車魂
7月1日 呉軍港
夏本番とばかりに暑い中、一隻のイギリス船籍の貨物船が入港した。
この貨物船には、空母用カタパルト、マウザー砲、イギリスの商会ルートを通じて入手したアメリカ製最新式の工作機械などが積み荷であった。
そんな積み荷の中で、一つだけ、違う物があった。
重厚で威圧感すら感じられる鉄の塊……戦車である。
一週間後 呉鎮守府内 第七艦隊陸戦隊格納庫
「おはよう、マチルダ!」
格納庫の扉が開き、一人の少年兵が入って来て、物言わぬ戦車……イギリス製マチルダMkII歩兵戦車に挨拶する。
マチルダ戦車に挨拶した少年兵は大沢 慧二等水兵(17)である。
『二等水兵』と言っても、彼の所属は第七艦隊陸戦隊戦車部隊の操縦士である。もちろん、彼は(歳を考えても)運転免許なんて持っていない。(何せ、運転免許自体が特殊技能扱いの時代だ。)
では、何故彼は運転できるのか?
実は、彼の実家が車や機械の修理工場だからだ。
だから、彼はメカに強い。しかも、戦車の点検や整備も出来たから、陸戦隊にとっても貴重な存在である。その為か、マチルダ戦車を任すには十分だった。
大沢
「はぁ〜〜。」
マチルダ戦車の点検を一通り終え、格納庫から出して、日向ぼっこしていた。
まだ朝方だから、多少ましだが、それでも暑い。
大沢
「もうそろそろ、中入れるか…。」
そう言って、砲塔を撫でた瞬間……
「誰ですの? 私の体を撫でているのは?」
大沢
「おわ!?」
驚いて後ろを振り向くと、自分が座っている車体に自分と同じ位の少女がいた。特徴としては、髪は金髪の縦巻きロール、瞳は青、である。
しかし、なんと言っても、目立つ体つき。
俗に言う、ボン、キュ、ボンである。
大沢
「誰! 君誰?!」
「私? 私はこのマチルダ戦車の車魂、マチルダですわ。」
大沢
「車魂?!………あぁ、先輩から聞いた事がある艦魂に似た物か?」
マチルダ
「艦魂……まあ、そう考えて頂いて構いませんわ。」
車魂とは、007先生の作品で出た為、詳しい説明は割けるが、まあ、艦魂の戦車版と言っていい。
ただ、艦魂との違いは宿っている車両が破壊されても同型車が有れば、それに転移できる点である。
大沢
「それより、マチルダ?」
マチルダ
「なんですの?」
大沢
「その喋り方は癖?」
マチルダ
「癖と言うか……生まれつきですわね。」
大沢
「そ、そうなの…。」
フェルディナント
「お邪魔させてもらうよ。」
大沢
「少佐殿!」
フェルディナント
「やあ、大沢君。君の話し声がしたから、寄ってみたんだが……。」
さて、どうやって説明したものか……。
そう大沢が考えていると……。
「まあ、そこに居るお嬢さんと話してたんだろう。自己紹介してもらおうかな?」
大沢
「!ちょ、長官!」
フェルディナントの後ろに居たのは福本達。
メンバーは福本、マリーダ、若杉、土佐、伊豆、戦鷹のメンバーだった。
福本
「『車魂』ねえ…。」
大沢
「信じ…ます?」
若杉
「いや、見えて、喋ってるんだから、信じるしかないから。」
土佐
「福本長官、マチルダさんを紹介しに行っていいですか?」
福本
「あぁ、別に構わんが…」
土佐
「なら、戦鷹、伊豆行くわよ。」
戦鷹
「はい。」
伊豆
「マチルダちゃん、行こう♪」
マチルダ
「ちょ、私は……」
言い終わらない内に転移してしまった。
福本
「……大沢二等水兵…明日から大変だぞ。」
若杉
「自分も、そう思います。」
登場人物紹介
大沢 慧 (17)
所属 第七艦隊特別陸戦隊戦車部隊操縦士 二等水兵
実家は修理工場の為、手先が器用。
時々、時計や扇風機の修理をしている。
好き 機械いじり
嫌い 精神主義
マチルダ
所属 第七艦隊特別陸戦隊戦車部隊
イギリス製マチルダMkII戦車の車魂。
別名『マチルダ姫』『戦場の女王』。
いつも、尊大な態度をとっているが、これは生まれつき。
その態度や高貴な振る舞いから近寄り難い印象を受けた為、友達がいなかった。日本に来ても、最初はそうだったが、三笠や金剛などの助けでなんとか克服した。
一人称は
「私」
好き 紅茶 イギリス 日本
嫌い 共産主義 スターリン
次号へ
薩摩「そう言えば、最近更新が遅く有りませんか?」作者「うーん、バイトで忙しいから、昼間は書く暇無いんだよね〜。」春日「その代わり、昼間に構想を練ってるんだろ?」作者「はい。」マチルダ「と、言うことで、ご意見ご感想、お待ちしておりますわ。」作者・薩摩・春日「勝手に終わるなー!」
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