番外編 小説家になろうの裏を知ろう8
☆データ情報☆
※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。
※作品情報->なろう小説API
※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測です。そのため実際の値から多少ずれがあります。ご承知おきください。
「こんにちは! 小説家になろうを知ろう番外編8回目。はーじーまーるーよー」
「いつもテンション高いな」
「いつでもどこでも元気いっぱいをモットーに生きておりますゆえ。さて、今回の番外編はいつもと違って本編のテーマではなく、今までテーマの補足や本編から削ったグラフを見ていきましょう」
「そんなグラフあったんだ」
「この小説は全部完成してから投稿しているわけではなくて、その場である程度考えて作りながら投稿しているのです。プロットや構成はありますが、載せるグラフはその場で考えたりしています。また感想欄で書かれたことなんかを本編に反映させたりもしているのです。誤字報告を挟んだりしたのもそうですし」
「へー」
「その時の気分でグラフは作っています! どや」
「誇ることでもない気がするが……」
「それでですね、『グラフを作ったはいいけど一話が長くなり過ぎたから削ろう』、とか、『あっ、このグラフやめてこのネタ使おう』とか、『あれ? このグラフもしかして載せ忘れた?』とかあるわけですよ」
「おい、最後」
「なのでこの際ですから、この番外編でグラフ供養しようかと」
「グラフの供養とか初めて聞いた」
「せっかく作ってもったいないので、ここで一気に放出します。まぁそのために番外編を用意しているのです。なんでもありなように」
「確かに何でもありになってるな」
「ということで始めます。まずはタイトルの文字数からみていきましょう。本当は文字数の項目で出そうかなって思っていたのですが。忘れてました!」
「おいおい……タイトルか、確か長くなっているんだっけか」
「それも含めて調べてみましたよ。まずはタイトルの文字数分布です。どれくらいの長さが多いのか調べてみました。ちなみにサブタイトルも含めての文字数です。」
「へー、半分は10文字以下なんだな。80%が15文字以下か。どこからが長文なんだ?」
「人によってもその感覚は異なるのですが、おおむね20文字以上ですかね。それぞれの長さごとに有名なタイトルを抜き出してみました。
・4文字
賢者の孫
・10文字
蜘蛛ですが、なにか?
・15文字
とんでもスキルで異世界放浪メシ
・19文字
謙虚、堅実をモットーに生きております!
・24文字
ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた
・30文字
本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~
・45文字
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました
・50文字
ラスボスの向こう側~最強の裏ボス=邪神に転生したけど、1000年誰も来ないから学園に通うことにした~
・63文字
追放された勇者、最弱冒険者パーティでリーダーやってる件 ~ 【一緒にいるだけで仲間を強くする】能力で元・奴隷少女たちを最強にする
・100文字
帝都の禁書庫で働いていた俺、上司に禁書庫全焼の罪を擦り付けられ国外追放、弱小国家に亡命して魔法使いになったけど禁書の内容は全部覚えてるし魔力もめっちゃあるんで俺TUEEE&ざまぁします(のプロローグ)
『小説家になろうを知ろう』これで11文字ですね。サブタイトル含めると30文字くらいです。サブタイトル含めると、このタイトルも長文ですね」
「確かにそこそこ長いよな」
「さて全体がわかったので次にタイトル文字数と総合ポイントの割合を見ていきました」
「これは! タイトルが短いより長い方が低ポイントが少ないぞ」
「そうなんです! どうやら長文タイトルがポイントを得やすいと言うのは本当のようですね。サブタイトルを含めて30文字以上が良さそうです。ただ30文字を越えた後はそこまで変わらないようです」
