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巫女艦長と艦魂
5月20日 呉軍港付近の海域


一隻の駆逐艦が呉に向かっていた。
艦名は『神波』。
第七艦隊配属艦で独立機動艦隊計画で設計された大波型駆逐艦の四番艦である。



大波型駆逐艦は、日本海軍が設計してきた特型駆逐艦などの艦隊型駆逐艦の性格を受け継ぎつつ、凡庸性をもたせた駆逐艦である。
改良点としては、対潜能力の底上げ、主砲の高角度化、40ミリ機銃の設置、レーダーなどの新装備等々である。
データは以下の通り。


大波型駆逐艦

基準排水量 2352トン
満載排水量 3170トン
全長    125,7m
幅     11,6m
速力    36,6ノット
航続距離  18ノットで8000海里

武装
12,7センチ連装砲×3基
61センチ四連装魚雷発射管×2基
40ミリ機銃 連装×2基
      単装×4基
25ミリ機銃 三連装×4基       連装×2基
Y字型爆雷投射機×2基
爆雷投下機×2基



神波艦橋

狭い駆逐艦の艦橋内では、男女士官兵問わずに忙しく動き回る中、1人の女性士官が直立不動で正面の海を見ていた。
神童神子である。
ちなみに、彼女はさぼっているのではない。
実は、彼女はこの艦の艦長である。
何故何もしてないかと言うと、する事が無いからである。
今回の旅順軍港から呉軍港までの回航は簡単なもので、皆は訓練航海の様だと言う程だ。
まあ、それ以前に乗り組んでいる全員が、何故かしら自分が何をすれば良いか判っているから、余計な言葉が要らないからだろう。



さて、何故『神波』だけが第七艦隊に配属されたかと言うと、熟練度の問題である。
四隻が完成・慣熟訓練をしていたのだが、三隻は新型の機関や新装備等々の慣れない要素が多く、乗組員達は悪戦苦闘していた。
そんな中、神波の乗組員はまるで隠されていた才能を発揮するかの様に使いこなしていった。
この為、神波は他の三隻より早く熟練度に達した判断され、第七艦隊配属が決定された。



誰も居ない防空指揮所。
しかし、気晴らしに上がって来た神童が見ると、1人の少女が居た。水兵服装の少女……彼女こそが神波の艦魂、神波である。

神童
「神波、何してるの?」

神波
「あ、神童さん。良いんですか? 現場ほっといて?」

神童
「大丈夫。皆、何すれば良いか判ってるから。で、質問の答えは?」

神波
「風景を……日本の風景を見てました。これが私の守る日本の風景なんだな〜、と思って。」

神童
「そう…。」



2人は仲良しだ。
友達になったのは完成したてで、神童が1人で艦内巡回をしていた時だ。
ちなみに艦内巡回とは表の目的で、本当は艦内お祓いが目的だった。
その為、最初は自分の部屋である、艦長室をお祓いしようと艦長室に入ると、彼女もとい神波が居た。
この時、神童は巫女服姿、神波は水兵服姿、そんな格好で2人が出会えばが驚かない訳が無い。
こんな事があり、2人は仲良しだった。



神波
「あ! 神童さん、見てください!」

その叫び声に、神童は神波の指差す方を見るとそこには……

神童
「薩摩と……福本長官……。」

どうやら、福本長官が気を利かせて薩摩で出迎えに来た様だ。
下の艦橋が騒がしい。
まあ、世界最大の戦艦と憧れの先輩に出迎えてもらえば騒がしくならない訳が無い。
しかも、よく見ると主砲塔に艦魂達が立っている。
神波を出迎えに来たのだろう。

ドン!

薩摩の高角砲が空に向けて空砲を放つ。


「艦長、どうします?」

神童
「礼砲なら返すのが礼儀ですよ。」


「はい。」

数秒後、主砲が空砲を放ち返礼する。
こうして、第七艦隊に新たな仲間が加わった。



登場人物紹介

神童神子(しんどう みこ)(18) 性別 女性 海軍中尉

実家が神社で、巫女をしている。
霊感が強く、艦魂などは普通に見えるので、気にしていない。
それよりも、艦魂が見える人間が自分の他にも居ること嬉しく思っている。

好き 実家の神社 艦魂達

嫌い 無茶苦茶言う人


神波

大波型駆逐艦四番艦。
神童とは仲良し。(『神』が名前に入ってるのも一因)
神童と出会った時の影響からか巫女さんに憧れている。
得物は弓矢。

好き お姉さん 巫女さん日本

嫌い ホラー



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作者「いや〜、久し振りに出てこれた〜。」遠地「呑気やな〜。」福本「ほんまに…ヨーロッパでドンパチやってる最中に、日本だけ呑気な話が続くな。」山本長官「そうでもないぞ。」マリーダ「や、山本長官!」山本長官「特命だ。第七艦隊はエステロール王国への親善測量航海を命じる。」千歳「特命係長・只野仁?」福本「おいおい…。」


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