ノモンハン事件 3 〜戦車戦〜
7月7日 ハルハ川東岸 満州将軍廟から約10キロの日本軍陣地
その日、日本兵全員にとって目覚めの悪い日になった。
ほぼ毎日行われるソ連軍の制圧砲撃は勿論、この日、偵察に出た97式司令部偵察機が進撃中のソ連軍部隊を発見したからだ。
「大丈夫でしょうか?、山田少尉。」
山田少尉
「お前なぁ…、自分の乗ってる戦車くらい信用しろよ。」
「そうですよ、田宮上等兵。しかも、あなたが操縦手なんですから、自信を持たないと。」
田宮上等兵
「そりゃ、そうですけど…。この戦車は初陣ですよ?乃木曹長。」
「大丈夫だって。しかもこの98式軽戦車は、97式中戦車よりも15mmも装甲が厚いだぜ。」
田宮上等兵
「……陽気ですね。川本伍長。」
山田少尉の乗る98式軽戦車はハルハ川東岸の安岡正臣中将指揮下の戦車第四連隊に所属している。
戦車第四連隊は軽戦車3個中隊、中戦車1個中隊の編成である。
陸軍参謀総長の永田鉄山と石原莞爾はソ連との緊張度の高い満州の戦車連隊の軽戦車中隊の95式軽戦車から98式軽戦車に装備変換を行った。
なお、山田少尉は軽戦車第二中隊第二小隊長である。
あれほど地面を揺らしていたソ連軍の制圧砲撃が不意に終わった。
しかし、ソ連軍の攻撃はこれからである。
山田少尉
「やっと終わったか…。」川本伍長
「小隊長、連隊本部からです。『全車、応戦せよ。』以上です。」
乃木曹長
「また、簡単に言ってくれますね。」
山田少尉
「まあ、新型だからな、仕方ないだろう。田宮上等兵。待避壕から出してくれ。」
田宮上等兵
「了解。」
ちなみに、98式軽戦車は4人乗り。
山田少尉は戦車長、乃木曹長は砲手、川本伍長は前方銃手兼無線手、田宮上等兵は操縦手だ。
そして、待避壕から出た瞬間…。
山田少尉
「来たな。」
数分後
乱戦になっていた……
山田少尉
「目標、10時の方向、距離1000、BT10装甲車、撃て!」
ドウーン!
ボカーン!
山田少尉
「仕留めた!、次弾急げ。」
乃木曹長
「了解。田宮上等兵、そのまま走れ!」
田宮上等兵
「はい!」
日本軍の戦車射撃は、行進射撃と言い、行進しながら射撃する。
普通は一時停車して射撃するのだが、日本軍は砲手の微調整で行進射を可能にしたのである!
山田少尉
「む!、次はあれだ!。12時の方向、距離600、BT5…」
ガキーン!
乃木曹長
「!!」
山田少尉
「ち、川本伍長!、田宮上等兵!、大丈夫か?」
「「大丈夫です。」」
山田少尉
「乃木曹長!、方向、距離同じ、目標BT5戦車、撃て!」
ズダーン!
ボカーーン!
山田少尉車を撃ったBT5戦車は砲塔を吹き飛ばし、炎上した。
ハッチを開け、炎上するBT5戦車を見ていた。
ふと、右を見ると、距離500m位のところにBT5戦車がいた。
しかも、砲塔が旋回していた!
山田少尉
「!!、乃木曹長、9時の方向、距離500、急げ!」
乃木曹長
「少尉、次弾まだです!」山田少尉
「なに!」
見るとBT5の砲塔はこっちを向いていた。
この瞬間、山田少尉は死を覚悟した。
しかし
ズボーン!
爆発、炎上したのはBT5の方だった。
山田少尉は突然の事で混乱していたが…、
「おーい!、無事か?」
声のした方向を見ると、89式中戦車のハッチから戦車長が身を出して聴いてきた。
大丈夫と少尉が答えると、89式中戦車の戦車長は前を見ろと、合図する。
前を見ると、ソ連軍が回れ右して退却するところだった。
山田少尉車はこの日、3両の装甲車と、1両の戦車の撃破した。
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作者「次号は第一次ノモンハン事件の経過と、第二次ノモンハン事件の日本軍の動きを書きます。ご意見ご感想お待ちしています。」
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