挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
アイムトリッパ 作者:亜牙憲志

第1部

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

17/48

箱探しクエスト

第十六話 箱探しクエスト

 カピは、この屋敷のベッドで目覚めた時に見つけたメモ用紙、魔法のように消えたノートの切れ端に書いてあった、謎のメッセージを思い出していた。

 「困った時は黒い箱を開けろ」

 (たしかそんな内容。今まさに僕はピンチだ、かっこよく啖呵を切ったというのに、このままだと、尊敬されるべき御主人様の沽券にかかわる!)


 カピは強く言う「何よりもまず最初に、黒い箱を探さないといけない!」

 執事のルシフィスが小首をかしげ「黒い…箱ですか?……」

 カピは目を輝かせる「そうそう! そう言われてたんだ」

 ルシフィスの顔も、パッっと明るくなり「もしや! マックス様! マックス様からのメッセージですか?」

 (え!? そ、そうじゃ無いと思うけど……。どうする? 説明がややこしいぞ)

 自分の提案で予想外の期待を抱かせたことに、面食らってしまうカピ。

 「……う~ん、おじいさんというより…カピバラ家、先祖代々の言い伝え、まあ家訓みたいなもので…家を継ぐ者にとって大事な事らしいよ……」

 何とか上手く? はぐらかしたカピの答えに、明らかに気落ちする執事。他の使用人達は考え込むような様子。

 「みんな、何か思い当たるような箱は無い?」
(厨房の宝箱は違った。まさかどこかのダンジョンに眠ってる箱の事を差してる筈はない。そうならもっと場所の情報がメッセージにあったはず、それが無いという事は、この屋敷にあるはずなんだ)カピは思う。

 メイド長のプリンシアが
 「あたしが部屋の掃除で、見かけたって事は…ないはずよぉ」

 執事のルシフィスも同様に
 「通常使用するスペース、玄関から食堂、応接室など、わたくしの目を配る範囲でいえば、そのような物は見た事がありませんね」

 コック長のリュウゾウマルも似たような感じで
 「厨房は当然として、近所を出歩く時も見た記憶が無いでござるな、スモレニィ殿にも起こして聞くでござるか?」

 カピは(さすがに床の間に飾ってあるって事は無かったかぁ)と、簡単に見つかるという淡い希望は捨てるしかなかった。

 執事は言う「後は、もう少しマックス様の部屋、今はカピ様の部屋を丁寧に探すか、屋根裏、物置小屋などのゴミの山を探るしか……それ以外だと……地下……」

 今まで黙考してた、ロックが声を出す

 「そうじゃ! ルシフィス。地下だ、屋敷の地下室。一番奥の宝物庫」

 「!? ああ、思い出しました。あの奇妙な部屋ですね。あそこには何も残ってなかったのでは?」執事はほとんど失念していた。

 「いや、あの奥に台があって、丁度黒い箱が飾られているんじゃ。坊ちゃん、それの事じゃないか?」

 (忘れられた地下室に置かれた箱。間違いなさそう、それだ!)カピは思った。
「それだよ! きっと。早速それを取りに行こう!」

 執事と職人ロックは顔を見合わせる。そして執事が言う

 「分かりました。地下室へ行きましょう。ただし我が家とはいえ、そこはカピバラ家宝物庫。僅かではありますが危険が伴います。まずはわたくしとロックさん。そして万が一を考えプリンシアさんついて来て下さい」

 メイド長は力こぶを見せウインクする。
 「はいよ了解! 全員ぶっ倒れても、あたしが担いで運んじゃうよ~」

 ルシフィスはカピの了解を得てメンバーに声をかける
 「では後ほど。皆さん準備を整えて、地下階段前へ集まってください」

 (いよいよ始まるぞ! パーティを組んで最初のクエストの開始だ)カピは執事の指示を聞きながら心高まるのを感じた。(ただ家の地下に箱を取りに行くだけの、超簡単な「お使い」だけどね)

 このクエストがカピにとって、魂の震える恐ろしい幕開けとなり、最後に驚愕の真実が待っている事を幸いにもまだ知らない。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