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旅立ち

 俺の名前はアーデス、15歳の黒髪の青年だ。

俺は今日の職業ジョブ決めの儀式を待ちきれない気持ちを抑え、朝早くにおき日課の薬草、食材集めをして帰る最中だ。

母さんには、「今日の昼には家をでるんだから、仕事は休んでいいわよ」と言われたが、今日が最後の日課になるのだから、母さんには楽をしてもらいたい。

このあと、昼ほどに王都からの馬車がくる。

職業ジョブ決めの儀式をするためのものだ。

職業ジョブ決めの儀式は人生を左右する大事な儀式だ。

そして職業ジョブ決めの3日後には、母さんは父さんのところに向かい家を出るそうだ。

父さんは何しているか?3年ほど前から旅に出たあとから「生きている」と言う連絡しかしない。

そしてこの家には来月当たりに新しい人がはいると言うので、母さんからは、「これを機に、王都で働きなさい」と言われた。

なので、今日王都に向かう理由は3つあり、一つは職業ジョブ決めの儀式を受けるため、職業ジョブ決めの儀式は毎年12月に行われ15歳になった子供達を集めて行う。

2つ目は、ステータスを知るためだ。職業ジョブ決めの儀式の後にステータスの能力部分が見えるようになる魔法を追加で行ってくれる。


 「ステータス」 

 名前 アーデス

 職業 不明

 能力 不明

 状態 なし

 スキル 不明

 


この不明の部分が見えるようになるわけだ。

そして、三つ目の理由は王都にいき、最果てのダンジョンで冒険して、稼いだお金で生きていくのだ。


 


そして、俺は今日始めてこの村【ヘルミン】をでる。

 「母さん、行ってくるよ!」

二階からおり、玄関で母さんに教える。

すると、リビングから、袋を持った茶髪の母さんが出てきた。

 「アーデスこれは餞別よ、持って行って」

袋の中身は金貨5枚が入っていた。

俺は金のことはあまり知らないが、金貨が大金なことは知っている。

 「母さん、これは?」

 「生活するためのお金よ、それだけで50日ぐらい宿に泊めてくれると思うわ」

 「ありがとう」

 「気をつけてね」

金貨をポケットに入れ、母さんからの声援を受け今度こそ家を出る。




 「君がアーデス君だね」

 「はいそうです。王都までおねがいします」

 「おう、まかせてくれ」

25歳ぐらいのイケメンさん(格好いいから勝手に決めた)に言われ指示された場所に座る。

そして周りを見ると、さっき喋っていたイケメンさん以外には、自分と同い年であろう男4人女3人がいる。

 「では王都へ出発する!ここからはノンストップで行って3時間後に付くと思う!」

 そして、イケメンさんは言葉が発したあと、【ヘルミン】から出発するために前席に行き馬を走らせた。

3時間やることがないので何をするか、悩んでいると隣から話しかけられる。

 「君はアーデス君だよね?」

真横からの声でそちらを振り向くと、そこには綺麗な白髪と同じ色をした剣をたずさえた女性がいた。

 「そうだけど、何?」

 「私は同世代と話したことが無いから始めての友達作りをしよう思って」

 「わかった、でもなんで俺なんだ?」

すると彼女は俺の耳に口を近づけてゴニョゴニョと理由を告げてきた。

 「他のひとは喋りにくいのよ。」

確かに周りは自分の剣を眺める男2人と、仲の良さそうに楽しく話す女2人、あとは眠る奴と本を読む奴がいる。

 「あぁ確かに」

俺も他のやつとはしゃべれそうにない。

 「じゃあ私の自己紹介いい?」

 「よろしく」

 「私の名前はスノーヴィーで、気軽にスノーって呼んでね。得物は剣で今日の職業ジョブ決めの儀式は、『魔法剣士』を狙ってるわ」

 「スノーは『勇者』を狙わないのか?」

『勇者』、それは多くの者が狙う職業ジョブで、『勇者』になったものはステータスに大きな補正が付く。

しかし、『勇者』になれるものは、一年に5人出れば、当たり年と言われるほど数が少ない。

 「私はステータスに大きな補正が付くより、剣に魔法を纏わせながら戦いたいの、しかも『魔法剣士』専用スキル、《魔法剣技》は、レベル50以上になったものがいない未完成スキルの一つだから極めがいがあるの」

『魔法剣士』とは名前の通り魔法を用いた剣士で、これも『勇者』と同様珍しいスキルで、あまり見かけないスキルである。

 「私の自己紹介は終わり、次は貴方あなたの自己紹介お願いできる?」

 「俺の名前は君が知ってるようにアーデスで、得物は決めていない、狙う職業ジョブは、戦闘職だったら何でもいい」

 「大雑把おおざっぱなのね」

スノーに苦笑混じりの指摘をされた。

まぁ、わかってはいるが狙っている職業ジョブなんて滅多めったになれないのだから、狙うだけ無駄だろう。

決して狙う職業ジョブがある人をバカにしているわけではない。

逆に凄いと思っている。

だが俺は今まで、『剣士』や『魔術師』になるための努力をしたことがない。

そんなやつが職業ジョブを狙うわけにはいかない。

 「まぁ王都にある最果てのダンジョンを冒険するためには戦闘職は必要だからな」

 「アーデスも冒険者希望なの?」

 「あなたもって、スノーも?」

思った疑問を口にしてみると、早口で返ってきた。

 「私も冒険者希望なの!あなたも冒険者になるなら、私と一緒にパーティーを組まない?もちろんリーダーは貴方で報酬は、山分けでどう?」

 「す、凄い自信だな。『魔法剣士』になるのは確定事項か?」

 「当たり前よ。私がどれだけ努力してきたと思ってるのよ」

そんな夢溢れる会話を3時間続け、冒険の心意気などの話が一区切りしたところで馬車が減速しだした。

 「もうそろそろ王都につくから、馬車を出る準備を」

周りを見るとそれぞれの準備をしている。

 「私たちも準備しましょうか」

 「そうだな」

そして、王都の門が見えたところで馬車は完全に停車した。

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