権力の執着者来る
4月18日 呉軍港
薩摩と土佐が編入されてから3日が経過したものの、連合艦隊にこれと言った変化もなく、訓練に励んでいた。
そんな中……
旗艦長門艦内司令長官室
山本は一枚の報告書を読んでいた。
それは春日と日進の解体が終了したとの報告だった。
既に覚悟はしていた。
しかし、実際に起きるとやはり悲しいものだ。
5年前、本来除籍されるはずだったが、新設される神戸士官学校に練習艦として臨時配属されると聞いた時は人知れず喜んだ。
その2年後、講師として神戸士官学校に来校し、日進と再会した。
つい昨日の事の様に覚えている。
まあ、その時にいた人間がそれほど離れていないところに居るし、現在進行形で続いているからだろう。
「長官、海軍軍令部よりお客様ですが…」
従兵が知らせに来た。
山本長官
「わかった。通してくれ。」
その頃、戦艦薩摩では…
福本
「う〜〜ん?」
防空指揮所で折り畳み式の椅子に座りながら考え事。
榛名
「福本君、何してるの?」
福本
「あ、どうも。また提案書を書いてるんです。」
蒼龍
「ふーん。今回はどんな提案?」
福本
「今回は、現有戦艦の改装案です。」
日向
「じゃあ、見せて〜。」
福本
「まだ、出来てないからダメです。」
マリーダ
「おーい、みんな〜。お茶にしよ。」
福本
「わかった。今行く〜。」
福本、マリーダ、ラフィール、ジント、金剛、榛名、日向、蒼龍のメンバーは誰もいない士官食堂で紅茶を飲んでいた。
ラフィール
「あ…お、美味しいです。」
ジント
「はい、美味しいです。」
金剛
「それは良かった。ロシア生まれの君達だから味の加減が判らなかったが……これでわかったよ。」
その時、光とともに長門が現れた。
長門
「福本君、マリーダさん。山本長官がお呼びです。」
福本
「あ、今行き……」
長門
「あ、急がなくていいです。2,30分後に来て欲しいとの事です。」
30分後、長門によって転移した福本とマリーダ。
長官室に向かおうと、廊下を歩いていると反対側から1人の男が歩いてくる。一瞬すれ違ったが、福本には誰だかわかった。
福本
「山本長官、お呼びでしょうか。」
山本長官
「うむ、これを見てくれ。」
そう言って渡されたのは提案書。
さっそくマリーダと2人で拝見すると……
マリーダ
「!何このアホらしい提案書!」
山本長官
「やはり、そう思うか…、それは先程、海軍軍令部からの遣いが置いて行ったものだ。名前は確か……」
福本
「柿宮…柿宮裕じゃないですか?」
山本長官
「あぁ、そうだ。柿宮……福本、なんで判った?」
福本
「先程、廊下ですれ違いましたか……」
マリーダ
「あぁ!思い出した!あのハレンチの無能強欲男!」
山本長官
「……知っているのかね?」
マリーダ
「知ってるも何も士官学校じゃあ大介と反対の意味で有名でしたよ。作戦は無茶苦茶だわ、自己中心的だわ、権力欲求はすごいわ、女の子に差別発言するわ、セクハラするわ、大介と喧嘩するわ……知ってます?」
山本長官
「三笠から聴いた事がある。福本は何度か喧嘩した事があると。」
福本
「大した事では有りま……」
マリーダ
「もう、それは喧嘩の原因?それとも喧嘩の一部始終?どっち。」
山本長官
「まあまあ…。しかし、何故そんな人間が海軍軍令部に入れたんだ?」
福本
「どうせ、政治家の父親に駄々こねたんでしょ。」
マリーダ
「まったく……迷惑な話ね。」
山本長官
「それより…福本、これから注意した方がいいぞ。」
福本
「何故ですか?」
山本長官
「相手は軍令部の人間な上にお前に敵愾心を持っている。立場上お前を殺ろうと思えば殺るぞ。」
福本
「……有り得そうですね。」
マリーダ
「経験者は語る…ですか。」
次号へ
榛名「何か、ヤバイ事に成りましたね。」作者「山本長官は次官の時に狙われましたからね。勘で判ったんでしょうね。」金剛「これで福本が死んだら…」作者「この物語、終わりますよ。」榛名「え〜と、ご意見ご感想をお待ちしています。」
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