいだと思い俺は司祭室へ向かう。







司祭室の扉は豪華な造りで、扉に宝石などを用いて絵ができている。


絵は光に包まれた女性が人々の上に立ち崇められている様子だ。

悪趣味だと思いながら扉を開ける。


「ようこそ。」


男が挨拶をする。

司祭室の部屋には神官のような男と白衣を着た女性がおり、白衣の女性は布で包んだ長い物を持っていた。


「私はここ聖光教会ルアーノ支部の司祭であるノアールといいます。そちらは聖光教会の咎人であるDr.ルーナだ。」


ノアールと名乗る男は白衣を着た女性…Dr.ルーナを紹介する。


咎人…聖光教会が“危険指定人物”または“罪人”で使える者に特別措置として、奴隷の身分として扱う人の事だ。

Dr.ルーナは聖光教会に捕まったが有望だと認められ教会に使われているのだ。


「君達は何故“魔人”になった?」


ノアールが問いかけてくる。


「言うわけないだろ。」


「そうか…救いようがないな。Dr.ルーナ、“あれ”を…」


Dr.ルーナは持っていた布で包んだ物をノアールに渡す。


『火銃』


俺はとっさに黒炎弾を撃つ。

ノアールはそれを受け取ったばかりの布で包んだ物で防ぐ。


布は黒い炎によって燃え上がり、布は灰となる。

布がなくなった事により包まれた物が姿を現した。


それは“ロングソード”だった。


ロングソードは黒く錆などがついていたが、存在その物が異様な気配を放っている。


「これは“邪神の遺産”の一つで『混沌を呼ぶ(カオス・コール)』と呼ばれた剣だ…」


「おいおい、聖職者が“邪神の遺産”なんかを持っていていいのか?」


「ふっ…この剣はDr.ルーナによって特別な魔法で“封印”をしている。」


「キャハ♪」


ノアールの背後にまわったサリーは魔人化“黒鬼姫”になり、刀をノアールの首めがけて横一閃を振るう。


ガッ!!


「しかし、“封印”していても能力は消えてない。」


「!?」


なっ!? サリーの“絶対切断”を防いだだと!?

ノアールはロングソードでサリーのスキルによって極限の切れ味を持った攻撃を簡単に防いだ。




サリーはとっさにノアールから距離をとり俺の隣へ来る。


「この剣はかつて世界を滅ぼそうとした“魔王”が持っていた武器でな、能力は『魔人の王』といって“所有者の戦闘力と防御力等のステータスを魔王と同格にする”という最強の力だ…

しかし『封印』の為本来の“20%”しか引き出せない。」


それを聞いた瞬間、背筋が凍りそうな寒気を感じた。


サリーの攻撃を軽々と防ぐ、それが“二割”の力だ。


しかし、魔王って…


「はるか昔、1人の少年が黒い玉“混沌の卵”を手に入れた。 当時少年は“奴隷”だったが“混沌の卵”により“魔王”になり、魔族になった元奴隷と魔物と共に戦争を起こした。 各国は連合軍を結成し応戦した。

戦いは魔王軍が優勢だった。

しかし、我ら“聖光教会”が“光の精霊”のお告げを聞き勇者を召喚した。

勇者はそれぞれ聖なる武器で魔王軍と戦い“人間側”へ勝利をもたらした。

勇者は魔王軍が誕生したこの大地に国を造り、“セプンテント帝国”が誕生し、勇者の血が流れる皇帝一族がこの国を守り続けている。」


ノアールは歴史を俺達に聞かせてくる。


「結局は異世界から力を貸して貰わないと勝てないのかよお前らは…

たしか、当時は獣人などの亜人達は結局“獣扱い”をする人間じゃなく“平等”に接してくれる魔王軍についたんじゃないか…

亜人達が人間側にいたなら魔王軍は勝てなかったと書いてあったぜ。」


「貴様…“アレ”を読んだのか?」


「ああ、読んだぜ“勇者の日記”を…」


「日記は確かまだ解読されていない筈だ」


Dr.ルーナが話に割り込んでくる。彼女は研究者らしく目をキラキラさせながらこっちを見る。


「あれは俺達の世界で使われている“日本語”で書かれていたんだ。」


そう、皇帝の話が本当かどうかを調べるために立入禁止の皇帝の執務室に侵入した時に見つけた。


読むと召喚されてから死ぬまでの事を日記に記していた。

最後らへんは教会の策略で無理やり結婚させられ、操り人形(マスコット)にされたと、書いてあった。


「どうやら君には死んでもらうしかないようだな…」


そう言ってノアールは俺達へ襲いかかってきた。



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