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小説家になろうを知ろう ~小説家になろうをグラフ化してみた~  作者: ゆうゆう@なろうデータ収集卿
7章 モジクラフト・マイスター
18/36

文字数について知ろう

☆データ情報☆

※今回の使用したデータは2018年10月13日現在のものです。

※作品情報->なろう小説API

※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測です。そのため実際の値から多少ずれがあります。ご承知おきください。

「今回のテーマは文字数だ。どのくらいの文字数の作品が多いのかや、1話あたりの文字数がどれくらいなのかを見ていこう」


「いつもどのくらいの文字数で区切るか悩んでるんです。どれくらいの文字数がいいんですか?」


「そういったデータも後で出てくる。まず始めにどの文字数の作品が多いのか見ていこう。まずは区切りについてだが、公募などでの区切りを参考にして集計してみたぞ」


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


「半分くらいが掌編小説なんだ。えーっと、掌編は10枚未満、えっ、4千文字未満がこんなにあるんですか!?」


「小説家になろうの小説の半分は4千文字未満だ。そして、短編、だいたい4千~3.2万文字の小説が約30%、3.2万文字~12万文字の中編が11%。原稿用紙300枚以上と言われる長編小説は6%、3.4万作品だ。40万文字を超える小説は全体の1%程度だ」


「へぇー、ほとんどが12万文字以下なんだ。なんだかいっぱいあるイメージでしたが、そうでもないんですね」


「そのようだな。まぁ10万文字を区切りにしている人も多い。ここでは原稿用紙換算でやったから中編がちょっと多くなっている。ちなみにだが、10万文字以上の作品は全体の10%だな」


「それでも10%なんだ。そんなに作者の方は書かないんだ」


「分布も見てみるぞ」


挿絵(By みてみん)


「結構きれいな形ですね。真ん中は3千文字~5千文字くらいですか……えー、そうなんだ。ん? 左がとぎれてますが、何かあるんですか?」


「小説家になろうでは現在、200文字以上しか投稿はできない。だからこんな風になる。320文字以下の小説が約6.5%あるんだ。中央値は3500文字だな。そして対数正規分布の形状に近いな。累積度数でもみてみる。短編、連載、完結について集計した」


挿絵(By みてみん)


「なんとなく予想通りですね。短編が上にあるので文字数が少ない作品が多くて、下にある完結作品は文字数が多い作品が多いんですね」


「そうだな、短編の約90%は1万文字以下だ。中央値は1600文字くらい、完結作品の中央値は3.2万文字くらいだな。そして10万文字以上は25%だ、完結作品の4作に1作は10万文字を越えている。ではポイント割合も見ていこう。文字数が多くなるとどうなるのか、最初の区分ごとに集計してみた」


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


「なんだかすごくきれいな感じ! 文字数が多くなれば高ポイントの割合も多くなってます。超長編なんてほぼ100ポイント以上じゃないですか! えー、そうなんだ。」


「そうだな、おそらくだが、小説家になろうで一番ポイントに影響するのが文字数だ。短い作品はブクマ、評価されないことが多い。掌編だと半数は0ポイントだが、短編になると30%、中編だと10%、12万文字以上の長編は3%程度だ。40万文字を越えると80%以上が100ポイントを超えている。1000ポイント以上も40%ある。


 まずだな、ポイントがないと嘆く人で文字数が少ない場合の一番の特効薬は書くことだな。12万文字くらい書いていればほぼブクマされる。ジャンルがハイファンタジーであればなおさらだな。10万文字ブーストという言葉もある」


「何ですかそれ?」


「作品の文字数が10万文字を越えると、PVが急に増えるという現象だ」


「へー、そんなのあるんだ」


「活字中毒者に多いのだが、ある程度の文字数がないと読まない人もいる。俺もそうだが。その目安に使われるのが10万文字付近であると思われる。それを超えるとその層が一気読みしにくる。そしてPVが急に増える。また、その活字中毒者はレビュワーであることも多くて、レビューされて更に伸びるというわけだな」


「なるほど!」


「まぁ、全部の作品がその恩恵を受けられるわけではないがな。では次は、いつものようにジャンルごとにも見ていこう。どのジャンルの文字数が多いか割合を出してみた」


挿絵(By みてみん)


「安心の恋愛とファンタジーですね。文字数も多いんだ」


「そのようだな、183億文字のうち、86億文字くらいがファンタジーだ。文庫8.6万冊くらいになるぞ。小ジャンルはこんな感じだ。単位は億文字だぞ」


挿絵(By みてみん)


「うーん、ハイファンタジー……すごい。文字数も大量にありますね。その他のジャンルは少ないですねぇ」


「その他はそこまで文字数が必要ないジャンルだからな短めが多い。特に詩がそうだな。さて、これを一作品あたりにも直してみた。そのジャンルの文字数を投稿作品数で割ってみた。どうなるかな」


挿絵(By みてみん)


