ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
空襲作戦 1
11月10日 バルト海フィンランド沿岸

空母紅龍艦橋


紅龍
「久し振りの出番です」

沖田
「あはは…そうだね」

……妙な始まりだな。

紅龍
「それは作者さんの責任です。司令の私より海龍さんを多く出すからでしょう?」

……仰る通りです。

沖田
「まあまあ…さて、待ちに待ったヴィル航空参謀が提案した作戦が意外な事になったな」

紅龍
「歴史研究者がどう論議するでしょうね?」

沖田
「多分、余りの出来過ぎた話ですから、最初から計画された事と言われるかも知れませんね。最も機密文章や福本長官が自伝を出せばひっくり返るでしょうけど」

紅龍
「なら、沖田司令が陛下に今まで返事を書かなかったのはウブだったからで、初めて返事を書くときに私に相談した事も論議になりますでしょうかね?」

沖田
「あっと…それを言われると…弱ったな…」

苦笑しながら沖田は言った。

紅龍
「それで、航空参謀はどちらに?」

沖田
「下でブリーフィングをしているよ」



搭乗員待機室

ヴィル
「…と、言う事で意外な形に成ってしまったが、近日中に大攻勢に出るソ連軍の出鼻を挫く為、クロシュタット軍港及びレニングラード空襲作戦内容については以上だ……質問は?」

全員
「……………………」

ヴィル
「よし…では、これより攻撃を開始する! 総員掛かれ!」

搭乗員全員が一斉に立ち上がり敬礼するとドヤドヤしながら出て行った。

ヴィル
「…ふう…やっぱり、偉そうにするのは慣れないや」
アリソン
「あら、今までの中で一番貫禄があったわ」

ヴィル
「それはどうも…行かなくていいの?」

アリソン
「もちろん、今からよ。じゃあ、あとでね」

ヴィル
「あぁ…あとでね」

20分後…第七艦隊の各空母より第一次攻撃隊が発艦した。



ロシア帝国やソ連が南進したのは不凍港を求めたからである。
冬に海が氷により塞がれ港が使用出来なくなるのがソ連領内の港である。
この冬季間は、最低限の乗組員を残し、後の乗組員は陸上に上がるのが普通だ。そして、今年もそうだった。
まだ完全に移動が終わってはいなかったが、それでもほとんどの乗組員が陸上の兵舎に移っていた。
しかし……今年はこれがいけなかった。
なぜなら、そんな彼らの上空を日本軍攻撃隊を通り過ぎたからだ。



大宮
「よし! 奇襲成功だ! 雷撃隊続け!!」

無線に叫ぶと一気に流星を降下させる。
クロシュタット軍港にはバルト艦隊所属の戦艦ガングート、マラート、巡洋艦キローフ、嚮導駆逐艦(駆逐艦隊を指揮する旗艦用大型駆逐艦)2隻、駆逐艦17隻潜水艦60隻以上が停泊している。
しかも、冬季に備えて乗組員のほとんどが兵舎にいた。
大宮率いる艦攻(雷撃)隊は戦艦のガングートを狙う。流星にはこの日の為に調達・調整した91式航空魚雷改二…浅深度魚雷が腹にあった。

大宮
「よ〜そろ…よ〜そろ…よーし…良いぞ…」

自ら握る操縦桿を微妙に動かしつつ、魚雷投下のタイミングを計る。
艦船側からの対空砲火は少なく、散発で統制がとれていない。
また、陸上の対空火器は戦闘機、彗星艦爆が徐々に制圧させていく。

大宮
「よーし……よーい、てぇ!!」

カチン

ザバン!

シャーー……

ドゴーン!

搭乗員
「やりました! 命中! 命中です!」

搭乗員の声に振り返ると、命中を示す水柱が上がっている。
また、僚機も次々投下・命中させていく。
大宮は10本目の命中を確認すると命中数を数えるのを止めた。

大宮
「停泊艦隊の攻撃だが…まあ、久し振りの対艦攻撃だからな…それにいくら戦艦でも10本も命中すればお陀仏だな」

一通り見回すと、マラート、キローフなどの艦艇にも確り魚雷を当てている。
また、港湾施設や対空火器、地上の装甲砲台や砲台の攻撃もあらかた成功している。

大宮
「よーし、クロシュタット軍港攻撃は成功だな。後は第二次隊に任せて帰還する」

搭乗員
「了解!」



レニングラード付近のソ連軍飛行場上空


アリソン
「直衛隊が上がってるわね……いいわ、相手してあげる! 私とクリス少尉の隊は直衛隊を襲撃する! 後は飛行場を襲撃せよ! 掛かれ!!」

グイーン……

2手に別れ、それぞれの目標に向かう。
しかし、ソ連軍戦闘機隊は向かってくるアリソン・クリス隊ではなく、降下する襲撃隊の方へと向かい降下した。
多分、直衛隊の存在に気付かずに襲撃隊が降下したと考えたのであろう、奇襲を掛けるべく向かった。
しかし、降下中にアリソン・クリス隊から逆に奇襲を掛けられ、直衛隊は鴨と化してしまった。



降下する内に、段々と飛行場の状況が解ってきた。
飛行場には大攻勢を掛けるべく集めた戦闘機・爆撃機が所狭しと並んでいた。

クレア
「全機、獲物には困らないわ! 全部燃やすわよ! 掛かれ!」

上空の敵機に慌て発進しようとするソ連軍戦闘機。
しかし、飛び上がったばかりの戦闘機、滑走中の戦闘機はただの獲物でしか無い。

パシューン!パシューン!

ドカーン!ドカーン!

ズダダダダダダ!
ドドドドドドド!

ゴワーン!

飛行場もあっという間に被害がうなぎ登りしていた。しかも、これで終わりではなく、第二次攻撃隊が接近していた。



次号へ
ご意見ご感想をお待ちしております。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。