ポートモレズビー攻略戦 前編
6月12日 パプア湾ポートモレスビー付近
福田
「先輩!全艦艦砲戦準備完了!」
旗艦播磨の艦橋で、準備完了を待っていた福本達に完了の知らせがきた。
福本
「よし…全艦砲戦始め!」
遠地
「撃てー!」
ズガーン!ズガーン!ズガーン!
ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!ズガーン!
ズガーン!ズガーン!ズガーン!
戦艦10隻、重巡洋艦8隻、軽巡洋艦8隻、駆逐艦36隻の艦砲射撃+空母9隻の航空機……とゆう膨大な戦力である。
小島程度なら一瞬で吹き飛ぶ程だろう。
もちろん、これには理由がある。
ポートモレスビーはアメリカ軍により強化されていた。
もちろん、第七艦隊の海上封鎖により、多くの輸送船が鹵獲され、旧型駆逐艦を改造した高速輸送艦や駆逐艦に大きな被害が出た。
ちなみに、このポートモレスビー及びガダルカナル島で行われた緊急輸送を日本海軍では『ワシントン急行』『ネズミ輸送』と呼ばれた。
しかし、その封鎖前にかなりの物質が運び込まれたと思われ、これ程の戦力投入となった。
福本
「…よし、一時射撃止め!」
遠地
「撃ち方止め!」
福本
「フェルデナントに連絡!上陸開始せよ」
神谷
「了解」
士官
「司令!旗艦より連絡!上陸開始です!」
フェルデナント
「わかった。全揚陸艦上陸開始!」
士官
「は!」
待機していた揚陸艦は海岸に殺到する。
揚陸艦はランプを下ろし揚陸作業を始めた。
その時、無事だった陣地から一斉に発砲し始めた。
と言っても、ほとんど無事では無いから僅かな数しかなかったが…。
だが……揚陸艦から出て来たのは歩兵では無く、戦車だった。
マチルダ
「総員!ポートモレスビーに突撃!皆…死なないでよ!」
車魂全員
「「「「「了解!」」」」」
大沢
「少尉。野口一家は勢揃いですね」
大島少尉
「あぁ。今回は敵の前線本拠地を襲うからな…対空戦車、自走砲、最新型の指揮戦車や自走噴進砲も投入するそうだ」
大沢
「へぇ…あ、突撃命令です!」
大島少尉
「よし!全車前進!」
ランプが下りたと同時に生き残っていた陣地から銃砲弾が飛んでくる。
大島少尉
「全車発砲!射撃をしつつ突撃!」
必死に発砲する米軍だが、ほとんどが機関銃で、対戦車砲などの重火器はほとんど破壊されている。
しかも、対戦車砲は37mm級しかない。
それでも奮戦するが……
指揮官
「う、撃てー!」
ドン!
ガーン!
兵士
「き、効いてねー!」
当たり前だ。
マチルダ戦車にしろ、四式中戦車にしろ、五式重戦車にしろ、前面装甲は70mmを超えるものばかりだ。
いくら何でも37mm砲では到底装甲は貫通出来ない。
六式重戦車に至っては問題外である。
指揮官
「じ、次弾装て…」
ドワーン!
そして、位置がバレた陣地は戦車砲の餌食になる。
これを免れても、駆逐艦の支援射撃か、後続の歩兵に制圧された。
ポートモレズビーには、40輌のM4戦車が配備されていた。
M4は艦砲射撃の前に穴を掘ってダックインしていたが偽装の甘さが祟り、零式水上観測機の管制を受けた戦艦群の艦砲射撃で半分が破壊された。
戦車長
「く、前進!」
ダックインしていた穴から出たM4戦車隊ではあるが、向かって来る相手はM4戦車より強力な物ばかりだ。
戦車長
「撃て!」
大島少尉
「撃ってきたな!大沢、左だ!砲手、撃て!」
大沢
「はい!」
砲手
「了解!」
ドン!
マチルダ戦車が左に曲がった瞬間、主砲が火を吹く!
ゴワーン!
マチルダ
「あら、アメリカの戦車はブリキですのね」
全員
「「「「いや、君が強力過ぎなだけだから」」」」
突っ込まれたマチルダであった。
各個撃破されるM4戦車を見た司令官は砲兵隊に援護射撃を行うよう命じた。
しかし、肝心の砲が艦砲射撃で被害を出していた。
それでも、援護しようと準備していたが……
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!……
砲兵隊指揮官
「なんだ?」
ヒューウ……
砲兵隊員
「…敵の支援射撃だ!」
砲兵隊指揮官
「た、退避!」
ドガーン!ドガーン!グワーン!ドガーン!グワーン!ドガーン!ドガーン!グワーン!グワーン!
砲兵隊指揮官
「くそ!艦隊からの支援射撃か!」
砲兵隊員
「違います!艦隊は撃っていません!」
砲兵隊指揮官
「なに!じゃあ、奴らは短時間で重砲まで揚陸したのか!?」
美夏・里奈
「「撃て!」」
ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!
海岸に自走砲を揚陸・展開した一式半装軌自走砲と二式砲戦車が射撃を続ける。その後ろで、砲兵指揮官達が一台の戦車に集まる。
今回初登場の一式情報管制指揮戦車である。
無線能力が強力な為、観測射撃に頼る砲兵隊にとっては頼もしい存在である。
「姉さん、観測情報」
美夏
「あ、ありがとう」
里奈
「あはは、優衣ちゃん、実戦だと人が変わるね」
美夏
「…里奈姉さんも少しはみらなってほしいわ」
里奈
「ん?」
美夏
「何でもない」
優衣は一式情報管制指揮戦車の車魂である。
もちろん、野口博士設計・開発である。
海岸の仮設司令部
福本
「そうか…抵抗は弱いか」
フェルデナント
「はい。攻略に時間はかからないかと」
福本
「……………」
無言のままポートモレズビーを見る。
砲撃か、あるいは空爆による火災で上がった黒煙をじっと見つめる。
福本
「……なあ…フェルデナント」
フェルデナント
「なんでしょうか?」
福本
「俺達は……いつまでこんな無駄事をしなければならないんだろうな?」
フェルデナント
「……………」
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