「わ、ハイファンタジーやVRゲームが10万文字付近なんだ。めっちゃ書いてますね」



「概ね、この辺りが高ポイント割合が高い秘訣だろうな。さて最後に、1話あたりの文字数も調査してみた。2話以上ある連載、完結作品だけ抜き出し、文字数を話数で割った数値の分布を見てみよう」


挿絵(By みてみん)


「きれいな形ですね」


「かなり正規対数分布に近い形だ、中央値は約2500文字、400文字~1万文字以内に95%ある。1000文字~4500文字で67%だな。まれに数万文字を越える文字数で投稿されているのもあるが少数派だな」


「へー、2500文字かぁ。そうなんだ。なるほど、2000文字だとちょっと短いんだ。それで、結局どれくらいがいいんですか?」


「それも集計したぞ。文字数範囲を適当に区切ってその中のポイント割合についても調べるとこうなる」


挿絵(By みてみん)


「えっ! 1話あたりの文字数が少ないと評価される作品って少ないんだ……。ふむふむ、大体3500文字くらいからが低ポイントが少ないんだ。そこからは平らですね。でも6000文字くらいからまたあがってます……」


「そのようだな、評価割合が高いのは3500文字~6000文字くらいだな。これについては、いろいろとあるが、こういったウェブ小説を読む人は隙間時間を利用して読む人が多いらしい。その人達は5分~10分くらいで1話を読み切れるものを探している。読む速度の平均は分速500文字くらいだから、10分だと、大体5000文字くらいになる。読みなれている人はもう少し早いから、その付近の文字数がちょうどいいのかも知れない。しかし、あまりにも長いと読み切れない。だからと言って、短いと物足りないようだな。ちょうどいいバランスなのが3500文字~6000文字ってところなのだろう」


「あー、そっかー、2000文字くらいを意識してたんですけど、ちょっと短かったんだ……」


「まぁ、小説のスタイルにもよるな。ここで良さそうなのは4000文字くらいを目安に書くと外れはなさそうだ。おおむね3000文字~6000文字くらいなら問題はないと思うぞ」


「うーん、ちょっと気を付けてみます」


「ちなみにだが、文字数が正規対数分布に従うことは昔に研究されて論文も出ている。参考に読んでみるのもいいぞ。まぁこれは文単位だがな」


*安本美典(1958)「文の長さの分布型について」計量国語学, 4 号, pp.20-24.

*佐々木和枝(1976)「文の長さの分布型」計量国語学, 78 号, pp.13-22.

*新井 皓士(2001)「文長分布の対数正規分布性に関する一考察 : 芥川と太宰を事例として」一橋論叢, 125号 3巻, pp.205-223.


「論文まで……。だ、大丈夫です。先輩のグラフだけでおなかいっぱいですから」


「そうか残念だ。面白いものもあるんだがな」


「……」




今回は文字数の話でした。この目安はあくまでも全体の話です。

ジャンル、作風、更新頻度によっても異なるので参考程度に覚えておくといいですね。



ちなみに文字数に関して詳細に分析しているエッセイもありますよ。参考にどうぞ。

この方もいっぱいデータ分析しているのでぜひどうぞ!


『10万文字以上の作品、恋愛・ファンタジー・文芸・SFを全て調べた! 一話何文字が良いか? ポイントとの関連は?』

https://ncode.syosetu.com/n2221ep/




また小説家になろうの論文としてはこんなのもあるよ↓ 論文はいいぞ!


「ゲル化剤を用いた巨大プリン製作についての考察―有限要素法によるバケツプリンの自重崩壊を起こすき裂発生点の同定」

https://ncode.syosetu.com/n0406du/


「有限要素法による巨大ゼリー製作についての考察 ―炭酸系材料を用いた多層積層バケツゼリーの破壊メカニズムの検証―」

https://ncode.syosetu.com/n8811ef/




※今回の章の元ネタ

『マギクラフト・マイスター』

https://ncode.syosetu.com/n7648bn/


2013年2月より連載が開始され、現在も連載中。

書籍化、コミカライズされている。


現在620万文字あり、話数は2000を超える。

そして連載開始から毎日更新を続けている。


内容は異世界に召喚された主人公が生産職として活躍するお話です。

いわゆる生産系チート小説。


地球の知識と異世界の知識を合わせて様々な物を作ったりします。

基本的にほのぼとした雰囲気で、モノづくりを楽しんでる感じ。


更新頻度が高いのと、1話が3000文字くらいなので毎日の息抜きとして楽しめる作品です。


また更新頻度が高いのが好きであれば『レジェンド』もお勧めです。

https://ncode.syosetu.com/n3726bt/

こちらの方も2000話くらいあって1000万文字をこえています。

1話当たり5000文字くらいですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 俺は活字中毒者だったのか… だいたい200~300話越えないと読む気になれない(100万文字くらい)
[一言] とても、参考になりました。 ありがとうございます。
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