挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
結界師への転生 作者:片岡直太郎

第一章 ジュカ王国編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

6/262

第六話  7歳になりました

7歳になった。中身は34歳のままなのだが。

バーサーム家に奴隷として購入されて一年。俺は結界師となるべく、日々修行に明け暮れている。

大体、結界師というのはレアジョブである。なかなか持ち手がいないのだが、何故か人気は低い。理由は、防御専門職だから。戦場で先陣を切って突っ込むわけでもなく、高い統率力が必要なわけでもない。言わば、とても地味な職業であると言える。

結界師は基本的に、王様や当主の傍にいて弓矢の物理的攻撃や魔法などの攻撃から守るための魔法結界を張るのが任務なのだ。従って、動けない。極端な話、トイレにも行けない。ただひたすら、解除の命令があるまで結界を張り続けるという精神的にとても疲れる仕事なのだ。

結界を張ると当然、MPを消費する。MPが枯渇すれば結界は消える。超一流といわれる、国王専属の結界師でも、12時間が限界なのだという。従って、結界を張るタイミングと解くタイミングを見極めるのが難しく、運用を間違えれば主従そろって討ち死にというのも珍しくない。

で、現在の俺はどんな修行をしているのかというと

「ファイヤーボール!」「バースト!」

ファルコさんの魔法の攻撃に対して、ひたすら防御結界を張って耐えしのぐ、というものだ。

最初は結界の張り方どころか、魔力の扱い方自体もわからず、かなり苦しんだ。さすがにそこで終わってしまっては500Gが無駄になる。無駄、と言っても、500Gとは日本円にすると50,000円である。バーサーム家にとっては、痛くもかゆくもない金額であるのだが。

ファルコさん、いや、師匠の教え方は雑なようでツボはしっかりと押さえていた。教えるのがとても上手だったのだ。

「体の中に流れる血を意識しろ。その中に熱を感じるだろう。それが魔力だ。その熱を体の外に出すイメージをしてみろ。イメージが大切なんだ」

こうして魔力を体の外に出す稽古を続けること2か月、ようやく俺は「低結界」をマスターすることが出来た。

「2か月で「低結界」を修得するとはスジがいいな。子供だけあって、修得が早いのだろうな」

ウキウキの師匠であった。しかし、その喜びが仇となった。テンションMAXで攻撃を繰り出してくる師匠の魔法。「低結界」ではあっという間に砕かれて魔法の餌食となる。師匠は「火魔法」が得意とあって、最初の頃は全身火だるまになることもよくあった。いや、ほぼ毎日であったと言っていいだろう。ちなみに、師匠のスキルはこんな感じだ。

ファルコ(魔導士・52歳)
HP:184
MP:395
火魔法  Lv4
水魔法  LV3
風魔法  LV3
土魔法  LV2
雷魔法  LV1
治癒魔法 LV3
鑑定魔法 LV2
生活魔法 LV2
肉体強化 LV3
詠唱   LV3
MP回復  LV3
威圧   LV3

一般的にLV3に到達すれば一流である。LV4に至っては超一流。LV5に至っては神級と呼ばれ、修得している人はLV4に至る人の中でも1%程度である。つまり、一億人に一人くらいの割合でしか、そのレベルには到達できないとされている。師匠のスキルは火魔法が高いのだが、その他の魔法のレベルも高い。MPも多く、回復も早いので、日中全力で稼働しても、一晩寝ればMPは完全に回復する。

従って師匠は暇なときは嬉々として俺に魔法をぶつけてくる。さすがにLV2程度の魔法だが、たまにLV3の魔法をぶつけてくる。ケガをすれば治癒魔法で治してくれるが、最近はそれもしてくれなくなった。自分の傷は自分で治せ、というわけだ。しかも、結界を張りながら治癒魔法をかけろ、などとすばらしい無茶を言ってくれる。それができると、「移動ホスピタル」となるわけで、戦略的にとてもプラスになるのだと言う。その理屈は俺にもわかるのだが、如何せん俺のMPは少ない。必死で防御しても結局は魔力切れで吹っ飛ばされてジ・エンドというのが最近までのパターンである。

ちなみに、魔力切れを起こすと、とてつもない睡魔に襲われる。結局は睡魔に負けて気絶し、魔力が1P回復したところ(約5分)で無理やり起こされる、というのを繰り返していたのだ。

現在の俺のステータスは、こんな感じだ。

リノス(奴隷結界師・7歳)
HP:38
MP:122
結界魔法 LV2
回復魔法 LV1
生活魔法 LV1
詠唱   LV1
鑑定魔法 LV3

同じ7歳の子供と比べれば破格のステータスである。一般的に、HPにしろMPにしろ、100を超えれば一人前の世界なのである。MPが少ないのは、師匠と比べたらということだ。大人顔負けのMP値はあるが、毎日MPが0になるのだ。どれほどハードな修行であるか、想像ができるだろうか。

何故か、鑑定魔法のレベルがすごく上がっていた。師匠の魔法がいつ発動されるのかを必死で探っていたら、魔力の流れが何となくわかるようになったのだ。今ではほとんどの人間のステータスがわかるようになっていて、嬉しい誤算である。

鑑定魔法は極めると、その人のステータスを把握できることはもちろん、自分スキルも隠すことが出来るそうである。それだけでなく、一定のエリアにいる人間の人数、動き、果ては敵か味方かまでわかるようになるらしい。

このスキルは、バーサーム家を設立した初代当主が持っていたそうで、現在では伝説の魔法と言われている。是非是非、マスターしたいものだ。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