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二ノ宮高校野球部奮闘記
作:S.S



第8話 ボールだ!


「お前ら今までよく頑張ったな。明日からボールを使った練習に入るとそうだ。これでようやく野球部らしくなるな」

川本先生が俺達にこう告げたときにはもう4月は過ぎ去り、5月に入っていた。
入部してから約1ヶ月、ようやくボールに触れることができる。
俺は正直ほっとした。
あの監督なら1年生の間はボールに触らせずひたすら体力づくり!とか言いそうで少し心配していたのだ。
しかし、創部1年目で上級生がいないからしっかり実戦に出して経験を積ますということなのだろう。


翌日、俺達はボールを見て歓声をあげた。
部員の半分は硬式ボールを見るのが初めてだ。
手にとってみたり地面に落としてみたりしている。
俺は一応春休みの頃から硬球で軽く練習していたから大体感じは分かっていた。

「これすっげぇ硬いな」

鳥越がボールを握りながら言う。

「そりゃ一応『硬式』ボールだからな。軟式テニスのボールとは訳が違うだろ。もっとも、硬式テニスボールと比べても断然硬いけどな」

と言うのは江口だ。
そうそう、そういえばこいつこの頃だいぶスリムになってきた気がする。
実際この1ヶ月で5キロ以上体重が落ちたらしい。
まぁ、あれだけ走らされれば誰だって痩せる。
俺も2キロ減った。

しばらくボールをつついていると横道先生(女の方)が現れた。
ジャージ姿で木製バットを肩に担いでの登場だ。
そんなに背が大きいわけでもないが何か大きな威圧感を感じる。
バットを持ているからだけではなく、やはりオリンピックに出るような人は普通の人とは違うオーラを持っているのかもしれない。

「みんな来てるわね?これから1週間はとりあえずボールに慣れるためにキャッチボールを中心に軽いノックやトスバッティングをやるからね。ただし、ランニングは継続よ。10キロから8キロに減るけどね」

10キロから8キロって大して変わらないし。
というかせっかくまともな練習が出来ると思ったのにまだ走らないといけないとは……。
まぁでもボールを使わしてくれるだけましか。
そう諦めて練習に入った。
俺は古谷とキャッチボールをすることにした。
これからバッテリーを組んでいくのだから当然だ。
そしていざキャッチボールを始めようとしたら一人途方に暮れている奴がいた。

「ちょっと待ってくれ。俺一人ぼっちなんだけど」

と村西が言う。
そういえばうちは9人だから2人ずつだと1人余ってしまうんだった。

「隣りの辻君と後藤君のところに入って3人でしてくれる?あたしがやってあげれたらいんだけどダメなのよね」

と横道先生が言う。
先生は肩壊してしまってたんだったな。

こうしてキャッチボールを始めたのだがまともにやれているのは俺達と桜井・鳥越のペアのみ。
江口・小林のペアは江口はまだ大丈夫だが小林が大丈夫じゃない。
後ろにボールが転がっていくのはほぼ毎回で、投げ方もおぼつかない。
しかも顔面に一発喰らってしばらくダウンしていた。
江口も若干暴投が多い。

辻・村西・後藤のペアは悲惨だ。
ボールがまっすぐ相手に届いたためしがない。
毎回ボールがそこら中に転がっていく。
投げ方・捕り方ともにまるでなってない。
実戦経験とかそんな問題ではなく、基礎がなってないのだ。
まぁ、3人とも野球未経験者だし後藤に至っては草野球の経験すらないのだから仕方ないが。


こんなんでこれから先大丈夫なのか……?





いや、ダメかも。


お久しぶりです。やっとテスト終わりました。これからは更新のスピードを上げていこうと思います。頑張っていくのでよろしくお願いします!











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