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おばあちゃんはスーパーマン
作:中村ジゴロウ


おばあちゃんは何でも知ってて何でもできる。

困ったことが起きた時、おばあちゃんに相談すると、何か知恵をくれたり、代わりに解決してくれたり、なだめてくれたりする。

料理の腕も一級品でそこらの飲食店よりおばあちゃんの料理の方がおいしい。

和食に洋食、中華だってできちゃう。

スポーツも万能で77歳にして、激しく泳ぐ走る跳ぶ。

30年も年が離れてる僕のお母さんよりも速く泳ぎ速く走り高く跳ぶのだから、それはスゴい。

おばあちゃんの性格は陽気でサッパリしている。

それでいて弱い者いじめとかズルイことが大嫌いなんだから、おばあちゃんは僕にとってスーパーマンだ。

今日も明日も助けておばあちゃん。

でも、そんなスーパーマンなおばあちゃんにも最近不穏なものが押し寄せてきてるんだ。

年だから仕方ないと言えば仕方ないんだけど、高血圧、糖尿病、白内障、色んな病気が徐々に徐々におばあちゃんを蝕んでるんだ。

今のところ、私生活で暮らすには特に問題はないんだけど、おばあちゃん言うことには。

「今までできてたことができない・・・」

少し頭にくる出来事があると血圧が上がってクラクラ、血糖値のための食事制限、文庫本サイズの字が見えないんだって。

おばあちゃんは、それを寂しそうに僕に言うんだ。

それを聞いた時、僕は何も言えなかった。

元々気の効いたことが言えるタチではないし、何よりもショックだったから。

僕にとっておばあちゃんはスーパーマンで何でもできちゃう人なんだ。

病気なんてヘッチャラでかからないし、体の衰えなんて無縁もいいとこ、ずっとずっと長生きして、僕のそばにいてくれる。

そんなことは絶対ありえないんだけど、僕のおばあちゃんにはできると思ってるんだよね。

何なんだろうね、このありえない考え。

だから、そのおばあちゃんの寂しそうに言う言葉を聞いた時、胸が詰まってしまって僕は黙り込んでしまったんだ。

でも、根が陽気でサッパリしてるおばあちゃんだから、おばあちゃんはすぐに冗談冗談とか言って他の話題に擦り替えてた。

これがまた僕にとってふむうと考え込んでしまうタネなんだよね。

そんな話を後日お母さんにすると、こう言う。

「それが年寄りの役目なのかもしれないね」

お母さんが言うには、おばあちゃんは僕より先に生まれているから僕より早く動かなくなってしまう。

でも、そうなるまでに色んなことをしてくれて大切なことを伝えてくれるだって。

で、その伝えてくれたことを受け取って僕は生き、また僕の次の世代に伝えていく。

考えてみれば、僕が今こうして生きているのだって、おばあちゃんの愛情のおかげ。

僕は今まで無意識にそれを受けてきたけど、意識して受けて、今度はそれを感謝で返す番なんだろうと思った。

と言っても僕にはお金がなくて、経済的には何もしてあげられないけど、おばあちゃんのそばにいれるだけいたいと思う。

こんなこと考えたくないけど、おばあちゃんとの別れは必ずくる。

でも、その時に悲しまずにありがとうって言って送ってあげられたらなと思う。

まぁ、それはおばあちゃんだけでなくて、おじいちゃんやお母さん、お父さんや家族全員なんだけど。

こんなことを考えさせてくれるきっかけを与えてくれる僕のおばあちゃん。

やっぱりスーパーマンなんだろうね。


スーパーマンって身近にいるよね。













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