事情とこれから
アブリアル・セルゲイ・ラフィール元ソ連海軍少尉(17)と、アントン・スユーヌ・ジント元ソ連海軍少尉(17)の話を聞いた福本とマリーダは、明日、日本に連れて帰ることを伝え2人を部屋に帰した。
そして今、福本はボーと窓から満州里の街を見ていた。
コンコン
福本
「どうぞー。」
ガチャ
マリーダ
「山本次官に連絡しといたわよ。」
福本
「ありがとう。」マリーダ
「けど、次官は最初は疑ってたみたいだけど……」
福本
「そりゃ、そうさ。僕だって最初、亡命者の事を聞いた時、疑ったよ。」
マリーダ
「なんで!?」
福本
「ついこの間まで、張鼓峰で軍事衝突をやっていたんだ、神経質にもなるし、味をしめたスターリンが仕組んだ罠かもしれない。と考えてしまう。」
マリーダ
「あ、そっか。」
福本
「けど、2人の話しを聞いたら、そんな風には聞こえなかった。だから今は疑ってない。」そう言いながら2人の話の内容を思い出していた。
ラフィールとジントの2人 が話してくれたのはこんなことだ。
2人共、元は欧州のクロシュタット軍港に着任してそこで出会ったこと。ラフィールの父親は、元は貴族で、ロシア革命でその地位をうしなったが、真面目に働いていたこと。しかし、数年前にスターリンが推し進めた農業集団化が失敗した時に反革命派と烙印を押されて、殺されたこと。この時、農業集団化を反対していた地主のジントの父親も同じように殺されたこと。2人共苦労して海軍に入ったこと。赤軍大粛清で海軍提督が全員殺されたこと。ラフィールの母親が最近亡くなったこと。幼い頃、母親が亡くなったジントも一緒に泣いてくれたこと。そして、亡命を決意したことだった。
福本
「あの2人、見込みあると思うんだけど。どう、マリーダ?」
マリーダ
「う〜ん、相性はいいとは思うけど…。まだわかんない。」
福本
「そっか。まあ目利きの方は山本次官にもやって貰おうかな。」
マリーダ
「ハイハイ。私、疲れたから寝るわ。」
福本
「おやすみ。」
マリーダ
「おやすみ。」
8月15日 帝都 海軍省
山本次官室
福本はラフィールとジントを山本次官に紹介した。
その後……
福本
「どうですか次官?」
山本五十六
「素質の方は未知数だが、いいコンビかもしれないな。」
福本
「そうですか。良かった♪」
山本五十六
「どこかの誰かさんを見ているみたいでな。(^.^)」
福本
「……何かの当て付けですか?」
山本五十六
「いいや。ところであの2人はこれからどうするとか言っていたか?」
福本
「特には何も。ですから、こう持ちかけてみたんです。」
山本五十六
「ほう、なんと?」
福本
「日本海軍士官に成らないか、と。」
山本五十六
「で、返事は?」福本
「2人共それでいいと言ってました。ですから、神戸海軍士官学校に入れようかと思っています。」
山本五十六
「そうか。なら、余計にどこかの誰かさんと似ているな。」
福本
「ですから、何の当て付けですか?」
こう言いながらも、2人共顔は笑っていた。
次号へ
マリーダ「事情の方は、ずいぶん簡単にまとめたのね。」作者「はい。普通に書くと二千字以上になりそうなので……」マリーダ「ふーん。」福本「ところで次号は?」作者「はい。次号は新兵器のお披露目です。なにが出てくるはお楽しみに。」マリーダ「それでは読者の皆さん、ご意見ご感想お待ちしています。」
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