天皇陛下の不満
11月29日 皇居
執務室
明子天皇
「はあ……」
今上天皇である白鶴宮明子天皇は執務室で溜め息を吐いていた。
いくら天皇とはいえ人間である、溜め息を吐く事の1つや2つはあっても不思議では無い。
明子天皇
「はあ……」
また溜め息を吐い。
溜め息を吐きながら、彼女は執務机にある唯一の私物の写真立てを見た。
そこには、4人の男女が写っている。
福本、マリーダ、沖田、明子天皇の4人組が写った写真。
写真は5年程前に沖田が一度帝都の自宅に戻った時、福本が撮ろうと言って撮った物だ。
明子天皇
「いいな〜、福本とマリーダは……何時も一緒にいられて……それに比べてこっちは日本とヨーロッパ…遠距離恋愛なんて生ぬるい! 超弩級遠距離恋愛よ!!」
……どうやら、恋の悩みらしい。
明子天皇
「…らしい、じゃなくて、そうなの!!」
いや、そう叫ばなくても……
明子天皇
「誰のせいだと思ってるの! 誰の!?」
確かに自分ですけど……
明子天皇
「だいたい! この小説は近距離恋愛多くて、遠距離恋愛は私1人じゃないの!!」
いや、それは物語の仕様ですから…
明子天皇
「仕様!? なら、なんとかしなさい!!」
いや、ですから設定上の都合で無理で……て、どこから零式拳銃(陸軍では百式)を!!?
明子天皇
「護身用よ、文句ある?」
いや、いらないでしょう!その前に扱えるの!?
明子天皇
「福本とマリーダに教えてもらったからちゃんと扱えるわよ。だいたい、扱えないと持ってる意味無いでしょう?」
…そうですね…で、それは何で出したんですか?
明子天皇
「命令です。今すぐ沖田光輝大将を日本に戻しなさい!」
無理です!
それに、それは職権乱用です!!
明子天皇
「ふ〜ん、そうなの、あくまで無理で押し通すつもりね」
コンコン
士官
「陛下、失礼……いたしました。あとで参ります」
パタン
おいおい!(・・;)
明子天皇
「さあ、やれ♪(^.^)」
だから、無理でーす!!
明子
「そう、残念」
パン!パン!パン!パン!パン!パン!
山本軍令部総長
「…だから陛下はご機嫌が悪かったのですな」
明子天皇
「そうだ」
やはり、機嫌が直った様子は無く、ムスーとした顔を明子天皇はしていた。
そんな時に来訪したのが山本五十六軍令部総長であり、先程の士官はそれを伝えに来たのだ。
明子天皇
「そりゃあね、駄々こねたって無理な事は無理よ、確かに……でもね、福本にしろ、椎名中佐にしろ、直ぐ側にいるのよ? 羨ましいわ〜〜」
山本軍令部総長
「まあ、福本元帥は置いとくとしまして、椎名中佐は色々事情が複雑ですから…」
本当に、側に居るのはいいのですが、居すぎますから大変です。
山本軍令部総長
「しかし…良かったな、作者。空砲だから被害はなかったが、実弾なら確実あの世行きだったぞ」
本当に……危なかった。
明子天皇
「私だって、皇居にいる時は基本的に装弾はしてないわ」
……あの目は本気だった。
明子天皇
「はぁ…いっそのこと、マリーダみたいにコスプレして、その写真を一緒に送ろうかしら?」
いや、それは翡翠やその仲間達を誘う様なものですから止めて下さい!!(・・;)
山本軍令部総長
「それはそれで、また大胆な誘い方ですな」
…そこは止めましょうよ、山本長官!
山本軍令部総長
「そういえば陛下。沖田大将よりあなたに送った手紙が私の所に来ていましたよ」
明子天皇
「!!本当!?」
山本軍令部総長
「はい。報告書に混じって送られてきたので気付くのに時間が掛かりましたが……多分、直接皇居に送るのが気恥ずかしかったのでしょう」
明子天皇
「ようやく返事が来たわね…福本元帥に渡しておいてよかったわ…手紙は?」
山本軍令部総長
「はい、こちらです」
そう言って懐から便箋を出して渡した。
その後、世間話をした後、山本軍令部総長は軍令部に帰って行った。
また、侍従達の話によると、その後はとても機嫌が良かったそうだ。
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