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ノモンハン事件 10 〜宮崎連隊の夜襲〜
9月8日 深夜 ハルハ河から約60キロの977(オボ)高地付近


夜の暗闇の中を、日本軍兵士の一団が匍匐前進で、あるいは足音を発てぬよう前進していた。
そして、数分後、銃声が聞こえた。


この夜襲は第二師団所属の第十六連隊長宮崎繁三郎大佐が9月4日に計画したものである。
第十六連隊は所属する第二師団と共に8月31日にドロト湖西方に進出、同地守備を任された。


9月4日、977(オボ)高地に進み、夜襲の計画を立てた。
宮崎連隊長は支隊長の片山少将に攻撃許可を求めた。彼には勝算があった。
ソ連軍は日本軍が終始防御にまわると思っている。そこに漬け込むつもりだ。ところが、6日に軍指令部から攻撃中止要請を伝達してくる。
だが、これはあくまで要請であって、命令ではない。そこで、片山少将は8日に至って作戦決行を命じたのだった。



翌朝、第十六連隊は高地奪取に成功。
直ぐ様、軍指令部に成功と報告した。
この報告を聞いた軍指令部は慌てたが、石原莞爾中将が直ぐ様、同高地守備を命じ、航空隊などにはこれを支援するよう命じた。
これは、なぜかと言うと今までの防衛戦で日本軍が粘り強いのは世界中が知っている。
しかし、守りに強くても攻めは弱いのではないだろうかと考える人間もいた。
この為、そうではないと見せる必要があり、石原自身が限定ながらも攻勢を計画していた。
そんな石原にとって独断専行とは言えこの宮崎連隊の977高地の奪取は攻勢でも日本軍は強いと証明した。その為、日本軍の意地に掛けて守る必要があった。



これに対し、この報告を聞いたジューコフ司令は直ぐ様、奪回命令を出した。
実はこの1ヶ月、大攻勢準備の為、戦闘を控えていた。
ジューコフは日本軍が守勢に撤している為、攻めてはこないだろうと思っていたから、その隙を突かれた形になった。
しかも、海外の新聞は日本の奮戦が紹介されていたから、日本にこれ以上国際状況上有利になることは避けたかった。
その為の奪回命令ではあったが、この国際状況がジューコフから冷静沈着な判断力を奪ってしまったのかもしれない。
後に両軍に停戦命令がでる16日まで続いた977(オボ)高地消耗戦になることをこの時、ジューコフは知らなかった。






次号へ
作者「明けましておめでとうございます。」福本「皆さん、良い年末を過ごせましたか?」マリーダ「次号はオボ高地の消耗戦です。」愛宕「お楽しみに。」山城「ご意見ご感想を待っているぞ。」


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