「30文字か……ん? あれこの小説のタイトルの文字数って」
「ん? 何のことでしょう? これくらいの長さだとその小説がどのようなものかが分かって読まれやすいのかも知れませんね」
「確かに長文だと読みたいかどうかがあらすじ見なくても判断つくな」
「そして、タイトルが長文化しているとのことですが、投稿年度ごとにタイトルの文字数割合を集計してみました」
「おー、マジで長文になっているんだ。少ない文字数が減って行っているな。30文字以上の文字数もかなり増えてるな。けっこうはっきりと分かるんだ」
「いやー、びっくりですね。5文字や10文字が減ってそれ以上の割合が増えてきています。昔は80%が10文字以下だったんですが、今だと80%以下が20文字ですね10文字くらい増えましたね。それぞれの年度の中央値と95%範囲も見ていきましょう。投稿年度別に中央値と95%の文字数が入る範囲をグラフにしてみました」
「四角いのが中央値でエラーバーが95%の範囲か。下はまぁ変わらないけど、中央値も上側も上がってるな」
「中央値は2004年が6文字で、2018年が11文字くらいなので約2倍に増えてます。上側割合も徐々に増えてますね。累積度数も見てみました」
「徐々に長文の方向にいってるな。やっぱ長文の方が見られやすいのか」
「おそらくそうですね。小説を更新したときにまず表示されるのは新着欄です。その場合こんな表示です。
PC、スマホどちらもタイトル、話数、ジャンル、作者名しか表示されません。
正直なところ、ここで読む判断に使える物ってほぼタイトルしかないんです。あとせいぜいジャンルですかね。
タイトルがあらすじをかねないと他との区別ができないんですよ。
たとえば『愛』『小説家になろうのレビュー欄で愛を叫んだらものすごいPVが増えた件』という小説が新着欄に並んでいたとします。同じ愛に関する小説ですが、どちらを読みたいと思いますか?」
「なんだか、片方はレビュワーの人が好きそうなタイトルだな、うーんどうだろう、たしかにそれしか見る条件がなければ長文の方を見るかな」
「そうですよね。私も読みたいです。そしてですね、ランキングではこんな風に表示されます」
「PC画面ではあらすじやキーワードが表示されているけど、スマホはタイトルと作者名だけか」
「ランキングは一番閲覧数が稼げる場所です。PCで閲覧していれば、あらすじやキーワード情報もあるのですが、スマホではまずタイトルしか出てこないのです。そこでタップすればあらすじが出てきますが、それにしてもまず興味を持ってもらうことが大事です」
「確かに、短いタイトルだとなんだかよくわからないからスルーの場合が多いかな」
「ランキング欄や新着欄を見て、面白そうなタイトルの作品を読む読者が多いですね。タイトルが短くてもキャッチ―なものだといいですが、たいていは長い方が読まれます」
「読まれるための適者生存ってやつか」
「たまに長文タイトルをバカにする人もいるんですけど、読まれるために最適化しているだけであって別に可笑しくはないんですよね。というか、現実の本屋でもそうなってますからね。
だって、大量に投稿、更新される中でよくわからないものを選ぶ必要なんてないのです。読んでもらうためにはある程度の情報は必要なのです。
ちなみに、えーさん、物が売れるための一番重要な物って知ってますか?」
「知らないが、この流れだとタイトルだろうな」
「その通りです。全然売れなかった作品が、タイトルを変えるだけでベストセラーになることもあります。どんな名作でもまずページを開いてもらうことが重要なのです。読まれたいのであればそういった工夫は必要ですね」
「そうなると今後もタイトル文字数は増えていきそうだな」
「そうですね。まぁ仕組みが変わればそれも変わるでしょうが、現状と同じならしばらくは長くなっていきそうですね。
はい、ということでタイトル文字数は以上です。
それでは次へいきましょう。次は合計で10万文字以上書いた作者の0割合です。小説家になろうでは10万文字を一つの区切りとして見ていますが、そこまで行ったときの評価などはどうなるのか見てみました」
