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迫る危機 前編
ハワイの夕暮れは陽気だ。『アロハオエ』の音楽が流れる中、日本艦隊の乗組員達は酒場に繰り出し陽気に騒ぐ。
最近は収容所から許可を貰い、親しくなったアメリカ兵と飲んでいる将兵もいる位だ。
そんな中、福本達は元太平洋艦隊司令部でラジオ放送を聴きながら会議中だった。

福本
「『アロハオエ』か…陽気ながら、悲しい歌だな…」

福田
「?なんでですか?」

山本長官
「知らんのか?『アロハオエ』はハワイ王国の女王、リディア・リリウオカラーニが作曲した歌で、ハワイがアメリカに併合された時、悲しみの中で作った歌だ」

沖田
「その時、巡洋艦『浪速』が寄港していたのも有名な話ですよね。当時の艦長は東郷元帥でしたし」

マリーダ
「……知らなかった」

福本
「さて、お喋りもここまで。本題に戻ろう」

福田
「あ、はい」

マリーダ
「第七艦隊の出撃は11月15日。スカパフローには12月初旬に到着します」

楠木
「なら、イギリスで年を越しますね」

福本
「あぁ…多分、一年程ヨーロッパで戦う事になるだろうな」

遠地
「一年か…スターリンがさっさと死んでくれたら、助かるんだが…」

新沢
「また革命でも起きてくれれば楽なんですがね」

福本
「そう言った事は諜報部の仕事だ…まあ、噂じゃあある程度準備しているそうだが」

新沢
「へえ…」

篠森
「連合艦隊は?」

山本長官
「うむ、講和がなり次第、連合艦隊は日本へ帰還。対ソ戦に備える。今村さんに聞いたら、陸軍の準備は大分整っている様だ」

福本
「そうですか…あとはアメリカが講和してくれたら万々歳なんですがね…」



福本達が協議している頃、外では密かに異常が起きていた。
オワフ島のアメリカ軍が投降している為、日本軍の警戒は緩んでいた。
まあ、これは仕方がない。だが、密かに準備を終えていた特殊部隊が司令部に迫っていた。
狙いはもちろん、山本長官と福本。
彼らはルーズベルト大統領の密命を受け、今までホノルル市民として潜伏していたのだ。
ちなみに、この事はニミッツ達も知らない。
ハワイにいるアメリカ軍将兵は誰一人として彼らの存在を知らなかった。



特殊部隊は人知れずに司令部の周りを固めていく。
部隊は2個分隊…20人。
装備は消音器付き拳銃、トンプソンマシンガン、銃剣、予備弾倉の軽装備。
しかし、人を殺すには充分だ。
近くに警備の兵はいない。どうやら、飲みにいったらしい。
すると、5人の兵士が司令部の中に入って行った。



コンコン

新沢
「?誰でしょうか?」

福本
「あ、僕が出るよ」

いきなりのノックに、新沢が出ようとすると、ドアの近くに居た福本が出る。

福本
「どちらさ…!」

バスッ!

ドンガラガッシャーン!

福田
「!先輩!?」

マリーダ
「!大介!!」

遠地
「な、なんだ!?」

福本が吹っ飛ばされたのを見て、全員の視線がドアに集まる。

隊長
「まさか、アドミラルフクモトが出てくるとは…手間が省けた」

入って来たのは、顔を迷彩柄に塗った男3人。

篠森
「敵の特殊部隊か」

山本長官
「狙いは私と福本だな」

隊長
「よくご存知で…では…」

山本長官
「待て。狙いは私だけの筈だ。彼らは関係無い」

隊長
「残念ながら…第七艦隊の人間は特に狙うよう言われているので…」

福田
「け、それがルーズベルトの答えか!」

遠地
「ち……」

ここには、4人の男(福本・山本長官を抜く)が居るが、向こうはトンプソンマシンガンを構えた兵士2人が居るから、下手に手を出せない。

隊長
「さて…恨むなら、アメリカに挑んだ自分を恨め」

そう言うと、拳銃を向ける。


ズダーン!ズダーン!ズダーン!



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絶体絶命のピンチ!
山本長官・第七艦隊の面々は大丈夫なのか?!
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