新米士官
「満ソ戦、第三弾!!」
福本
「いよいよ出ます、勇将3人」
マリーダ
「舞台はチチハル…大変な事になりそうですね」
福本
「では、どうぞ」
チチハルの攻防 前編
5月11日 チチハル
日本軍司令部
士官
「敬礼!!」
ピシッ!
作戦会議室に入って来た恰幅の良い人物…栗林忠道中将の入室に士官達が敬礼する。
栗林中将
「敵情はどうだ?」
士官
「は!偵察機の報告によりますとソ連軍は戦車・歩兵を率いてチチハル近郊に接近しつつあります」
栗林中将
「ふむ…部隊展開は完了しているな?」
士官
「は!西竹一大佐率いる戦車26連隊、池田末男大佐の戦車11連隊、山崎保代大佐、中川州男大佐の歩兵連隊などが展開・準備を整えております!」
栗林中将
「よし…前線司令部に移る。あとを頼む」
士官
「はい」
チチハル近郊
池田大佐
「…くるぞ。伏せろ!」
ヒューーーン………
ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!………
中川大佐
「噂通りの大火力だ…露助は力押しだな」
山崎大佐
「シベリア出兵ではゲリラ戦…そして今度は力押し」
西大佐
「アメリカ人ならもう少し手の込んだ事やるな」
第二線の塹壕で共に籠る4人。
西竹一大佐は栗林中将とのコンビで硫黄島の奮戦で有名である。
池田末男大佐は、史実で日本軍戦車隊最後の戦闘と言われた占守島…千島列島の最果ての島…で終戦の混乱に乗じたソ連軍を迎え撃ち壮絶な戦死を遂げた戦車士官である。
山崎保代大佐は史実の日本最初の玉砕と認定されたアッツ島指揮官だが、圧倒的なアメリカ軍に対し2週間抵抗、玉砕後昭和天皇が嘉賞電を打っている。
中川州男大佐はアメリカ軍が2・3日で攻略出来ると豪語したペリリュー島(現パラオ)を約2ヶ月守りきり、精強を誇る海兵隊一個師団を戦闘不能に陥らせ、陥落・戦死するまで昭和天皇より10回も嘉賞を受けた(過去例無し)指揮官である。
4人共、史実の大東亜戦争で活躍した面々ばかりである。
中川大佐
「まあ、長くは続かないだろうがな」
確かに続かなかった。
ソ連軍砲兵部隊は第一線の塹壕を集中的に砲撃していたが……元々、囮用に作った塹壕なので誰もいない。そこに砲撃する砲兵部隊は位置を暴露している。
そこに、戦闘機隊に護衛された3式飛龍、100式呑龍、99式軽爆、3式対地襲撃機『征龍』、2式複戦屠龍が襲い掛かる。
飛龍、呑龍、99式軽爆は通常爆弾と3式爆弾を砲兵部隊に叩き込む。
また、征龍…彗星35型の陸軍仕様…と屠龍3型乙…対地襲撃機型…がソ連軍戦車や歩兵に襲い掛かる。
襲われる方にしてみれば災厄である。
征龍が30mm機関砲を乱射しながら降下し、ロケット弾や爆弾をばら蒔く。
屠龍は機種に装着した一式47mm機動速射砲を航空用に改造した3式47mm航空砲…または機関砲…をT34やKV-1戦車の上部装甲に命中させる。
ドン!
ゴワーン!
重戦車のKV-1が47mm弾を受けて爆発・炎上・残骸になる。
西大佐
「やはり、制空権の無い陸上部隊は航空攻撃の前には無力ですね」
山崎大佐
「ソ連兵で無くて良かったとほとほと思うよ」
それはそうだ。
ソ連軍なら、下手に活躍すれば消されるし、政治将校はいるし、督戦隊により後ろから撃たれる可能はあるし……平等な国だとかなんとかと程遠い国である。
空爆を終えた攻撃隊が引き上げる。
しかし、ソ連軍も一度の空爆で引き上げる筈が無い。時間は掛かっているが再編成を行い、再び攻めて来る気だ。
池田大佐
「総員、戦闘用意!戦車搭乗員は搭乗車両に搭乗!」
第11、26戦車連隊の兵員達が急いで擬装し、ダックインしている自分の愛車に乗り込む。
チチハルを巡る戦いは始まったばかりだ。
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