「かなり0の割合が減ったな。10万文字以上書いた作者の98%はポイントがあるのか。感想も80%がもらえているな。やっぱり10万文字の効果はすごい。だがレビューは20%か」
「それでも全体よりはだいぶ増えているんですよね。とりあえず、0を嘆く方は10万文字を目指すといいですね。ということでこれも終わりです。
次!」
「なんだか、やっつけみたいな感じだな」
「今回は補足ですからねサクサクいきますよ。
次はレビューについてです。思ったよりもグラフが多くなったんで出さなかった奴です。まずはレビューが書かれた作品の投稿年度です。どの年度の作品にレビューが書かれているか集計してみました」
「最近の作品に結構書かれているのな」
「レビューがかなり増えたのは2016年からなのでそのあたりが多いですね。ただ、今年の作品にはそんなに書かれてないですね。集計したのが10月なので3ヶ月分を考慮しても昨年度の作品数と同じかちょっと少なそうです」
「そうなのか。なんで減るんだ?」
「埋もれた作品を発掘するひとも多いのでちょっと前の作品につきやすいのもあるかと思います。なので今年に書かれたレビューのうち2017年に投稿された作品に書かれたのも多いのですよ。
次にそれぞれを投稿数で割ってみました。年度ごとの作品にレビューが書かれる割合はどう変化しているのでしょうか」
「たしか全体では3%だったよな。それを越えているのは2016、2017か。2018がちょうど3%だな」
「どうやらそれくらいの割合に落ち着くようですね。もっと増えてもいいんですけど」
「何であんまり増えないんだろうな。」
「何ででしょうね。でも次のグラフをみたら書きたくなるかもデスよ。レビューを書いた人のレビューをもらった割合を集計してみました」
「なんだこれ、書いたレビューが多くなるほどもらえた率が上がってるぞ」
「書いたレビューが1件だともらえる確率は30%、2件なら50%、3件で60%、10件以上だと80%の人がレビューを貰えています。100個以上書いた作者は100%もらえてます」
「なんでなんだ」
「本編で言っていたようにレビューを書けば、自分の小説のキャッチコピーや押しポイントの把握、簡潔なあらすじ作成能力が養われます。
それに加えて、もう一つ理由があります。
レビューって仲のよいユーザー同士で送りあっていたりする場合もよくあるのです。交流をよくするレビュワーさんが応援として書いていたりしますね。
仲のいい人が頑張っている姿を見ると応援したくありません?
レビューはそういった応援の意味もあるので、交流の多い作者さんはレビューを貰うことが多いのです。
そしてこれがレビューを書けばレビューがもらえるデータなのです。レビューにはいろいろな効果があるのですよ。
まぁただ、レビューが欲しいからレビューを書くという人はたぶんもらえませんけどね。きちんと応援したご褒美に巡り巡って返ってくるってイメージですかね」
「はぁ、レビューってすげえな」
「そうでしょ? 書いてみたくなりました? はい、ということで今回はこんな感じですね。またの番外編であいましょうノシ」
ということで忘れていたグラフも出せて一安心。大量にグラフを作るのはいいのですが、それを挿絵にするためにはみてみんにアップロードして、さらにそのiコードをなろうの方に入れないといけないのです。
手順がいくつかあるのでたまに忘れちゃうんですよね。もう少しやりやすくなるといいんですけど。
次回予告
「やったー!」
「ん、どうかしたのか」
「あ、先輩。ついに初めて逆お気に入り登録されました! ようやく常連さんがついてくれたんですね。嬉しいです」
「……あぁ、それはよかったな」
「ただ、私の小説ブクマしているみたいなんですが、評価はされてなかったです。ちょっと残念」
「ブクマはしても評価はしないユーザーは多いからな」
「そうなんです? あぁそういえばブクマよりもつきにくいっていってましたね。半分くらいですかねぇ、評価する人って」
「20%だ」
「えっ?」
「小説家になろうのユーザーのうち1回でも評価したことがあるのは20%だけだ。ふむ、では次はユーザー機能の活用について見てみるか」
「20%? えっ?」
次回、小説家になろうを知ろう「なろうユーザーの嗜み」